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オバマ大統領が広島を訪問した意義


 もう説明するまでもないと思いますが、先週末、オバマ大統領の広島訪問、そして何より歴史的な広島平和公園での献花と原爆資料館の視察が行われました。
 広島で生まれた身として、もうその瞬間は言葉にするのが難しく、感無量としか言いようのない気持ちでいっぱいになりました。
 まずは素直に、「オバマ大統領、ようこそ広島にお越しくださいました、ありがとうございました」と言いたいです。
 
 さて。
 核廃絶への道や、外交的な意義については、色んなところで語られていますので、今回はやえはパスします。
 よってここでは、もっと政治的な、他の人はあまり語らないようなコトを指摘してみたいと思います。
 
 というのも、国内的にもやはりこれは大きな支点となったと思うんですね。
 何がかと言えば、それは「もうこれで日本は核武装論を取り上げるコトすらできなくなった」という大きな事実です。
 これは本当に大きいと思っています。
 
 だって、ここ数日のオバマ効果で核廃絶の機運がすごく高まってはいますが、ちょっと前までは日本の核武装論がおおっぴらとまでは言いませんが、くすぶっていたっていうコトは確かだと思うんですね。
 それは安倍さんが総理になったからという点も小さくなく、もちろん安倍総理自身がそんな発言をしたというワケではないのですが、安倍総理に期待する特に過激な方向の保守系から日本の核保有論が増えてきていたコトは確かだったと思います。
 安倍さんなら憲法改正できる、九条改正出来る、ついでに核兵器も持てるようになれると、まぁ願望のようなモノも混じった、そんな期待がそれなりにあったワケです。
 
 でもこれでくさびを打ちつけるコトができました。
 もちろん議論は議論ですから市井で核武装論を主張するコトはダメだとは言いませんが、しかし少なくとも「米国大統領の広島訪問を主導した日本政府」としては、もう可能性が少しでも出てくるようなコト、つまり議論するコトすら不可能となったと言っても過言ではありません。
 特に今回の広島訪問はインパクトが強いです。
 もう世界中でこのニュースが駆け巡っています。
 すなわちこれは、「日本は原爆を投下されたから核武装をする」のではなく、「日本は原爆を投下されたからこそ核廃絶を主導する」と力強く宣言したワケなのです。
 日本は5/27を持って、今後将来にわたって一切の核武装の道を絶ったのです。
 日本政府や国会議員は議論すらもう不可能でしょう。
 
 日本の核武装論の是非は今回はしません。
 やえの核武装に対する評価は過去に散々やってますから、そちらをご覧ください。
 今回はまずこの大きな1点の事実を確認しておこうと思ったのです。
 
 もうちょっと書きますと、今回の件は広島選出の岸田外務大臣の功績が大だと評価するところです。
 もちろん岸田外相を留任し続けたという意味で安倍総理の功績もありますが、しかし逆に言えば、安倍総理が岸田さんを外務大臣に起用しなければ、今回のコトは無かったと思っています。
 日本政府の核廃絶に対する動きは、明らかに岸田さんが外務大臣になってから急加速しました。
 例えるならけっこうあるのですが、第1次安倍内閣では実現できず、第2次内閣で初めて署名した国連の共同ステートメントですとか、日本で初めての開催となった核を持っていない国で組織されている核不拡散イニシアティブ(NPDI)外相会合を広島で開催し、各国外相と被爆者との意見交換会などを行い成功裏に導いたコトですとか、そして外相全員で平和公園・原爆資料館、そして突然の原爆ドーム視察が行われたG7外相会合ですとか、もし安倍総理だけの思いであれば第1次の時にできたハズのコト、または外相マターではなく総理マターでできるコトがたくさんあったにも関わらず、このように基本的に日本の核廃絶政策は全て外相マターで行われてきたんですね。
 すなわち岸田外相がこれらを主導し、環境を作り、お膳立てをしてきたのです。
 
 繰り返しますが、それを是認してきた安倍総理ももちろん功績として挙げられますし、なにより第1次内閣の失敗を反省してバランスの取れた内閣を組織し、外相という要職に自民党の中では反対側に位置する岸田さんを外務大臣に就けたコトは安倍さんの評価を高める要因であって、下げる原因には一切なりません。
 ただ、もしかしたら安倍さんはここまでは予想してなかったかもしれないとは思うのです。
 バランスを取るために起用した岸田外相ですが、ここまで明確にくさびを打たれるとは思っていなかったのではないでしょうか。
 岸田外務大臣は日本にもアメリカにも大きなくさびを打ち込んだのです。
 
 オバマ大統領が広島を訪問した意義、これは日本国内にとっても大きな意味を持ちます。
 これからは、これをどう武器として使っていくのか、したたかに政治的に外交的に考えていかなければならないでしょう。
 

外交的弱点をさらけ出す愚


 今日はちょっと遅くなってしまいましたが、こちらのニュースです。
 

 「脅威論振りまくな」 中国から日本に4つの要求
 
 中国の王毅外相は、日中関係を改善するため、「中国脅威論や経済衰退論を振りまくな」などと会談で日本側に4つの要求をしました。
 王外相の要求の1つ目は、政治面について「歴史を真摯に直視し、反省する」ことなどです。2つ目は、日本人の中国観について「中国脅威論」や「中国経済衰退論」をまき散らすなとしています。3つ目は、経済について一方が一方を頼るといった古い考えを捨て、中国を平等に扱うよう求めています。4つ目は、国際問題について中国への対抗心を捨て、地域の平和に協力すべきだとしています。こうした要求の背景には、日中関係悪化の原因は中国側ではなく、あくまで日本側にあると強調する狙いがあるとみられます。

 
 GWに岸田外務大臣が中国を訪問した際のニュースですが、これに対してすぐにカッとなってしまう一部の人が「なぜ言われっぱなしなのか」みたいな批判をしているのをたまに見かけます。
 「中国に言われるだけでなぜ言い返さないのか」
 「土下座外交か」
 みたいな、そんな短絡的な批判です。
 
 なにが短絡的か。
 それはなにより、つい先日、同じようなお話が国会で話題になったばかりだという点をもっと振り返ってみて欲しいのです。
 TPPの黒塗り資料のお話です。
 
 民進党が「交渉のやり取りを記録した資料を出せ」と政府に迫ったので、政府が全てを黒塗りにした資料を出したという件ですが、しかしこんなのはそもそも当たり前なんですね。
 岸田外務大臣も国会で答弁していましたが、交渉の末に出た結果を明らかにして議論するっていうならそれは普通のコトで、むしろ今のTPPの議論でもそうなっているところですが、しかしその前段階の外交交渉のやり取りそのものは秘密にするのが外交上当然のコトとなります。
 それは信頼関係とか色々な要素があるワケですが、その中でも「自らの手の内を明かし、自国の弱点を明らかにしてしまうから」という理由も大きな理由として挙げられます。
 ちょっと考えれば分かるコトです。
 「××についてはそちらの考え方も分かるが、日本としては○○で勘弁してもらいたい」という交渉内容が明らかになれば、「つまり日本は××をこうすれば嫌がるんだな」と簡単に分かってしまうワケです。
 そして物事はもっと複雑です。
 TPPともなればとても広範囲な分野を細かいところまでギリギリの調整をしていたのですから、その交渉の内容を全て明らかにしてしまえば、それを分析されるだけで国益の多くを失ってしまうのです。
 
 そしてこれは日本側だけのお話ではありません。
 
 アメリカをはじめとするTPP交渉に参加した全ての国が、交渉内容の過程を白日の下に晒されてしまうと、同じように自らの弱点を晒してしまうコトになるのです。
 まさかアメリカだけが全く弱点のないアメリカの利益だけが追求できるのがTPPなんて思っている人はいないと思いますが、つまりもし日本が民進党の要求通りに交渉内容を公開してしまったら、それは日本だけが不利益を被るのではなく、TPP交渉に参加した全ての国の国益を失うコトになるのです。
 そうなければ、どうなるか。
 もちろん日本の信頼は地に落ちる上に、なによりこれで一番得をするのが、「TPP交渉に参加していない国である上に、国際法を無視するコトに抵抗の少ない国」こそがほくそ笑むコトになります。
 
 中国ですね。
 
 TPPの交渉を明らかにしろっていう主張は、つまりはそういうコトなのです。
 そして「外交交渉は明らかにしない」というのは、TPPだけに限ったお話ではありません。
 全ての外交交渉において、当然の措置です。
 
 ではこれを踏まえた上で、今回の記事について考えてみましょう。
 あら、中国さん、結果ではなく要求だけを自らの口で明らかにしてしまってますね。
 要求、つまり交渉の経過の中身なワケですが、つまりこれはどういうコトなのか、もう分かりますよね。
 中国は自分たちの弱点について、自らの口で説明してしまっているのです。
 
 「中国脅威論や経済衰退論を振りまくな」
 「歴史を真摯に直視し、反省する」
 「経済について一方が一方を頼るといった古い考えを捨て、中国を平等に扱え」
 「国際問題について中国への対抗心を捨て、地域の平和に協力すべき」
 
 つまり
 
 「中国脅威論を言われたり、経済衰退論を言われたら困る」
 「歴史認識問題をあまり大きく取り扱われると困る」
 「完全な資本主義自由主義経済を展開されると困る」
 「東アジアの海洋で対中国包囲網をされると困る」
 
 中国は自らの口でこう暴露してしまっているのです。
 これはおそらく、中国国内向けに「日本に対する強気な態度」を見せるためにこういうコトを言ったのでしょう。
 それはもしかしたら言論の自由のない中国国内に対してなら効果があるのかもしれませんが、しかし外交的には完全に失敗です。
 ここまで露骨に弱点を晒してどうするっていうんでしょうか。
 
 そして同時に考えてもらいたいです。
 「なぜ日本は言い返さないのか」
 この批判は2つの点で間違っています。
 
 1つはもう言うまでもありませんね。
 反論を公開すれば、日本の弱点を晒してしまう可能性があるからです。
 いちいち相手や、むしろ日本と中国を天秤に掛けようとしている国に対して、弱点になるような情報を与えてあげる必要など全くありません。
 日本は強国です。
 常に世界中からその一挙手一投足が注目されているのです。
 それを忘れてはなりません。
 
 そしてもう1つは、外相会談とは決してマスコミに公開されている冒頭の発言だけではないというコトです。
 こちらの記事によりますと、会談は実に「約3時間20分に及んだ」とのコトですから、当然のようにかなり突っ込んだ議論が行われたと見るべきでしょう。
 そうした時、「言われっぱなし」と捉えるのは、あまりにも短絡的過ぎると言うしかありません。
 中国という文字を見るだけで頭に血が上る人たちは、中国の、中国国内向けの拙いパフォーマンスなんかにまんまと乗せられてどうするのでしょうか。
 この辺よくよく考えてもらいたいです。
 
 ニュースの字面だけ見て脊髄反射するのは、政治を見る行為とは言えません。
 ぜひ広い視野で政治を見てもらいたいです。
 短絡的な批判は、むしろ日本の国益を失わせ、それをたくらむ国へのアシストにすらなっている可能性があるのですから。
 

オバマ米国大統領が広島訪問へ


 昨日夜、安倍総理がオバマ米大統領の広島訪問を発表しました。
 

 オバマ米大統領、27日に広島訪問へ…現職で初
 
 日米両政府は10日、オバマ米大統領が今月26~27日に三重県で開かれる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のために来日する際、被爆地・広島の平和記念公園を訪問すると発表した。
 現職の米大統領による広島訪問は初めてで、安倍首相が同行する。訪問はサミット閉会後の27日夕を予定しており、オバマ氏は現地で演説し、「核兵器のない世界」に向けた取り組みを今後も継続する方針を表明する見通しだ。
 安倍首相は10日夜、首相官邸で記者団に「オバマ大統領の広島訪問を心から歓迎する。今回の訪問を、全ての犠牲者を日米でともに追悼する機会としたい」と語った。その上で「オバマ大統領が被爆の実相に触れ、その気持ち、その思いを世界に発信することは、『核兵器のない世界』に向けて大きな力になると信じる」と訪問の意義を強調した。
 日本政府関係者によると、米政府からは10日、正式に広島訪問決定の連絡があった。オバマ氏の平和記念公園訪問には、安倍首相に加え、広島が地元の岸田外相も同行する。原爆死没者慰霊碑での献花を検討している。日本政府は10日、サミットに合わせ、日米首脳会談を開催することも発表した。

 
 広島で生まれた身として、なんとも言えない感無量の想いが胸に詰まるニュースです。
 
 もちろんその想いの中には、負の気持ちもあります。
 戦争云々以前の問題として、非戦闘員こそをターゲットにする核攻撃という手段を用いたコトについて、恨み辛みというか、それを非難したい気持ちというのはもちろんあります。
 それは広島で生まれたのであれば、たぶん言葉の上だけの「非戦闘員」とか「虐殺」とか、そういう表層的なモノだけではなく、もっと深い部分の「なぜここまでの目に遭わなければならなかったのか」「これほどまでの仕打ちを受けなければならなかったのか」という、人間としての根源的な部分までを考えさせられるような、そんな感情はあります。
 もし身近に被害者がいれば、それはさらにでしょう。
 
 でもそれでも、広島の人間の、一番の願いは「核廃絶」です。
 もちろん色んな人間がいますから、穿った言い方をすれば、核問題を理由に米国を攻撃してやろうとたくらむような人もいるでしょうから、何が何でも米国非難の論調を張る人もいるとは思います。
 でも、広島の人間の思いを全て集約して中庸まで濃縮させたモノは、「核廃絶」です。
 これを様々な立場でどう実現していくのか、その道をどう前進させるのか、それこそが広島の人間の思いであり、願いです。
 
 ですから、これはG7広島外相会合の時にも言いましたように、これから「米国に謝罪は求めないのか」等の発言が色々なところから出てくるでしょうけど、それはあくまで一部の尖った人たちの意見でしかないというコトを理解しておいてもらいたいです。
 これから様々な団体の名前や、その肩書きを持つ人が色んなコトを言うとは思いますが、それはあくまでその人やその団体だけの意見でしかありません。
 決して広島を代表しているワケではないのです。
 昨日の安倍総理の会見の時に、どこかの記者がしきりに「謝罪は求めないのか」としつこく質問していましたが、ああいうのは明らかに今の流れを逆行させる行為ですよね。
 そういう方向に持って行きたい人もいるのでしょうけど、でもそれは絶対に広島の人間の多数の意見ではありません。
 マスコミというフィルターを通すと、さもそれが多数の意見かのように錯覚しがちですが、これには絶対に騙されないようにしてもらいたいです。
 
 核廃絶という目的は、大変に困難な道です。
 国際法も、基本的にはその国が加盟し批准しなければ効力を発揮しないモノである以上、いくら核廃絶条約を作ったとしても、核保有国が加入しなければ意味を成しません。
 そういう中で、核保有国に核を自らの意志で捨てさせるというコトを求めるのが核廃絶の道であって、それは大変険しい道であり、また大変にデリケートな問題でもあるのです。
 急には絶対に進めません。
 ゆっくりと、時には後退するかもしれませんが、それでも着実に一歩一歩前進させるしかないのがこの問題です。
 その中で、今回の米国国務長官の広島訪問と、そして米国大統領の広島訪問は、間違いなく核廃絶への道の歴史的な一歩であるワケです。
 まずは広島の地を踏むコト、献花し祈りを捧げてもらうコト、これだけでも十分大きな歴史的一歩なのです。
 
 よって、これを阻害するような全ての行為は、「核廃絶」を祈り気持ちを踏みにじる行為だと断じます。
 
 今後ますます色んな言説が飛び交うと思いますが、まずはここはよくよく理解してもらいたいと思っています。
 なんのためにその主張をしているのか、それは「核廃絶」なのか、それとも単に米国を攻撃したいだけなのか、はたまた別の政局がらみのもっとくだらない理由からなのか、そこを考えてもらいたいのです。
 

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