3党合意なんて知らんとシラを切る岡田副総理

2012年4月15日

 ちょっと昨日の衆議院の予算委員会があまりにもひどすぎるので、ご紹介したいと思います。
 実はこれを受けて、今日も行われる予定だった予算委員会がストップしたままになってしまいました。
 これ全然テレビとかニュースで流さないので知らない方も多いかと思うのですが、いかに民主党がデタラメか、約束を守らないか、そんな政党とどう協議して合意を得られるのかと、もはや政治問題ではなく人間の基本的な生き方の問題だとすら言うしかない、そんなひどいやりとりです。
 
 公正になるよう、あとでやえがまとめました議事録と、中継の様子の動画を張っておきます。
 もしまとめが信じられないのでしたら、そちらをご覧下さい。
 ひどいです。
 
 流れをまとめます。
 まず問題の発端についてです。
 
1.民主党・自民党・公明党の間で昨年、「高校無償化については検討見直しをする」「23年度補正予算と24年度の予算については編成プロセスで誠実に対処する」と合意をする。
2.しかし高校無償化についても、予算編成についても、全く民主党は自民・公明両党に説明も協議も持ちかけなかった。
3.よって自民党は「見直し協議ということをぜひ行いたいと要請」を民主党に行う。
4.民主党、完全無視。
 
 委員会の流れは、これを受けた上での質問です。
 
自民党下村議員「3党合意した時の幹事長は岡田さん貴方だ。なぜ誠実な対応をしないのか」
岡田副総理「確かにサインしたのは私だが、その後役職を離れたから知らない」
下村「そんな答弁はないでしょう。その後副総理になったんだから、責任ある立場でしょ。なんで合意を履行しようとしなかったんですか?」
岡田「だから幹事長じゃないんだから知らないってば」
下村「3党合意を履行するよう自ら動けばいいだけじゃないですか。自民党はわざわざ民主党に呼びかけたんですよ、やりましょうって。でもやらなかったのは民主党でしょ。なんでやらなかったんですか?」
岡田「幹事長じゃないから知らないってば」
 
 ひどいですねぇ。
 民主党は約束を守るつもりはさらさらないと堂々と宣言しているのです。
 岡田副総理の言い訳も酷いです。
 簡単なコトなんですよ。
 岡田副総理がひとこと、予算編成に当たっては自民党と協議しろって言えば、それで済むんですよ。
 別に岡田副総理自らお出ましになって自民党と協議しろって言っているワケではないワケで、岡田副総理は幹事長時代にサインをした当事者なのですから、その責任を理解しているのであれば、予算編成時に自民党に誠実に対応しようと、現在の党の幹部に副総理として自ら手配すればよかっただけのコトです。
 そもそもいくらいまは役職に就いていないと言っても、民主党の所属であるには変わりないですよね。
 これが民間大臣であればまだしも、民主党所属の議員が「民主党のコトだから知らない」と言うのは、しかも日本で2番目に重い立場にある人間が、そんな無責任なコトを言って許されるハズがありません。
 まして野田総理は民主党の代表でもあるワケで、100歩譲って岡田副総理に責任が無いと言ったとしても、野田代表の責任は免れないワケです。
 岡田代表であり総理が「3党合意を誠実に守るために自民・公明両党と協議しろ」と言えばそれで終わってた問題なのです。
 結局これでは「民主党は約束を守らない」と、そう解釈するしかありませんね。
 実際守っていないワケですし。
 
 


 
■自民党下村博文議員
 お手元に昨年八月九日の三党合意、これを改めて確認させていただきたいと思いますが、高校授業料無償化については、「政策効果の検証をもとに、必要な見直しを検討すること」となっている。「平成二十四年度予算の編成プロセスなどにあたり、誠実に対処することを確認する」と、こういう風に書かれているわけですね。
 しかし、高校授業料無償化の見直し作業は実際は行われておりません。平成二十四年度予算編成にも全く反映されておりません。我が党に対しても公明党に対しても、この三党合意を受けて民主党から何ら誠意ある行動はありません
 我が党としては、再三再四これについては要請をしたにも関わらず、なしのつぶてで平成二十四年度の予算案が出てきて今日に至っている。こういう状況であります。
 一方で、税と社会保障の問題等ですね、与野党協議を働きかけているにも関わらず、自分たちに不都合なことは約束をしているにも関わらず、何の誠意の一かけらも見せない
 これはとんでもないことであるというふうに思います。
 これについて、この確認書、当時の幹事長岡田副総理が署名しているわけですね。これは岡田当時幹事長が自ら署名しているわけです。今政府に入っているわけです。どう考えられますか。
 
●岡田副総理
 この三党合意、確かに私が石原幹事長・井上幹事長と協議をしてまとめたものでございます。
 この三党協議の中で言っておりますのは、高校無償化について「平成二十四年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証をもとに、必要な見直しを検討する」と、いうものでございます。したがって、見直しをするかどうかは、それは検証次第ということではございます。
 しかし、検証するということは三党間で合意している。まぁその検証がどのようになされたのか、まぁ私、党の役職を離れておりましたので十分承知する立場にはございませんが、三党間でしっかりと検証をしていただくという風に期待をしているところでございます。
 
■下村博文議員
 そんな、与党の幹部として、そして政府の副総理としてしてですね、そんな答弁で許されますか。
 で「一」のところの「政策効果の検証をもとに、必要な見直しを検討する」ということと、さらにその下にですね、「平成二十三年度第三次補正予算ならびに平成二十四年度予算の編成プロセスなどにあたり、誠実に対処することを確認する」、これは三次補正でも、あるいは今回の二十四年度予算編成プロセスに当たっても、全く対処していないんですね。
 これ、どう責任をとりますか
 
●岡田副総理
 まぁあのー、このことについて各党間でどういう状況だったのかというのは、私、把握しておりませんので、これ以上ちょっと申し上げることは控えたいと思います。
 
■下村博文議員
 しかし、当時の岡田幹事長が責任を持ってサインしたわけですから。
 サインをしたということは、今も責任あるお立場なわけですから、幹事長ではありませんけれども、政府の副総理なわけですから。
 これ、ほかの自民党、公明党に対して誠意を持って対応するということについては、責任ある立場としてやろうと思ったらやれることなわけですよ。
 それが、「もう幹事長でなくなったからそんなことは私の関知することではありません」みたいな答弁では、答弁になりませんよ。
 
●岡田副総理
 まぁこの年末は、私は副総理でもなかったわけですが、それは三党間でよく話し合っていただくことだと私は思います。各幹事長間なり政調会長間の中ですね、誠実に話し合っていただくことだと思います。
 
■下村博文議員
 だから、そういう言い方が無責任でしょう。
 話し合っていただくって、先ほども申し上げましたように、我が党も民主党の方に三党合意については、これに合わせて、平成二十四年度の予算プロセスに当たって、見直し協議ということをぜひ行いたいと要請しているにもかかわらず、ナシのつぶてだということを冒頭申し上げましたね。
 我々、要請しているんですよ。応えていないのは民主党だけなんですよ。三党の話じゃないんですよ。民主党の話なんですよ
 
●岡田副総理
 まぁですから、自民党と民主党の間でどういうやりとりがあったのかとは、私、承知しておりませんので、委員は申し入れをしたという風に言われましたが、私、その事実を承知しておりませんので、これ以上コメントはしかねます。
 
■下村博文議員
 いや、それはないでしょう。三党合意というのは、三党合意というのは、自民党から、自民党から申し入れをしたからじゃ応えるという話じゃなくて、民主党自身も、岡田当時幹事長もですね、この二十四年度予算の編成プロセスなどに当たって誠実に対処することを確認すると。
 誠実に対処するのはあなた方でしょう
 あなた方が誠実に対処するということが、これは求められているんじゃないですか。それを対処していないでしょうということを言っているんですよ
 どうですか。
 
●岡田副総理
 えー、三党合意に書かれたことは、それは当然、どちらも誠実に対処されるべきことでございます。
 実際にそれがなされたかどうかは、私は把握をしておりません。
 
■下村博文議員
 あなたこの確認書に自分でサインしているんでしょう。この確認書にサインしていることについては、誠実に履行する義務があるんじゃないですか。
 次の幹事長に申し入れ、申し送りするなり、あるいは、今政府にいるわけですから、二十四年度の予算プロセスについては責任あるお立場のお一人でしょう。責任あるお立場なんだから、それについて全くしていないと今答弁しているようなものじゃないですか
 この三党合意そのものは、その場限りのことだったんですか
 そんな無責任なことが許されるんですか。
 
●岡田副総理
 先ほど来申し上げておりますように、私は各党間で合意したものは誠実に守られるべきだというふうに思っております。
 ただそれが、どういう状況、どちらに問題があったのかとかどういう状況だったのかということを私把握しておりませんので、それは各党間でよく話し合っていただくことだと思います。

 
 結局こんな政党がいくら「消費税について3党協議しましょう」と言ったって、誰がそんな誘いに乗るのかってお話しにしかならないワケです。
 当然ですよね。
 協議もしたし合意文書まで交わしたのに、いざ国会に法案を上げたら全く協議の内容とは無関係な法案が出来上がっていましたと、当然「これはどういうコトか」と問いただすと、政府は「自分は民主党の役職に就いてないから知らない」とシラを切る、そして法案が成立する。
 これで怒らない人がいるでしょうか。
 どうしてこんなデタラメが通るのでしょうか。
 
 というか、いま民主党は、こんなデタラメを通しているワケです。
 こんなコトされれば、そもそも協議なんて入れるワケないじゃないですかってお話しです。
 だって協議しても法案に反映されないのであれば、いったいぜんたい何のための協議なんでしょうかと言うしかありません。
 ましてマスコミは「自民党は合意した」と、法案の中身を見ずに責任を一方的に自民党にだけ押しつける、自民党が審議拒否していると責任を転嫁する。
 
 これが今の日本の政治なワケです。