予算成立を遅らせてまで大騒ぎした政治資金の問題のケジメは誰がとる?

 いつの間にか下火になってしまっている政治資金・政治献金の問題ですが、しかしその影響は現実に確実に悪影響を与えていて、このままではおそらく来年度の予算が今年度中に成立しないという事態になってしまっています。
 

 予算案:年度内成立を断念…2年ぶり暫定編成 政府・与党
 
 政府・与党は11日、2015年度予算案の年度内成立を断念した。予算案は、昨年11月の衆院解散の影響で提出が2月中旬にずれ込んだのに加えて、閣僚の政治資金問題でも審議が遅れていた。与党は4月上旬の成立を目指す方針で、2年ぶりに暫定予算が編成される見通しとなった。

 
 ちなみに2年前の暫定というのは、自民党が政権復帰した時の選挙の影響で遅れたモノです。
 それ以来の暫定なワケですが、しかし2年前と違って遅れる理由が、政治資金のせいっていうのはどうなのでしょうか。
 
 これがですよ、国益を損失させる大犯罪的な事件が起きてそれを暴くコトによって国家の利益になるっていう末での国会審議の遅れと、暫定というのでしたらまだ分かるのですが、しかし今回の大騒ぎは、結論を見れば何の利益も生み出さない、文字通り騒ぐだけ騒いだだけのコトにしかなりませんでした。
 こういうのを「無駄」と言うのです。
 騒ぎの終盤には、誰が見ても明らかなほど明確に法律に「復興と調査研究予算は含まれない」と明記されているのにも関わらず、その分野の献金にまでさも悪かのように大騒ぎする連中がたくさんいました。
 この前詳しく取り上げましたから繰り返しませんが、合法行為を悪と呼ぶ行為は法治国家への挑戦でしかなく、いまの日本では決して許してはならない人治主義の大罪と言っても過言ではない行為です。
 それは、“問題”を“発見”した民主党自身の姿を見れば明らかで、火を付けた当初では「違法献金」なんて勇ましく言っていたのに、それが違法でないと“判明”し、なおかつ岡田民主党代表にも「違法ではないけど悪だと断じていた献金」が見つかると、それまでの大騒ぎはなんだったのかというぐらい突然だんまりを決め込んでしまいました。
 そしてそれに追随するマスコミ。
 こんなバカ騒ぎが、ちょっと前まで予算審議をしなければならない国会を中心に行われていたのです。
 
 この結果、何が得られたのでしょうか?
 得られたのは、無駄だけではないのですか?
 政治献金の問題について、それを数週間にもわたって大騒ぎしていたコトによって、果たして何が得られたのか、少なくともやえには全く分かりません。
 もし利益があると言うのでしたら、ぜひとも何のどんな利益があったのか教えてもらいたいぐらいです。
 大騒ぎするだけした上で、しかし結局「違法行為していた人は誰も居なかった」というのが本当のところなのではないのでしょうか。
 
 では、時間だけを無駄に使ったあげくの末に大切な予算の成立が今年度中に間に合わなかった責任とそのツケは、果たして誰が取るというのでしょうか。
 
 昔からこういう構図はありました。
 本質を突く議論ではなく、雰囲気だけでなんとなく悪だと決めつけて、その根拠も論拠もなくイメージだけで悪印象を与えていくっていう、そんな構図です。
 過去を振り返ると思い多あるフシはいくらでもあると思います。
 しかしその結果どういうコトになってしまったでしょうか。
 今回は詳しくとりあげませんが、本質を見ずに雰囲気だけで総理大臣にしてしまった結果どれだけ国益を失っているかなどを考えれば、その重大さはよくよく分かるコトでしょう。
 そして今回の結局、なんら意味の無い大騒ぎで貴重な貴重な時間を無駄にしてしまい、このようなコトになってしまっているのです。
 
 「騒いで終わり」は、もはや悪だと言うしかありません。
 騒ぐなら騒いだ上でのケジメを付けるべきでしょう。
 騒いだ結果失うモノもあるワケで、しかしその失っているコトを知らないままでは同じ無駄の繰り返しになってしまうコトでしょう。
 それこそ国益の損失以外何物でもないワケで、国民こそがそれを自覚する必要があるのではないのでしょうか。