消費税の税の民主党と自民党の違い

 先日、国会で行われました党首討論でもそうだったのですが、最近民主党もマスコミも、消費税に関して自民党への抱き付きが本当に酷いです。
 ストーカーと表現しても物足りないぐらいの抱き付きです。
 自民党も消費税増税するって言ってるんだから民主党の案に賛成しろ、民主党と3党協議という名の密室談合に参加しろと、そうしつこくしつこく迫っています。
 
 とんでもないコトです。
 
 民主党と自民党との消費税に対する考え方は全然違います。
 そもそも民主党は先の総選挙で「任期中は消費税の議論すらしない」と言ってたのですから、いま消費税を口にするだけでも資格がないのが第一番で、これだけで十分解散の理由にはなるワケですが、それ以外にもキチンと両党の主張や態度を見ていれば、消費税に対する考え方が全然違うっていうコトはすぐに分かるハズです。
 
 民主党と自民党ではお金の「使い方」に対する考え方が違うのです。
 
 簡単に言えば、民主党はバラマキの共産主義型、自民党は環境整備の自由経済主義型です。
 これ民主党政権が出来た当初はよく言われていたコトなのですが、こういう例え話でよく比較されていました。
 
 民主党は、お腹が空いている人に対しては直接お弁当を手渡します。
 まぁそれはもらう方としては喜びますよね。
 だから毎日お腹を空かしていれば民主党は毎日毎日お弁当をくれるワケです。
 でも自民党は違います。
 自民党の考え方は、お腹が空いているならこの釣り竿をあげたり安くしてあげるから、自分で魚を釣って食べなさいと言う考え方です。
 これだとお腹を空かしている人は自分で食料を得ようとするので、最初の釣り竿をあげるという手間だけで済みますし、さらに釣り竿を持っている人がやる気があるなら、もっといっぱい魚を釣って他人に売って利益を得ようと努力をし始めるという期待も持てるようになります。
 こうなると釣り人も、じゃあさらにいい釣り竿に変えよう、ルアーを変えよう、船も買おうと益々努力するコトになり、さらに釣具屋さんや造船屋さんも儲かるという、波及効果すら狙えるようになるワケです。
 
 全然違うんですよ。
 同じ「税金を使う」とひとことで言っても、その中身を見れば、全然違うんですよ。
 ここでは敢えてどちらの方法が正しいとは言いません。
 民主党の直接お弁当を渡すっていう手法の方がいいって言う人もいるでしょう。
 ここではどちらが正しいとは言いません。
 でもただひとつ確実に言えるコトは、この両者を比べて「同じ税金を使うコトだ」とひとまとめにしてどっちもどっちだと乱暴に言ってしまうのは完全に間違っているというコトです
 これは全然違う考え方だと切り離して考える必要があります。
 
 消費税、いまあげようとしている動きがあります。
 でも違うんです。
 キチンと中身を見ないと、ただただ上げるってひとことの言葉に詰め込んでどっちもどっちなんて言うのは、乱暴すぎるデタラメな論です。
 
 例だけでは無く、具体的に中身を見ていきましょう。
 自民党は、まず消費税は景気対策が先だと言ってます。
 これは麻生総理の言葉が有名ですね。
 「日本経済は全治3年。その後税率を上げさせてもらう」
 これはまだ麻生さんが総理の時の言葉ですから、民主党がズタボロにした今では3年では済まないかもしれません。
 でも基本的考え方は分かりますよね。
 増税はするけど、それで景気が落ち込んだら元も子もないから、まずは先に景気を良くし経済を強くしてから、ある程度余裕が出来た時点で増税するという意味です。
 さらに自民党の前の参議院選挙の時の公約にはこう書かれています
 

38 安心社会実現に向けた税制抜本改革
 消費税を含む税制抜本改革については、平成21年度税制改正法附則や「中期プロクラム」による道筋に沿って実施します。これにより、安心で豊かな福祉社会及び公正で活力ある社会を実現します。
 消費税については、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げに要する費用を賄うとともに、これからも増加が見込まれる年金、医療及び会議の社会保障給付と少子化対策の費用に全額を充てることを予算・決算において明確にした上で、経済成長戦略とムダ削減の不断の努力を行いつつ、消費税の税率を引き上げます。

 
 この後も詳しく色々と消費税の使い道については書かれていますので、詳しくは原文をお読みいただければと思うのですが、ここでは2つのポイントがあります。
 
 1つは、「平成21年度税制改正法附則や「中期プロクラム」による道筋に沿って実施します」という点です。
 この平成21年度の「中期プログラム」とは、経済財政諮問会議でまとめられて麻生内閣で閣議決定されたモノで、いまでもここで公開されています
 ご覧になってみて下さい。
 ここでははじめにこう謳われています。
 

Ⅰ.景気回復のための取組
(1) 世界経済の混乱から国民生活を守り、2008 年度を含む3年以内の景気回復を最優先で図る。このため、政府・与党においては、景気回復期間中に、減税措置及び定額給付金を税制抜本改革を前提に時限的に行うことを含め、累次の景気対策(安心実現のための緊急総合対策、生活対策、生活防衛のための緊急対策及び経済危機対策)を着実に実施する。特に、景気後退の影響が大きい雇用、企業の資金繰り、生活者支援等の面で、様々な政策手段を適切に活用しながら、最大限の努力を傾注する。また、政府は日本銀行と一体となって適切な経済運営に万全を期す。

 
 麻生さんの言葉にそった考え方です。
 「3年以内の景気回復を最優先で図る」です。
 つまりこれはですね、自民党は麻生内閣で下野したワケですが、それでも自民党は野党として望んだ参議院選挙においても、この麻生内閣で掲げた経済・財政に対する考え方を継承する、というコトに他ならないワケです。
 よって、自民党の考え方というのは麻生内閣から変わらず、「まずは経済対策をする、その後に税制を考える」、こういう姿勢が基本姿勢だというコトに他ならないのです。
 
 この点だけでも、全然民主党とは消費税に対する考え方は違いますよね、自民党は。
 ここを無視した「どっちもどっち論」はあり得ない、まったく事実を無視したレッテルとしか言いようが無いのです。
 
 
 (つづく)