小沢一郎という個人は無罪になったけど政治家としては真っ黒

 これやえは過去に何度も言っているコトなのですが、今日ひとつの区切りがついたとも言えるでしょうから、改めて言っておきたいと思います。
 
 本日、小沢一郎元民主党代表が政治資金規正法違反として起訴されていた件について東京地方裁判所で無罪の判決が出されました。
 小沢一郎氏の秘書が政治資金報告書にウソの記載をしているのですが、これを小沢氏が指示や共謀していた疑いでの起訴だったワケですが、これについて無罪というコトになりました。
 つまり、小沢一郎個人としては、このウソの記載には関わっていないと、その証拠は無いと、そういう裁判所の判断なワケです。
 これから検察官役の弁護士側が控訴するかどうかは分かりませんが、いまのところ小沢氏個人は無罪だったというところです。
 
 ここまでは日本国家のシステムとして正式な決定ですのでそれを尊重すべきです。
 しかし、この問題というのはもう1つの観点があります。
 それは、この裁判で明らかになったのは、あくまで「小沢一郎という個人の犯罪」が無罪だったという点です。
 すなわち、「政治家小沢一郎衆議院議員」としてはどうだったのか、という観点ですね。
 この観点では、すでに小沢氏の秘書3人が有罪判決を受けているという事実に注目するべきでしょう。
 
 つまりですね、「衆議院議員小沢一郎事務所」は犯罪を犯した真っ黒な組織であって、それは日本の国家システムとして確定されている事実であるワケなのですから、職を離れたただの小沢一郎という人間という単位で見るのではなく、「小沢一郎衆議院議員」という存在としてはどう判断すべきかも考える必要があるワケです。
 ハッキリ言いましょう。
 秘書が事務所として組織的に犯罪を犯したのですから、その商品たる「小沢一郎衆議院議員」という存在も真っ黒だと言うしかありません。
 それは今日の判決でも改めて確認されているコトですし、さらに秘書から報告を受け、小沢本人が了承もしていたというコトも裁判所によって認定された事実です。
 ただ単に、小沢個人としては共謀の罪に問うほどの証拠は無いと、それだけのお話なワケですね、今回の事件は。
 

 “小沢氏との共謀なし”と判断
 
 判決で大善裁判長は、報告書の記載について、「石川議員が小沢元代表の巨額の個人資産やその原資に関して追及を受けるなどして、元代表の政治活動に不利益になると考え、うその内容を記載した」と指摘し、うその記載に当たると認めました。
一方、小沢元代表との共謀に関連して、裁判長は「秘書から報告を受けたことがあったと認められるが、元代表に故意や共謀があったとは認定できない」と述べ、共謀はなかったと判断しました。

 
 これはある組織、会社でもなんでもいいんですが、その会社に所属している複数人が、その組織の活動とは全く関係ないところで共謀して犯罪を起こした、という事件とは全く次元の違う事件です。
 今回の事件は、その組織が元々目的としている活動を犯罪を利用して行ったという事件なのです。
 例えるなら、ある食品会社がその食品を安価に多量に売り出せるよう、使用禁止されている増強剤を使ってカサ増しして売っていたという形になるでしょう。
 
 それなのに、仮に社長だけが関わっていないと裁判で明らかになったとしても、それをもって「ウチの製品は安全です」と言えるでしょうか。
 
 よくよく考えていただきたいのは、政治家の事務所にとっては、その政治家本人が「商品」だというコトです。
 食品会社はその食品を売るために組織されている会社であり商品は「食品」ですが、政治家の事務所は、その政治家が政治活動するために組織されているモノであり、その商品は「政治家」です。
 普通の会社は社長が商品ではありませんが、政治家事務所は社長であり商品そのものです。
 仮に食品会社の社長が本当に犯罪に関わって無くて、社長個人としては無罪判決を受けたとしても、しかしそれがイコールで「商品にも全く問題が無く真っ白だ」と強弁出来るでしょうか。
 無理ですよね。
 「社長の無実=商品の潔白」とは全くなりません。
 それなのに、政治家事務所が、商品である小沢一郎衆議院議員の活動の為に組織的に犯罪を犯したのにも関わらず、堂々と「その商品はシロです」「政治家小沢一郎衆議院議員は真っ白です」と、小沢一郎は無罪判決だったのだから真っ白なんだと、果たして本当にそう言えるでしょうか。
 こんなの、かなり苦しい言い訳にしかなりません。
 
 社長個人が犯罪に関わっていようともいなくても、組織が組織的に犯罪行為でもって商品を手がけたのであれば、実行者はどうであれ商品は市場に出せません。
 社長の存在に関係なく、商品は黒なのです。
 一旦市場から回収すべきモノです。
 ここを間違えてはいけません。
 
 これがですよ、いくら疑惑があったとしても、秘書も無罪だったとしたら、それは真っ白と言っても構いません。
 疑惑だけで人を断罪するという非人道的なコトをするなんて、まさに外道の所行だと言わざるを得ませんので、なにか過去にそんなコトがあったような気がしないコトもないですが、そんな行為は許されるワケは決してありません。
 ですから、秘書も無罪で、小沢一郎事務所としても犯罪を行った証拠が無いと言うのでしたら、それは政治家小沢一郎も真っ白と言うべきです。
 でも違うんですよ。
 秘書は真っ黒で、しかも複数人が共謀して事務所として組織的に意図して犯罪を犯しているのが事実として認定されているのですから、これはもうその商品たる小沢一郎衆議院議員は、政治家として衆議院議員としては真っ黒だと言うしか無い、他に表現すればそれこそ事実とは違う表現にしかならないというのが、今回の事件なのです。
 
 だから小沢一郎本人やそのシンパは、今日の無罪判決だをもって、小沢一郎には一点の曇りも無いと強弁するのでしょうけど、そんなのはデタラメだというコトは指摘しておきたいと思います。
 政治活動の為に事務所も秘書もあって、小沢一郎の政治活動の中で犯罪を犯したのですから、政治家小沢一郎衆議院議員は真っ黒なのです。