国民も整合性を
昨日の衆議院の委員会でちょっと話題になってたんだが、小沢一郎の秘書に外国人がいたって話。
やっぱり小沢は国を売るためにそんなことをしてるんだろうと、秘書も国籍条項を作るべきだというツイートが多数上がっていた。
まぁ国会議員の秘書に外国人が就いているっていうのは、昔鈴木宗男議員にムルアカ氏という秘書がいたという有名な話があるので今更な話題ではあるのだが、それと議員の活動や秘書の活動は別問題なので、小沢一郎と聞くと別問題と言っても差し支えはないのかもしれない。
小沢一郎という議員が中国人か韓国人かの秘書をいっぱい引きつけていたら、小沢一郎の過去の言動を鑑みて危機感を感じるというのは、理解出来ない話ではないからな。
ただ1つ考えなければならないのは、秘書にも国籍条項をと言うのは簡単だが、現実は大変難しいということだ。
なぜなら、もしそういう縛りを付けるのであれば、まずは秘書を全て公務員にしなければならないからだ。
簡単な話、公務員ではないという民間人に対して法律でそんな縛りを付けるというのは、これはもう憲法上の観点で無理としか言いようがない。
簡単な話、トヨタの社員は全て日本人でなければならないという法律を作るとか、中小企業は全て日本人にしなければならないという法律を作るとか、こんなことが現実可能だと思うだろうか。
無理だ。
公務員に関しては公的存在なので公的な法律で縛ることが出来るが、公務員ではない存在に法律で縛るというのは、共産主義国家であれば可能だろうが、民主主義国家では不可能の話でしかない。
この部分を考える必要がある。
口で「秘書にも国籍条項を」と言うのは簡単だが、それはいわゆる「公設秘書」にしか現実的には適用させることができない。
現在国会議員の公設秘書は3人しか認められておらず、現実問題として1人の国会議員に3人しか秘書がいないという議員はほぼ皆無であり、実際はもっと大勢の私設秘書がいる。
しかし私設秘書は公務員ではなく、言ってみれば民間人の扱い(保険だって公務員の共済ではなく国民か社会保険である)なのだから、これを法律で縛るのは不可能なのだ。
よってもし全ての秘書に国籍条項を付けろというのであれば、まずは全ての秘書を公設にする必要がある。
ではここで考える。
最近の正義は「国会議員の数を減らせ」だ。
理由はほとんど語られないが、とにかく国会議員の定数を減らすことが正義化してしまっている。
それがどれだけ愚かしいことかは当サイトでは何度も取り上げているところだが、しかしこんな空気の中で果たして「公設秘書を増やす」ということが実現可能だろうか。
これはどちらも国民の考え方の問題だ。
国籍条項を付けつつ、公設を増やさないという選択肢はない。
国籍条項を諦めるのか、それとも公設を増やすのか、だ。
なんでもかんでも言えばいいってもんじゃない。
現実には様々な問題があって複雑に絡み合っているのだから、ひとつの事情を無視してひとつの事情だけを優先させるなんて事は出来ないのだから、主権者たる国民もキチンと現実的に物事を考えて、無理筋のないように主張する時は主張しなければならないのだ。
特に国会議員の金に関する国民の主張は無茶苦茶なものが多い。
大元の問題として、「現実的には秘書が3人なんて国会議員はいないのに公設は3人しか認められていない」という“現実”を考えてみる必要もあるのではないだろうか。
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