自民党は野田総理を利用して公約を達成しているのだから、それが終わったらポイ捨てして当然

 勘違いしている人が多いようなのですが、自民党は野田総理を助けては全くいません。
 「自民党は野田総理の消費税法案を一緒になって通し、野田総理の政治生命を伸ばそうと手助けしている」とか言う人がいますが、デタラメです。
 
 キチンと政治を線や面として見て下さい。
 点で見ないでください。
 その場その場だけの一貫性のない批判は政治にとって害悪にしかならないので注意して下さい。
 
 自民党は参議院選挙で消費税増税を公約として掲げたんですよ。
 当時これはかなり大きく取り上げられました。
 それはマスコミによる自民党へのネガティブキャンペーンという形して広く取り上げられたのです。
 ですから尚更聞いてないとは言わせません。
 そしてそれなのに自民党はその公約で勝ってるんですよ。
 だからむしろ、自民党が増税するのは義務とすら言えるのです。
 自民党は、野田総理が消費税を言い出した時よりも遙かに前から増税すると公約に掲げているのです。
 であるなら、自民党が消費税増税を主導したと言うのが、日本語的に言っても当然のコトでしょう。
 野田総理の消費税増税ではなく、自民党の消費税増税なのです。
 
 自民党は野田総理を利用して、自らの公約を果たそうとしている、つまり国民との約束を果たそうとしているのです。
 
 これは民主主義の原則から言って「正義」です。
 本来選挙の際の公約とは「政権公約」ですから、政権の座にいない野党にまでその実現を求めるのは無理筋な話なのですが、その無理筋な話を実現しようとしているのは野党として100点以上の評価を与えるべきコトだと言えるでしょう。
 自民党はいま、政権公約という観点から言えば150点以上を付けるコトの出来る行動をしているのです。
 勘違いしないでくださいね。
 別に自民党だからっていまやえはこう言っているんじゃないんです。
 これが自民党でなくても同じコトが言えます。
 だって「選挙の際に掲げた政権公約を野党の立場で達成する」という行為は、自民党でなくても当てはめられる行為であり、そして政治の仕組みを理解した上で考えればどれだけ難しいかも政党に関係なく難易度は同じだからです。
 あの共産党だって本来は掲げた公約は達成すべきモノとして掲げているハズ、達成出来ると思って掲げているハズなんですよ、出来ないと思って掲げているコトは悪としか言いようがないのですから、全ての政党が公約を達成しようと努力するコトはある意味当然のお話であり、そして手段を持たない野党がそれを達成するコトは政党を問わず称賛すべきコトなのです。
 
 特に参議院選挙で勝利し国民の負託を得た自民党なら尚更ですね。
 
 ですから、いま自民党が消費税に関して法案を通そうとしているコトは当たり前すぎる行為です。
 そして同時に、消費税以外でのコトなら、与党と対峙するのも当たり前すぎる行為です。
 消費税に賛成するから自民党は与党の全てに賛成するなんていってる人というのは、ちょっと短絡的というか、物事を筋通して見れない人としか言いようがありません。
 近視眼にもほどがありますね。
 自民党の消費税に対する行為は、あくまで自民党が公約として掲げていたコトを達成しようとしているだけで、実際のところこれは民主党はあまり関係の無いお話です。
 たまたま野党の立場で達成出来る手段の1つとして、民主党がぶら下がっていただけのお話なのです。
 
 よって仮に、消費税採決前に不信任案が出された場合に自民党がこれに反対し、消費税法案が成立した後に不信任案を出し直すという行為は、まったくもって普通の行為だというコトを指摘しておきます。
 
 だって自民党は自民党の消費税法案を自分で通すというのは当然ですから、自分の案なんですからね、その採決の前後で対応が変わるのは当然ですよ。
 「自分の案」なんですよ。
 ここを分かっていない人が多すぎます。
 野田内閣は自民党にとっては利用しているだけです。
 利用価値がなくなればポイ捨てして当然じゃないですか。
 実際には「一度の国会に同じ案件は二回は取り扱わない」っていう慣例がありますので、これがどうなるかは分かりませんが、しかし筋道としてはこれは当然の話です。
 むしろ、この慣例を適用する方が間違っていると言えるでしょう。
 もしこの慣例が絶対のルールだっていうなら、二度と野党はどんなコトがあっても与党の出す法案には反対しなければならなくなります。
 その方が国民の利益を損ないますよ。
 国会の全ての優先事項は政局になるワケです。
 今まで散々「政局は悪だ」と言ってきた人なら、この慣例を変えるよう主張しなければ今までの主張はウソになるんじゃないでしょうかね。
 
 昨日から国会の先行きが不透明になってきました。
 自民党もいよいよ民主党が本気で消費税をやろうとしないので、問責を出すと言いだしています。
 当然3党合意は約束ですからね、約束を破るのであれば、それなりの処置を執るというのも当然のお話です。
 やえは自民党が民主党と一時的とは言え法案を一緒にやるコト自体が「けがらわしい」と思うので、さっさと解散して自民党が与党に返り咲いた時に改めて消費税をやってほしいと思っていますから、問責もむしろ早く出してほしいと思っています。
 でもこの筋論を分かっていない国民が多いのも事実なのが、心配なところです。
 3党協議を否定したら批判、3党合意をしたら批判、問責を出さなかったら批判、問責を出したら批判。
 何考えてるんですかって話ですよ。
 自民党が問責を出した時に、また自民党を批判するような論調が出てきたら、本当にもう心からいい加減にして下さいと言うしかありません。
 いつになったら学ぶのですかと。
 
 政治は点で見てはいけません。
 その場その場だけで場当たり的に批判しても、それはむしろ政治を悪くするだけです。
 害悪です。
 キチンと線で見ましょう、面で見ましょう。
 そうすればどの政党がどういう論拠で行動しているのか見えてきますからね。
 批判のための批判は害悪だというコトを自覚してほしいです。