「格差」はあくまで「他人との比較」でしかなく、嫉妬心丸出しで他人を批判するのは醜い

 いつも思うんですが、「格差はダメだ」とか「格差が拡がっているからアベノミクスは失敗だ」とか言っている人は、なぜそんなに他人のサイフばかり気になってしまっているのかと、不思議でなりません。
 格差がない方がいいというのは理想論ではあり得るお話ではありますが、では民主党政権の時のように全体的に下降し続けているので結果的には格差は変わらないけどでもやっぱり自分も同じように下がり続けているのと、今の政権のように上の方が上昇するスピードは早いけど全体的に上向きになっているのと、それは自分のコトを考えればどっちがいいのかっていうのは、本来考えるまでもない問題のハズなんですよね。
 さらに言えば、もし自分だけが昔と変わらなかったとしても、それでも全体的に上向きであれば、全体的に下がり続けているよりはよっぽどマシと言うべきでしょう。
 それなのに、他人のサイフばかり気にして、言ってみれば妬み辛みで他人との差ばかり気にしてしまっているというのは、それはちょっと浅ましい人間だとしか言いようがない気がしてなりません。
 
 アベノミクスが中央や大企業の方がいま高い効果を挙げているのは、それは事実でしょう。
 しかし決して、中央や大企業だけを狙い撃ちにした政策を実行しようとしているワケではありません。
 なぜなら、もし地方や中小企業の方を先に効果的に回復させる施策があるなら、まず間違いなく「地方の政党」である自民党ならばそっちを先に実行するからです。
 自民党は都市型政党ではなく、地方の、もっと言えば田舎の古い人間関係の村社会の連動に支えられている政党であり(よく自民党は経団連の言いなりとか言う人がいますが、経団連は民主党政権になったら途端に民主党に尻尾を取り始めた事実を見れば、経団連という組織の性格がよく分かるでしょう)、その最も基盤となっている地方に特効薬となるようなそんな素晴らしい施策があるなら、とうの昔に実行しているコトでしょう。
 ここでの一番の問題は、「本当にそんな実行可能な政策があれば」です。
 
 格差はダメだとか、自民党は大企業しか見てないとか言う人は、では「地方や中小企業の方が先に回復させられる方策」を具体的に挙げてみたらいいんです。
 でもないんですよね。
 少なくとも、誰もそれを具体的に指摘できていないワケです。
 経済、というか景気と言った方がいいかもしれません、それは結局古今東西限らず、全ての影響はまず中央で大企業からはじまるっていうのが、おそらくこれは資本主義社会としての原理原則になってしまっているんだと思うんですね。
 ですから、好景気に限らず、不景気もやっぱり中央大企業から影響が出ます。
 バブルがはじけた時、リーマンショックの時の、その「負の影響」も、まずは中央大企業からはじまって、時間差で徐々に地方や中小企業に波及していきました。
 結局自由主義経済って、そういうモノだと言うしかないのでしょう。
 ですからここからも、「アベノミクスは大企業だけのモノ」と言ってしまうのは完全に勘違いな批判にしかなっていないというのが分かるワケです。
 
 地方や中小企業の景気を良くしようと思ったら、まず中央と大企業の景気を良くしなければならないのです。
 これが自由主義経済の原理原則なんですね。
 むしろそれ以外の方策があればぜひ教えて欲しいと、これは多分安倍さんや麻生さん自身が一番思っているコトなのではないのでしょうか。
 あればもちろんそれを実行する、ないから仕方ないから実効性のある政策を実行している、ただこれだけのお話でしかないのです。
 
 それを他人のサイフの中身ばかり気にして、妬み辛みの嫉妬心丸出しで他人を批判するなんて、なんとみっともないコトでしょうか。
 そんに醜い自分の姿を、自分では気付かないのでしょうか。
 他人のサイフといくら比較しても、それだけでは自分の幸福度は測れません。
 それとも、他人が落ちる様を見るコトこそが自分の中でも幸せだと言うのでしょうか。
 まぁそれならそれでもいいんですが、それにしてもそれをテレビなんていうシロモノで堂々と宣言してしまうのはどうなのでしょうか。
 ましてそんな汚らしい欲望で政治を動かしてしまおうなんていうのは言語道断だと言うしかありません。