事実を事実として受け止めた上で対応しなければ外交は勝てない

 あーもー。
 
 今回の自民党総裁選挙については、各候補者の発言に対するような更新はしないコトにしていたのですが、これはさすがにひどすぎます。
 これは無いです。
 だからカウンターとしての更新をしておきたいと思います。
 
 というのも、これ、国民がこの程度の認識だと、むしろ日本の危機ですよ。
 石原候補をこき下ろすために冷静さを失っているのか、それとももともとそんな見識が持てないのかは分かりませんが、しかしこんなコトを言っているようだからこそ民主党にいいようにやられて中国にいいようにやられて国益を失う結果になっているのです。
 つまり、こういう見識だからこそ危険なのであって、自民党総裁選には本義的には関係ないコトをまずもっと明記しておきます。
 内容的には石原候補を擁護する形にはなりますが、やえは石原候補を応援するための更新をしているのではありません。
 これは外交の見方についての内容であり、それは日本の国益のタメだというコトを理解して読んでいただければと思います。
 
 まず引用です。
 

【バカ】石原伸晃「誰も住んでいないから攻めてこないと言ったけど、こりゃ中国の勝ちだね(テヘッ」
 
時事通信
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石原氏「中国が情報戦制す」=尖閣国有化、撤回せず-自民総裁選4候補

 自民党総裁選候補者が19日午前、東京・有楽町の外国特派員協会で共同記者会見した。 この中で石原伸晃幹事長は、沖縄県の尖閣諸島をめぐる日中関係の緊迫について「これまで 領土問題は存在しないというのが(日本政府の)基本の立場だが、日中の間に領土問題が存在すると世界の人が知ることになった。中国は情報戦の緒戦を制した」との認識を示した。
 石原氏はまた、野田政権が尖閣諸島を国有化したことに関し、「民民(民間と民間)の取 引と、国が所有するのでは、中国の受け止め方は違う。ボタンの掛け違いがあった」と批判 し、中国に対する事前説明の努力が不十分だったとの考えを示した。【以下略】
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http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012091900467
 
20 名前:イエネコ(関東・甲信越):2012/09/19(水) 14:42:53.10 ID:jxIsoM3uO
 
喋れば喋れるほどハンパない馬鹿さ加減がばれてくね
 
112 名前:白(新疆ウイグル自治区):2012/09/19(水) 15:12:56.65 ID:yc7glz3D0
>日中の間に領土問題が存在すると世界の人が知ることになった。中国は情報戦の緒戦を制した
 
おいおいそれをお前が認めてどうする!
評論家にでもなったつもりか?
こいつほんとに頭空っぽなんじゃね?
 
137 名前:サビイロネコ(東日本):2012/09/19(水) 15:21:20.48 ID:zrqqP0iS0
 
よく読め! 日本国民に尖閣を諦めろといってるんだろ わはは
 
140 名前:トラ(禿):2012/09/19(水) 15:23:50.79 ID:xICo/ay00
こいつはもしかしてチベットの事知らないんじゃね?

 
 ブログの記事名の元になっているのがこの発言でしょう。
 

 「これまで 領土問題は存在しないというのが(日本政府の)基本の立場だが、日中の間に領土問題が存 在すると世界の人が知ることになった。中国は情報戦の緒戦を制した」

 
 これをもって「こりゃ中国の勝ちだね」って発言をしたと2chやブログは捉えているのだと思われますが、本当に底の浅い、批判のための批判としか言いようがありません。
 当サイトでは尖閣の諸問題に関してはもう何度も何度も言ってますよね。
 尖閣に関する諸問題というのはもともと「領土問題は存在しない」というのが日本の公的な立場であり、日本はそれに沿って行動していた、しかしそれが崩されたのが仙谷事件だった、と。
 
 つまりですね、仙谷以前の日本の対応というのは、いくら中国が何言おうが何しようが日本はそんなのを正面から受け止めずに適当に受け流して、外国人が不法入国するなら、それは尖閣に限らないどこの土地でも同じ対応をするっていう方針でした。
 尖閣は他の日本の土地となんら変わりは無いのですから、東京に不法侵入しようが、北海道に不法侵入しようが沖縄に不法侵入しようがどことも変わりなく、「いつも通りの対応」をしてきたワケです。
 尖閣だけ特別扱いするっていうのは、むしろ変なお話ですよね。
 だって当然として尖閣は日本の領土なのですから。
 ですから日本はずっとそういう対応をしてきたワケです。
 
 それを一変させたのが仙谷官房長官です。
 
 彼の行為は尖閣を「領土問題」にしてしまったワケです。
 尖閣に不法侵入してきた船を特別扱いし、これを政治問題にして、領土問題にしてしまったのです。
 これは日本にとっては大変なコトなのですが、しかしこれ、中国として見れば非常にラッキーだったワケです。
 だって、今まではなしのつぶてだったのに、つまり今までは「問題すら存在しなかった」のに、仙谷官房長官のおかげで「問題になった」のですからね。
 もっと砕いて言えば、今までは中国一人の妄言だったモノが、交渉のテーブルに着くまでの問題になってしまったのです。
 これはステージが1段階も2段階も前に進んだというコトですよね。
 ゼロだったのが5にも10にもなったのです。
 これが仙谷官房長官と民主党の罪なのです。
 無から有を生み出して問題を発生させた大きな罪なのです。
 
 こういう構図を見たとき、では石原候補の発言をどう考えるべきでしょうか。
 

「これまで 領土問題は存在しないというのが(日本政府の)基本の立場だが、日中の間に領土問題が存在すると世界の人が知ることになった。中国は情報戦の緒戦を制した」

 
 正しいですね。
 中国が仕掛けて民主党と仙谷官房長官がアシストして、ある意味日本と中国を「対等な位置」まで引き上げて問題化をさせてしまったのです。
 今まで門前払い以下だったのに、今は交渉せざるを得ない段階にきてしまったのです。
 仙谷官房長官によって「中国は情報戦の緒戦を制した」のです。
 事実を事実として冷静に判断すれば、そう言わざるを得ません。
 ここを言葉の上だけで誤魔化しても何にもなりません。
 いえ、事実が見えなくなる分だけ、国益を損なうとしか言いようが無いでしょう。
 
 民主党と仙谷官房長官の対応は、文字通り国を売る行為そのものであって、なにがあっても決して許されるモノではありません。
 しかし民主党や仙谷官房長官が悪いからといって、この「問題」に対して何も対応しないというコトにはいきません。
 別の段階にきてしまった以上は、事実は事実として受け止めた上で対応をしなければなりません。
 中国としては門前払いから交渉する段階まで引き上がってきてしまった、これは完全に「緒戦を制した」と呼べるシロモノであるコトは、これは事実です。
 民主党と仙谷官房長官の罪は計り知れませんが、しかしいまどういう段階にあるかってコトは、その責任論とは別の問題として考えなければならないのです。
 
 もしかしたら案外この構図、理解していない人多いんですかね。
 仙谷以前と仙谷以後では全く尖閣の諸問題に対する環境が違うってコトを。
 実際問題、仙谷官房長官によって中国はすごい得をしているんですよ。
 これは紛れもない事実なんですよ。
 日本として問題自体が存在しないという見解と、仙谷官房長官によって中国が得をしてしまっているコトは、全然別問題です。
 むしろいまの段階で「中国は何も得をしていない。得をしていると言ってはならない」なんて言うのは、もはや現実を見たくない、「日本は戦争に負けていない、絶対に負けない」と妄執に駆られた終戦直前のヤバイ人達と同じです。
 現実から目を逸らしても、それはむしろ国益を損なう行為にしかなりません。
 ここのところをシッカリと理解して、現実を見据えてほしいと思います。
 
 自民党のタメでも総裁選のタメでも、まして石原候補のタメでもありません。
 誰が言ったからとかそういう視点でこんなコトを言っていても、ただただ国益を失わせるコトにしかならないでしょう。
 日本の国益のタメに、批判のための批判に陥らずに現実を見てほしいと思います。