口先内閣誕生

 先週金曜日の「それは本当に「裏切り」と呼ぶべき行為なのか?」にはいつもより多くの拍手を貰ったりなどして、やっぱりマスコミもそうですが、ネット上の強ばった雰囲気に疑問を抱く人はそれなりにいたんですねと改めて思いました。
 ので、今日もいただいたコメントにレスをするという形で、もうちょっとトコトン詰めてみようかと思ったのですが、ちょっとあの、民主党の代表に野田さんが再任された後の内閣改造があまりにもひどいので、まずはそのコトについて一言言っておこうと思います。
 
 民主党の人事が本当にひどいです。
 どうひどいのかと言いますと、これはおそらく「口撃型人事」と言うべき人事でしょう。
 口先がだけが達者な人ばかりを集めたという感じの人事です。
 党の役員も含めてその手の人の名前を挙げますと
 
 前原誠司国家戦略担当大臣
 城島光力財務大臣
 樽床伸二総務大臣
 田中真紀子文部科学大臣
 山井和則国会対策委員長
 
 です。
 こうやって名前を挙げると、もうげっぷが出そうな濃いメンツですが、それに加えて岡田副総裁と輿石幹事長は留任ですからね。
 やえはこういうメンバーを見ると、ああもうまともに国会運営する気が野田さんにはないんですねと思うしかないのです。
 野田さんの関心は国会運営ではなく、出来るだけ選挙を有利に戦おうと、そのために公職を利用しようと、そういう意図での人事としか見えないのです。
 野田さんは、今までは歴代の民主党内閣の中では一番まともに国会運営をしてきたと思っていただけに、本当に残念です。
 
 つまりですね、こういう要職に就けばそれだけマスコミはとりあげますから、そこで自民党の悪口をどんどん言おうという布陣なのだと思われます。
 簡単に言えば、ジミンガーをみんなでやろうってコトですね。
 ジミンガー王子の前原さんに、国対委員長として名実共に自民党に責任を押しつけ続けてきた樽床・城島両氏、そしてなにより口だけしか存在意義のない田中マキコさんですよ。
 永田町・霞が関の中では田中マキコさん、少なくとも行政手腕は皆無だというコトは常識化していて、それは多くの国民だって分かっているコトですのに、そこを野田さんは敢えて起用するというのは、まさに「口撃」のためとしか理由が考えられません。
 前原さんだって、もともと外国人献金などの件で国会で追及されまくって大臣を逃げ出したのに、また追求されるのを承知で大臣に据えるっていうのは、参議院で問責が通っているコトも合わせて、国会はまともに動かないのを見越してマスコミ上で自民党を口撃するための布陣なのでしょう。
 もはや問責が通っているコトも重要視せず、様々な行政の諸課題があるのもこの際無視して、国政は動かなくていいからとにかくジミンガーするコトによって少しでも支持率を上げて選挙に挑もうという人事なんですね、これ。
 
 そして極めつけは山井和則国会対策委員長です。
 この人一般的にはまだまだ知名度は高くありませんが、民主党トップクラスのジミンガーの使い手です。
 そのジミンガー力は、前原さんとか原口元総務大臣に匹敵します。
 例えばこんなコトもありました。
 

 民主党衆議院議員 山井和則(京都6区)がツイッターで「野党が審議拒否」とツイート、炎上の流れ
 
 【新展開】山井議員、該当発言削除、訂正せず(3月4日10時45分現在)
 民主党衆議院議員の山井和則氏が「野党が審議拒否」とのツイート→それを見たフォロワーから「審議拒否したのは与党」との指摘・炎上→自民党議員にバレる→発言削除、訂正なし←イマココ!

 
 当時やえもこの与党民主党の審議拒否は取り上げた記憶があるのですが、これを山井さんは堂々と自民党が審議拒否したと大嘘をついてるんですね。
 なかなかここまで堂々と大嘘をつける人っていないと思うんですが、山井さんはこんなの平気でやっちゃう人なのです。
 この件はツイッターで発言してますからこうやって記録が残ってますが、この人いつもこうなんですよ、ネット上に限らず対マスコミの際においても。
 ジミンガーのためならなんでもやるっていうのが山井和則っていう議員です。
 
 本来国会対策委員長というのは、与党にしても野党にしても、与野党の直接の窓口になりますから、基本的には「話をまとめる方向」というのが基本姿勢です。
 むしろ与党はますますこの傾向が強い部署です。
 なぜなら与党こそが法案の大部分の政府提出法案を成立させたいと思っているワケですから、今までの与党なら法案成立が前進するよう野党に頼み込んででも協力をお願いしたいワケで、その直接の折衝が国対っていう部署なんですね。
 「あの大臣の発言はさすがにまずかった、謝罪させるから矛を収めて欲しい」
 時にこういう折衝をするのが国対の場なワケです。
 それなのになんでしょうか。
 国対委員長自身がまずい発言の発信源なのです。
 とてもじゃないですけど「まとめる場」の責任者人事とは思えません。
 
 むしろこれも「壊すための人事」としか思えないワケです。
 自民党は真面目ですから、野党なのに法案を前進させる方向に頭が働いていますが、民主党はジミンガーのために法案を遅らせるってコトをよくしますから、まさにそれをもう開き直って堂々とするってコトなのでしょう。
 例えばいま話題の特例公債法案も、なぜか民主党は「自民党が人質にとっている」と言ってますけど、でも本来この手の法案というのは自民党時代には予算関連法案として予算と同時期に成立させていましたように、そもそもこの時期にこの手の法案が残っているコト自体がおかしいんですよね。
 それはねじれていた安倍内閣以降もそうです。
 つまり民主党は、こういうギリギリのタイミングまでこの重要な法案をわざと残すコトによって「ジミンガーの理由」を作りだしているんですね。
 この法案が重要なのは分かります。
 というが全ての国会議員が分かっているコトでしょう。
 しかしそうであれば、早いタイミングで成立させるというのが与党の仕事のハズです。
 重要であればあるほど早期成立を目指すべきです。
 それなのにこれだけを今のタイミングまで与党自身が野田総理自身が「温存」しておいて、なにが「自民党が人質にとっている」ですかと。
 こういう卑怯な駆け引きをさらに推進させるための人事が山井国対委員長なのです。
 彼の手にかかれば、いえ口にかかれば、民主党が何をしようが審議拒否をしようがボイコットをしようが何しようが自民党のせいになるのです。
 これを内閣ぐるみ、国対ぐるみでやろうっていうのが、今回の人事なのでしょう。
 
 次の国会、これはいつ招集されるかも分からないのですが、かなりデタラメな国会になりそうです。
 そして民主党の議員がマスコミに顔を出すたびにジミンガーを言うのでしょう。
 正直うんざりですが、果たしてこれをマスコミがどう伝えるのか、そして国民がどう受け止めるのか、ある意味正念場とも言えるでしょう。
 
 騙される人が少なければいいと思っているのですが。