制度に則って選挙した結果に対して外野の人間にとやかく言う権利はない

 さっそくマスコミの安倍新総裁に対するネガティブキャンペーンが始まりました。
 予想してたとは言え、汚らしい言葉のオンパレードで朝から頭が痛くなります。
 ただこれは安倍さん本人も予想はしていたコトでしょうから、前回の二の舞にならないためにも、なんらかの対応はしてほしいと思っています。
 
 それにしてもマスコミっていうところは本当に次々とイチャモンを付けてきますよね。
 ヤクザ顔負けのイチャモンの付け方です。
 「地方の声を無視した」とは一体何を言っているのでしょうか。
 まったく意味がわかりません。
 
 おそらく総裁選の一回目の投票で石破さんの党員票の数が多かったのに、決選投票で安倍さんが選ばれたコトに対するイチャモンなんだろうと思うのですが、一体全体、制度とかシステムというモノをどう考えているのか、常識を問われるイチャモンだと言うしかありません。
 総裁選の仕組みは総裁選が始まる前から一般公開されているモノです。
 そんなのは有権者である党員も十分に承知している、承知していなければならないコトであり、結局安倍さんが今回の選挙で選ばれたのも、その制度に則って行われた結果でしかありません。
 「地方票」なんて呼ばれますが、しかしそれはあくまで総裁選というシステムの中の一部分でしかないワケで、党員票だけで何かの力を持つモノではありません。
 党員票とはあくまで最終的に振り分けられた票数の中での数え方の1つでしかなく、それ以上も以下も意味はないんですね。
 さらに決選投票だって最初からその方法は規定されているのですから、終わってから文句言うというのは筋違いも甚だしいです。
 ましてそれを党員でもなんでもない外野の人間が言うのですから、一体全体アナタは何様ですかと言いたくなります。
 
 例えばテレビ局の社長などの人事って株主総会とか取締役会とかで決めるのでしょうけど、それに対して一般社員が「我々のアンケートでは○○氏の方が相応しいと出た。この意見を無視するのか」と言って、それが通るとでも言うのでしょうか。
 まぁこんなコトは絶対しませんし、通りませんよね。
 だってそんなルールはないからです。
 もしその会社に一般社員も含めた一人一票の選挙によって社長を決めるという規約があれば別ですが、少なくとも今の日本のテレビ局にそのような規約があるとやえは聞いたコトがありません。
 特に株主総会は「一人一票」ではなく、保有株数に応じた票数を持つというシステムなワケで、例えばこれに対して「我々利用者の声を一番に聞け」と言ってしまうのは筋違いですよね。
 もしそんなコトを言っても、「もっと出世して取締になってから言え」とか「株を買って大株主になれ」とか言われるのがオチでしょう。
 でもそれでもそのルールを越えてやれっていうのでしたら、「地方を声を無視した」とか言ってる人達は、ぜひこういう行動もしてほしいです。
 自分の身の回りで是非とも「地方の声」を届けてみて下さい。
 普通は誰にも相手されないでしょうけどね。
 
 結局はこういうコトなんですよ。
 選挙に限りませんが、はじめからシステムが決まっている中で党員は党員として入党しているワケで、もしそれが気に入らなければ最悪でも離党するというコトは出来るのですから、システムが気にいらなければそうすればいいんです。
 「党員より国会議員の方が一票の重みがあるのが気に入らない」と思うのであれば、入党しなければいいじゃないですか。
 別に法律とかなんとかで強制的に入党させられているワケじゃないんですから。
 公職選挙は国民全てに関わる問題ですから、国民が制度に対してあれこれ言うのは当然の権利です。
 それはそうです。
 でも国会議員でもない、まして党員でもないような人間が、よその組織の内部のコトに対してあれこれ言うのは、もうどこからどこまでみても筋違いと表現するしかない愚かな行為でしょう。
 他人の事情にいちいち口を挟むな何様ですか、という状態です。
 
 百歩譲って自民党の中の人間と仮定して考えたとしても、一般党員より国会議員の意見が強く反映されるというのは当然のお話でしょう。
 だって総裁を選ぶというコトは、全ての所属国会議員自身の職場の問題に直結するからです。
 一般党員であれば誰が総裁になっても少なくとも自分の仕事や生活にすぐに直接影響しませんが、国会議員はその人のもとで働くコトになるワケですから、やっぱり一般党員とは違う目線で見るというのは当然でしょう。
 そりゃ「自分が働きやすい環境を作ってくれる人」を選ぶに決まってるじゃないですか。
 もちろん「自分が働きやすい環境」は色々な意味があって、国民からの支持が高いっていう部分もあるでしょうけど、同時に「直接本人と接する中での人柄や仕事ぶり」っていう点もあるワケです。
 全くあったコト無い人に対する評価なんて、外からと内からでは全然評価が違うなんて、政治に限らずどこでもよくあるコトです。
 外面はいいけど、中からの評価というのは最悪っていう人も、多分多くの人が身近にいたりした経験ってありますよね。
 ですから、この人は外からの評判は悪いけど面倒見はいいし仕事は実は出来るし下のフォロー上手いっていう人でしたら、やはりその人への判断は外部の人とは違う結論を仮に出したとしても全く不思議ではないと思います。
 そういう意味ではやっぱり一番身近なところで接する国会議員が一番決定権を強く持つというのは当然であり、政権運営に最も必要なモノの1つである「足下固め」という意味に置いても、むしろ議員票が力を持っていなければならないと言えるでしょう。
 国政を直接行うのは国会議員なんですからね。
 国民は責任者ですが、実行者は国会議員です。
 この観点だけを考えたとしても、いかに「地方票を無視した」という言葉がデタラメなのかが分かるというモノではないでしょうか。
 
 はじめから決められている制度に則って選挙した結果に対して、外野の人間にとやかく言う権利はありません。
 文句があるなら、その資格を有して、制度を変えられる立場になるべきです。
 もしくはその組織を抜ければいいのです。
 そうでないなら一々口出す権利なんてありません。
 もし責任は取りたくないけど口だけは出したいって言うのであれば、それは「何様ですか」の一言しかありません。
 
 マスコミは今日も通常運転です。
 汚いですね。