等しく国会議員であるという意識がない民進党

 たぶん民進党などの野党議員が一番ダメな点というのは、「与党も野党も関係なく自分たちは等しく国会議員という立場として同じ責任を負っているという意識が全くない」というところでしょう。
 前回のお話とあわせて、どうも民進党や共産党の議員さんは、「与党だから責められて当然。野党は責めるのが仕事なんだから自分たちが責められる筋合いはない」と、こう思っているフシがあります。
 言うまでもありませんが、まずこれが間違いなんですね。
 
 国民から見れば、全ての国会議員は与党も野党も関係なく等しく国会議員です。
 そりゃそうですよね、国会議員の選挙の際においては政党を選ぶんじゃなく(比例もありますが)基本的には人を選ぶのが選挙ですし、また与野党についても、選挙の際には全く完全に全員が一度無役になった上で選び直しなワケであって、例えば与党だと50人は無条件当選とかいう差はないのですから、やはり国民から見れば与野党も国民の投票の結果でしかなく、その選ばれたひとりひとりは等しく平等に皆国会議員なんですね。
 安倍総理だって、共産党の一回生議員だって、国政選挙で国民から選ばれた国会議員であるという事実を前にして、その責任は同じだというのは、むしろ当たり前の感覚と言っても差し支えないでしょう。
 ですから、「与党だから不祥事に厳しく野党だと甘い」なんて戯れ言は、制度上からも国民の意識からもあり得ない感覚だと言うしかありません。
 
 民進党など野党議員はこれが分かってないのです。
 国民は与党であっても野党であっても同じ国会議員として平等な目で見ているだけなのですから、そりゃ言ってるコトとやっているコトが違えば、そんな人に支持は与えないでしょう。
 野党なんだから批判される必要はないと言ったところで、国民はそうは考えてないのですから、そんな甘えた態度をとればそれだけ支持が失われるだけです。
 そうしていまの揚げ足取りとしか思えない批判しかできない野党が出来上がっているワケです。
 
 このお話というのは、どっちかと言えば民進党を批判する意味合いというよりは、健全な野党を育てる上で必要なお話となります。
 民進党への支持率が上がらないのは、国民の意識がすでにこうなっているからなんですね。
 確かに麻生内閣までは「特別な野党」で通っていたのかもしれません。
 与党への批判をしていれば野党の支持が集まっていました。
 それは事実です。
 でも、そんな“間違った意識”はすでに“改善”されました。
 ですからいくら野党が与党を批判しようとも、仮にそれが正しい内容の批判だったとしても、批判者が同じようなコトをしていれば「お前が言うな」と言われて当然でしょう。
 だって言う方も言われる方も“同じ立場”なんですからね。
 よって、いまの自民党と少なくとも同じ能力を持ち得る政党を育てるためには、「与党と同じ責任を自認する政党」を育てなければならないワケです。
 
 民進党が政権を取れないっていうのは民進党の勝手ですが、国会審議が揚げ足取りばかりになってしまうのは、それは国家国民にとって大変大きな損失です。
 果たして民進党がそれに気づくのはいつになるでしょうか。
 民進党が目覚めるのが先か、また分裂して無くなるのが先か、さてどうでしょうかね。