そこに生まれた以上、その土地の条件を好条件に変える視点と意志こそが民族の力でしょう

 歴史をどう捉えるのかというコトについて、コメントを頂いた上でのレスをしようと思ったところ、けっこう厚い内容の、ぜひみなさんにも読んで貰いたいと思うような内容になりそうなので、今日はこちらのコメントについて書いていこうと思います。
 いつもみなさんコメントありがとーございまーす。
 

 常に独立していて江戸末期でも世界の中で高い戦力や文化を築いていて植民地時代に占領は難しいと判断されていた日本と基本的にどこかの国家の一領土として存在していた現アルジェリアではまったく難易度の違う話ですよね
 例えれば鳥取だけで欧州列強を追い返し独立を守れ、みたいな状況ですよ、ムリゲーではないでしょうかw
 日本は出来たといってもせめて同等くらいの力をもってないと比較にならないかとw
 清が出来なかったのは情けない、というならわかりますが。
 当時この辺りはトルコの支配にありました、この地域を守れなかったのはトルコですね
 
 内戦は宗教問題ですね、イスラム教の人達が厳格主義を押し付けたら軍部や庶民が反発しイスラム政府が倒されましたが、その後イスラムさんお得意の自爆テロだのなんだので内戦が続いている、大雑把にいうとこんな所でしょうか
 つまりアルジェリア人はむしろ文明化を望んだら内戦になったという事ではないでしょうか?
 まぁお決まりのイスラム原理主義が背景のキチガイが敵なので、嫌でも戦い続けるしかなかった、と。
 どうすればよかったのでしょうか?イスラム原理主義の支配を甘受すればよかったでしょうか?
 敵対勢力が愚かで頭がおかしい場合って結局強制的に戦い続けさせられますよね
 今回の対応を見る限り現政府が頭悪いのは確かですが、戦争というのは一方の都合だけで可能なのです
 アルジェリア政府がもっとしっかりすべき、という主張ならわかりますが、民族的に欠陥というのはどうでしょうか?
 まぁ基本的にはやえさんの感じ方の問題なので、私が口出しすべきものではありません。
 私はそうは思わないというだけの事です。
 アルジェリア政府の対応なら私もふざけるなと思いますしね。

 
 歴史って結局結果論で、いま日本がこうだから色々と恵まれているんだ、アルジェリアはこうだから不利な条件だったという、結果から原因を見るという風なそういう見方にならざるを得ません。
 もし日本がいま散々たるコトになっていたら、それは歴史的にシナ大陸の巨大国家のすぐ近くにあり、その先兵たる朝鮮に常に攻撃を受け、島国であり情報や物流が乏しく……とかなるんじゃないでしょうか。
 だからそういう見方ではなくてですね、結局、そこに生まれて生きる以上は、その場所の条件をいかに好条件に変えていくのか、その条件をどう生かしていくのか、という視点が、これは歴史家の視点ではなく、そこに生まれた人間の視点として必要なんだろうと思うのです。
 
 これはぷぺーさん(コメント主さんです)も以前ご指摘の通り、中世以前はアルジェリア、というか北アフリカの地中海周辺と言った方が適切でしょう、この辺の地域は文化的に高いモノがありました。
 というか、中世以前のヨーロッパとは、むしろ地中海周辺こそが文化の中心でしたよね。
 ですからこれは逆に言えば、いま現在の「ヨーロッパ」という言葉が北アフリカをも指す言葉になっていた可能性があったコトを示す事例なんだろうと思うのです。
 つまり、北アフリカの国や民族がうまくしていれば、ヨーロッパとは北アフリカをも含んだ地域の名称になっていた、すなわち北アフリカもやもすれば幕末日本を蹂躙しようとしていた国、世界大戦では戦勝国になる国、いま現在先進国に数えられる国になっていた可能性というのはあったのではないでしょうか。
 それぐらいの条件がアルジェリアを含めた北アフリカにはあったんだろうとやえは思うのです。
 少なくとも北アフリカは中世以前はヨーロッパと同じ位置にいたのですからね。
 
 さらに言えば、古代ではエジプトはメソポタミアは世界四大文明……という言い方はちょっとどうなのかという気もしますが、そういう高い文明をもっていたコトもあったのですから、これはつまり少なくともアフリカも中東も文化が絶対に発展しない何らかの致命的な悪条件があるワケではないコトを示しているワケですし、むしろ他よりも高い文明を誇ったコトもあるのですから、比較は無意味ではありますが、決してやえは「ムリゲー」ではないと思うのです。
 日本に出来たのですから、こちらの地域でも、決して可能性はゼロではなかったと言えるのではないでしょうか。
 見方を変えれば、日本よりも好条件だったとすら言えるかもしれません。
 
 だからその「歴史」を受け継いでいるのかどうかなんですが、残念ながらやえには受け継いでいるようには見えないんですね。
 事実の羅列としての歴史は学んでいるかもしれませんが、それを「民族のDNA」としているかどうかは、甚だ疑問なのです。
 地中海文明華やかなりしき頃の歴史を自らのDNAとして受け継いでいるのであれば、少なくともではヨーロッパとはどのように付き合っていくかというのは、自ずと見えてくるハズなのではないのでしょうか。
 日本がシナ大陸の国々とどう向き合ってきたのか、どのような考えのもとに国として民族としてシナ大陸の国々とその文明に付き合ってきたのかという歴史と同じようにですね。
 
 いまのアルジェリアはそれが全く出来ていないと言わざるを得ないです。
 
 どこに生まれるか選べない以上、その生まれた土地の条件を良いとか悪いとかは一概には決められないでしょう。
 またその条件も、その面から見れば悪条件かもしれませんが、別の面から見れば好条件となるコトだってあり得ます。
 ですから、日本は恵まれていたからとか言ってしまうのは、むしろ先人達の労苦を軽く見てしまう結果にしかならないのではないでしょうか。
 その条件を好条件の変えたからこそいまがあるんだ、と言うのが適切だと思います。
 そう考えた時、やっぱりやえは、日本人にできるコトなんですから、他の民族だって出来たハズですと、そう思うしかありません。
 
 さて後半ですが、もう一度引用します。
 

 内戦は宗教問題ですね、イスラム教の人達が厳格主義を押し付けたら軍部や庶民が反発しイスラム政府が倒されましたがその後イスラムさんお得意の自爆テロだのなんだので内戦が続いている、大雑把にいうとこんな所でしょうか
 つまりアルジェリア人はむしろ文明化を望んだら内戦になったという事ではないでしょうか?
 まぁお決まりのイスラム原理主義が背景のキチガイが敵なので、嫌でも戦い続けるしかなかった、と。
 どうすればよかったのでしょうか?イスラム原理主義の支配を甘受すればよかったでしょうか?
 敵対勢力が愚かで頭がおかしい場合って結局強制的に戦い続けさせられますよね
 今回の対応を見る限り現政府が頭悪いのは確かですが、戦争というのは一方の都合だけで可能なのです
 アルジェリア政府がもっとしっかりすべき、という主張ならわかりますが、民族的に欠陥というのはどうでしょうか?

 
 「戦争というのは一方の都合だけで可能」はそうだと思いますが、どう向かい合うのかというところは千差万別だと思います。
 「イスラム原理主義が背景のキチガイが敵なので、嫌でも戦い続けるしかなかった」……というのは、まぁどうなんですかね、多分ここら辺を紐解くなら、むしろなぜイスラム原理主義はああなのかというところからの考察が必要になってくる気がします。
 その上で、こういう人達が…どの時代から存在しているのかっていう問題も出てきますが、そういう人達とどう付き合っていくのかというのも、ノウハウとしての歴史の積み重ねというモノはあってしかるべきなのではないのでしょうか。
 現状を悲観して対処療法だけに留まるというのは、ちょっとどうかなと思わざるを得ません。
 
 で、もうちょっと一歩踏み込んで聞いてみるんですが、こうやってくると民族的に欠陥と表現するのではなく、イスラム教が欠陥ってなってしまう気がします。
 まぁこう言うと、「あくまで原理主義者が異常なんだ」という言葉とか、「キリスト教だって過去には多くの人間を殺してきた」とかいう言葉が常に出てくるのですが、ただそれだとしても、世界の覇権を握ったキリスト教の欧米と、蹂躙されるしかなかったイスラム教のアフリカや中東辺りの地域と、この差はどこにあるんでしょうかという点は、目を逸らさず考えるべきところなのではないかと思うのです。
 どうすれば良かったのかという命題は、そこに生まれて歴史を継承していない外部の人間が考えるにはかなり難しい問題ですが、宗教によって差が付いてしまっているのであれば、そこにキチンと目を向けなければならないのではないハズです。
 そして宗教も、その民族の思想を決定するかなり重要な役目を負っている部分です。
 ここについてはどう考えるべきなのでしょうか。
 できれば多くの方からのご意見をいただければと思います。