比例選挙制度は死票を減らすためのセイフティーネットに

2013年3月27日

 さて今日は、選挙制度のお話の続きです。
 
 そもそものお話になるんですが、やえは比例制度には反対です。
 なぜなら、比例選挙は人物を選ぶ選挙にはなってないからです。
 誰でもいいからとにかく民主党だから議員にしてしまえ、となって大失敗したのが民主党政権でしたよね。
 民主党の新人議員は委員会の端っこに立って、ヤジと拍手をするだけの存在に成り下がっていました。
 こんなのは国民の代表たる代議員のするコトじゃないですよ。
 ですから、自分の信念を直接有権者に審判してもらう機会のない比例選挙というのは、やえは、政治の質を落とす最も大きな原因だと思っています。
 
 やえは、比例は小選挙区の死票をできるだけ無くすための制度にすべきだと思っています。
 現行制度だと小選挙区でたった1票差であっても負けは負けであり、議員にはなれません。
 でも冷静に考えて、「10万票を得た人」と「10万1票を得た人」と、民意を付託するという意味での代議員としては、そこまで差があると言えるでしょうか。
 むしろ10万1票だけを生かし、残り10万票を丸々死票にするほうが、代議員制度たる民主主義制度としては不適切なのではないでしょうか。
 ですから比例とは、こういう死票をできるだけ少なくするためにあるべきなのです。
 
 具体的には、まず「比例名簿」というモノを無くします。
 比例選挙に立候補するという制度もなくします。
 比例で当選する資格のある人は、小選挙区に立候補した全ての人です。
 その上で、小選挙区で負けた人が、同じ区で当選した人との票差(惜敗率)が少ない順に全国から並べて、上の人から当選とするようにするのが良いでしょう。
 その数は、比例で政党に投票した票数に比例させればいいのです。
 こうすれば、一定数「自分の名前を書いて貰う=国民から直接指示を得た人」でなければ議員にはなれないコトになります。
 よく比例復活のコトを「ゾンビ」と言って揶揄する人もいますが、しかしこの場合での比例復活した人はそれなりの数の「民意」を受けている人なのですから、決して議員資格が無い人とは一概に言えないと思います。
 逆に言えば、議員には不適格だと思われる人は、つまり比例すら引っ掛からない程度の票しか得られなかった人であるのですからね。
 決して選挙は「勝ち負け」だけではないハズです。
 負けた人だって、その票を投じた人の人数だけの国民の期待を背負っているのですから。
 
 この場合、もしかしたら政党への投票もいらないかもしれません。
 政党に関係なく、全ての小選挙区立候補者の中から惜敗率の上から順に当選させればいいのですから。
 そうすれば、比例に立候補できない無所属議員との不平等も解消されますし。
 とにかく、日本人は「人本位で選ばないと大変なコトになる」というコトを学んだのですから、これを教訓にしなければなりません。
 一部では全て比例にしてしまえば一票の格差問題もなくなるとか言っている人がいますが、そんなコトを言う人は、日本の政治の質を底に落とそうとしている人だと断じざるを得ないのです。
 
 なぜ小政党に配慮しなければならないのか、その建前を言いますと、おそらく「小選挙区制度は当選と落選の2者択一しかなく、ある国民の中から一定数の支持があるにも関わらずそれが反映されない政党が出てくる」という理屈でしょう。
 まぁそれは一理あります。
 例えば好き嫌いはともかくとしても、公明党はやはり全国的に一定数の支持人数はいるワケです。
 民主主義において、この一定数を全く無視するというのは、やはり問題でしょう。
 ですから、この観点からこういう民意を選挙で吸い上げるシステムは必要です。
 
 ただし、こういう声を選挙に寄らない形、例えば前もって制度として配慮するとか、そういう形で担保するのはいけません。
 なぜなら、その国民の一定数の支持というモノは決して不変なモノではないからです。
 どれぐらいの支持があるのかというのは、選挙をしなければ絶対に分からない、分かってはいけないモノなのですからね。
 選挙は結果か全てなのですから。
 
 というコトから、やえは、比例をするにしても全ての選挙は小選挙区の結果を踏まえるべきという制度を提言します。
 代議員を選ぶコトは、つまり人を選ぶコトです。
 政党だけで選ばれた議員、小沢ガールズなどが現実の政治の場で何を行ったのかを考えれば、いくら政党が素晴らしい政策を出しても、政治は最後は人を選ばなければなりません。
 そういう意味で、比例を残すにしても、単独比例はやめるべきです。
 国民から直接、一定数の支持を得た人だけが議員になるべきなのです。
 
 選挙制度の問題は、昨日の一票の格差の問題もそうですが、何を基準にするかという点をハッキリさせなければいけません。
 鳥取と島根を同じ選挙区にしてしまえという意見に対し、この前いただいたコメントには、数字だけの問題なら、鳥取と東京の区とを一緒にすればいいじゃないかというモノがありまして、なるほどやえにはそこまでの発想はありませんでしたと言うところですが、どこまでも人工的に数字だけを考えるなら、それもアリです。
 確かに合理的です。
 でも違いますよね。
 選挙ってそんな浅いモノではないハズです。
 何を基準にするのか、何を決めるのか、選挙制度の問題はまずそこを考えて貰いたいです。