TPP:反対論を考えてみる コメントレス

 では今日は「TPP:反対論を考えてみる」シリーズに頂きましたコメントにレスをさせていただきます。
 沢山のコメントをいただきまして、ありがとーございました。
 というワケで、レスしていきたいと思います。
 

 コメだけは大丈夫というのは甘い考えのように思えます。現在でさえ、外食産業は安さゆえに外国産のコメを使用し始めているのですから。外国産のコメの価格が更に下がれば使用量は今以上に増えるはずです。
 そして、もう一つ、コメは大量に炊いた方が美味しいと言われます。それは外国産のコメであっても変わらないはずです。自宅で炊く少量の国産と、外食産業が大量に炊くコメは、どちらが美味しいのでしょうか。私は、自宅でコメを炊く文化その物が無くなる事を危惧しています。話は違いますけれど、パックご飯も便利ですから。

 
 えっと、現在外食産業って外国産のコメってそんなに使われてます?
 ごめんなさい、やえの認識だとほとんどないっていう感じだったのですが、もし違うようでしたらぜひ現状を教えて下さい。
 
 その上で、まぁこれはどこまでも予想にはなってしまうのですが、現在外国産米を使っている業者がTPPを機にさらに安いお米が手に入るようになるっていうのは、言ってみれば現状からは変わらないですからTPPの問題としては該当しないと言えると思いますが、一方、TPPの問題として考えるべきケースである、外国産の方が安いのにも関わらずいまでも国産米を使っている業者がTPPを機に外国産米に変える場合ですが、こういうケースの割合というのはそんなに多いでしょうか。
 ないとは言いません。
 でも現状国産のコメを使っている業者は、その方が売れると思っている等のなんらかの信念をもって国産米を使っているのでしょうから、多少安くなったところでそれを変えてくるとは思えません。
 TPPの締結後に業績が悪くなってというコトでしたら切り替える業者も出てくるでしょうけど、それはTPPの締結前の現在でも同じコトでしょう。
 現状もうコメを外国産に変えなければ倒産ってなったのであれば、TPPに関係なく外国産に変えますよね。
 
 やえがコメに関して思うのは、いつかの「米騒動」の時です。
 大正時代のアレじゃなくて、平成に入ってからの天候悪化によってお米が全然取れなくてタイ米などを緊急輸入してそれでも足りないからブレンド米にするコトを義務化させられて日本中が対混乱に陥った、あの時の米騒動です。
 あの時はそれだけのコトがありながら、しかしむしろ日本人の外国産米に対するアレルギーはすごいモノがあったというのが露呈した騒動でした。
 連日連夜、外国産米には虫が入っていたとか輸入船にネズミが入り込んでいたとか、ウソかホントか大騒ぎして、外国産米バッシングが正義になっていましたし、どこかの家電安売り店の社長が米を無許可で売って警察沙汰になったとか、そんなコトもありました。
 やえは、あの時の日本人の日本米に対する感情の爆発を考えれば、コメだけは例外なんじゃないかと思うのです。
 どこまでも予想や感想でしかないのですが、どうでしょうか。
 
 米を炊く文化ですが、これはTPPよりもパン食とか食事の西洋化の問題ではありますね。
 輸入問題に関係なくかなり前から危惧されている、コメの消費量が年々減っているというのは、かなり前から問題視されているところです。
 やえはお米大好きですが、それでもパンを一切食べないってコトはないですからねぇ。
 ただできたらですね、給食には全国一律で毎日お米にしてもらいたいところです。
 
 

 外食産業の人間からすると、そのまま開放したら確実に外食・中食の一定割合は外国産米になると思われ。
 景気の悪さも有り価格競争力がどうしても求められる上、外食産業は参入障壁が比較的低く常に過当競争に晒されている(これは完全に国内問題)ので、低価格に価値を求めるユーザ層向けのビジネスは確実に発生するし、付加価値での差別化がうまく行かなければ追従も増えるだろね。
 とは言え日本人の国産信仰もそれはそれで手堅いので、TPP実施の場合に政府が打てる手段としては産地表示の義務化・厳格化あたりじゃないかと。ただまぁ、単純なバイジャパニーズはコメ農家の構造的問題を覆い隠す方向に行くし、コメ農家もこれからもっと減ると思うんだよね。マスコミが特亜についての自由な言論を封殺してきたように、農協や農水族や信条保守が農業に対する自由な言論を封殺してきた面は否めないんじゃないかな。

 
 ファミレスなんかでは「新潟産コシヒカリ100%」なんて謳っているところを見かけたりしますが、例えば「コメを使う・安い」というところでパッと思いつく牛丼屋さんなんてどうなんですかね。
 ちょっと気になったので「すき家」さんを見てみましたが、一応「国産」って書いてあります。
 現在外国産米を使っている外食屋さんってどれぐらいあるんでしょうか。
 やえはほとんどないという感覚なんですよね。
 
 これはまたTPPとは違うというか、前から問題になっているコトだと思うのですが、産地の表示については、ちょっとでも混ぜ物があるのであれば、キチンとそれを全て書くように法令でしてほしいですね。
 確か現在では、何パーセント以上コシヒカリが入っていれば多少別のコメが入っていたとしても「コシヒカリ」として売れるとか聞いたコトがあります。
 こういうのは絶対にやめてほしいですよね。
 これは以前にも言いましたように、買う買わないとか自給率の問題は最後は国民=消費者自身の選択によるのですから、せめてその選択が正しく行われるように、情報だけは正確に公開して欲しいと思います。
 
 あとこれは、なかなか難しい問題もあろうかとは思いますが、外食産業にも表示義務って欲しいなぁとは思います。
 昨日の朝のテレビ番組で鳥インフルエンザに関しての中国からの輸入鶏肉問題を取り上げていましたが、問屋さんのインタビューでは大丈夫大丈夫とは言ってましたけど、しかしあれ外食屋さんに卸すと、その後の消費者はそれがどこ産なのかは分からないんですよね。
 特に中国なんて偽装はお手の物ですから、いくら加熱しているとか言われても中国なんかは全然信用ができないですが、しかし中国産を回避するっていう行為を外食屋さんではできないワケです。
 こういうところもどう考えるべきか、ぜひ教えていただければと思います。
 
 

 反対論に対するウソ・捏造が多い事は分かりました。
 しかし、私としては、納得できるメリットが示されていないという理由だけで、すでに賛成する理由がありません。中国包囲網、10年で10兆増、コメの関税などどれも反論の方が説得力を感じ、魅力を感じませんでした。
 そもそも自分はグローバリズムがリーマン・ショックで終わったという認識を持っており、関税を0にするTPPの目的自体、「世界経済の政治的トリレンマ」というものを参考に、これからの時流に反するものと思っておりますゆえ。

 
 はい。
 それはそれでいいと思います。
 というかやえもそんな感じではあります。
 反対する理由も無いですが、積極的に賛成する理由も無いです。
 
 ただ、中国包囲網はアリかなとは思ってはいます。
 麻生さんが総理の時代の「自由と繁栄の弧」です。
 しかし難しいのが、政府や政治家側から公式的に「TPPは中国包囲網だ」とは言えませんから、これは前に別のコトで言いましたように、ある程度は国民の方から汲み取って考えるべき問題だと思います。
 もちろんそれは、本当にTPPが中国包囲網になるかどうかを検討しなければならないですが。
 この辺日本のマスコミは全くアテにならないですからねぇ。
 
 ちょっと横道に逸れますが、やえは中国の経済については額面通りのままを正当に評価すべきではないと思っています。
 中国は未だに固定為替相場制をとっているからです
 いま日本は「政府が主導して円安を誘導している」とか言われてますが、中国は日常的に、そして恣意的に中国に有利な為替相場を維持し続けているワケです。
 共産主義ですから経済自体が自由ではありませんが、貿易に関しても一方的に有利な形をとっているのですから、それは公平公正な視点で正当に評価しろっていう方がムチャなお話ではないでしょうか。
 中国は最近調子に乗っています。
 日本にだけでなく、近隣諸国全てに領土問題でケンカをふっかけています。
 それもこれも、まずは中国経済がそれなりに良好で余裕が出てきたからでしょう。
 そういう意味で、中国を包囲するっていうコトは、それなりの意義はあるとは思います。
 それはそれで検討すべき課題だと思います。
 
 ただ繰り返しますが、それがイコールTPPであるという意味ではありません。
 キチンと検討すべき課題です。
 
 

 >例えば日本のA社と韓国のZ社との取引の中で、Z社がTPP違反をしたためにA社が被害を被った場合、ISDS条項がなければ、A社は勧告の裁判所にZ社を訴えなければならないコトになります。
 これちょと誤解があるようで、ISDS条項は投資家同士の紛争の解決のためではなく国家to海外投資家での不利益取扱いについて紛争の解決を行なうためのルールを定める条項ですよー
 詳しくは外務省の
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/pdfs/tpp20120327_06.pdf
 ここでどうぞー

 
 あれそうなんですか?。
 前回に出しました自民党の資料に
 

「※ISD条項「投資家対国家間の紛争解決条項」(Investor State Dispute Settlement)の略語。主に自由貿易協定(FTA)を結んだ国同士において、多国間における企業と政府との賠償を求める紛争の方法を定めた条項。

 
 とありましたモノで、投資家だけでなく企業でも訴えを起こすコトができるモノだとやえは認識していました。
 たぶんこれはそれぞれの条約によって若干変わってくるのでしょうから、ではTPPの場合はどうなるのかっていうのは、ひとつ注目すべきポイントなのかもしれませんね。
 情報ありがとーございまーす。
 
 

 元々は民主党政権下で発生した問題という点もあるでしょうね
 あの馬鹿共が絶対にまともな外交など出来るわけもない、むしろ喜々として日本のマイナスを選ぶ=アメさんの言いなり
 丁度当時のアメリカはどん底で日本をしゃぶりつくすTPPに活路を見出した、みたいな話もありました
 そういう危機感がかなり強かった時期という事は背景にあると思います。
 
 アメリカさんが住民犠牲にしたガスで生き返りダウが上がってきたし、日本も安倍自民になってまともな外交が期待できる状況なので
 当時とはまた変わってきたと思うのです。
 いまだにメリットはいまいちわかりませんがデメリットの懸念は薄まってきたのではないでしょうか。
 結局本当の所は何が狙いで日本にとってどういうメリットがあるのか、アメリカや他の国にとって何があるのか。
 そういったものを国民にはっきりと知らせて欲しいですね。
 過去の経緯が不安だらけだった事から、今この件で必要なのは国民の安心感ではないでしょうか。
 その安心感が明示されないからこそやましい所があるんだと勘繰る心理もあると思います。
 知らせて良い事なら知らせるべきなのです。知らせて悪い事なのだとしたら懸念が事実だったという事ですしね。

 
 民主党が何を思ってTPPを推進しようとしたのかは分かりません。
 多分何も考えていなかったというオチが一番濃厚だとは思いますが、
 ただまぁこの段階になって「民主党が悪いんだ」と言ったところで意味の無いコトで、ではいまどうすべきかというところを考えなければならないですから、民主党のコトは民主党としても、TPPのコトはTPPのコトとして考えなければならないでしょう。
 ギリギリその交渉は自民党政権で行われるコトになったというのは不幸中の幸いではあります。
 同じ事案でも、その責任者が誰かというコトで結果は180度違ってきます。
 それは沖縄の件を見れば明らかですから、そこはもう本当に不幸中の幸いですね。
 
 安心感を与えるっていうのは大変難しい問題です。
 これはやえは身にしみて分かっています。
 人権法の時とかでです。
 人は安心感よりも不安感の方が受け入れやすいんですね。
 「大丈夫」と言われても逆に不信感を持つだけで、「こんなにひどいんですよ」って言う方が納得しちゃうのが人なのです。
 それがデマでもです。
 真実の「大丈夫」より、デマの「ひどいんだ」の方が受け入れやすいのです。
 そして一度その不安感を受け入れると、それを払拭するのは本当に大変です。
 デマを流すよりの数倍の労力を必要とします。
 一度陰謀論を信じれば、いくらソース付きの真実を目の前に提示しても、「でも裏があるんでしょ」と無限に広がる陰謀論の方を信じてしまうからです。
 
 そういう中で政府がどう対応するかは、つまりは「国民がどう受け取る姿勢を示すか」にもよるんだと思います。
 政府が説明すればそれで全てが決着するとは思えません。
 仮に安心できる材料を提示しても、不安感で染まっている人の中には、文字通り聞く耳持たない人も少なくないでしょう。
 放射脳な人たちを見れば簡単に分かると思います。
 実はTPPの問題は、ここが一番大変な部分なのかもしれません。
 
 では国民としてはどうすべきなのでしょうか。
 国民として考えるべき問題だと思います。