TPP問題:制度が不利なのか、結果が不利になるというのか、分けて考えるべき
TPPの問題についてたくさんのコメントを頂きましてありがとーございまーす。
色々と勉強になって楽しいですね。
これはもちろんなんでもそうなんですが、やえも知らないコトの方が多いワケですから、ぜひともこれからもコメント等において色々と教えていただきたいと思います。
さてですね、やえはひとつこの問題に対して、特に反対論に対して気になる点があります。
反対するコトがいけないとは決して言いませんが、ただその言い方はまずいんじゃないですかと思うのです。
ここはキチッと分けて考える必要があります。
それは、「制度上の問題として日本が不利になる」のか、それとも「運用した結果として日本が不利益を被る可能性がある」というのかです。
例えばコメの問題なんかは、これは「競争した結果」として日本が不利益になる可能性があるという意味での反対論ですよね。
制度の問題ではありません。
決して、日本の輸出には関税がかかり、日本に輸入されるモノだけが関税ゼロになるワケではないんですからね。
ですからこの場合は、制度が施行された後に貿易がどうなるのか試算を出しながらの議論になるワケで、その上での反対論であればTPPの制度の問題ではなく、「競争すれば負けるからやめろ」と言うのが適切な言い方だろうと思われます。
TPPの問題ではありますが、貿易上の戦略の問題とも言えるでしょう。
ISDS条項に関する反対論は、こっちは制度に関する意見ですよね。
これはこの前指摘しましたようにかなり誤解されているようなのですが、でも制度に対する意見なのですから、予想とも言える試算ではなく、具体的な論拠を示しながら議論ができるハズのモノです。
ですからやえはこの前調べまして、その結果として「相手を逆ギレさせないためのセイフティーネット」だといまのところ理解出来ているワケです。
もしかしたらまだやえが知らない何かがあるのかもしれませんが、しかしそうであればそれを具体的に論拠を出してやえに教えていただければいいだけで、つまりこうやって議論が発展していくワケですよね。
ですから制度上の問題であれば制度上の問題として、「競争した結果」とは全く切り離して議論すべきなのです。
どうも最近の議論はこの辺がごっちゃになってる気がしてならないんですよね。
例えば反対論のひとつに「TPPに参加すればアメリカの法律が日本で適用されるようになる」というモノがありますけど、これってどういうコトなんでしょうか?
ISDS条項を論拠と挙げる人もいるのですが、いまのところやえにはそれが論拠になり得るとは思えませんし、競争した結果そうなると言わんばかりの書き方もたまに見られるのですが、それもちょっと論拠が分かりません。
そして一番まずいのが、そういう論拠を全く書かずして、制度の問題なのか競争の結果なのかも分からず「TPP=悪」という前提での意見です。
これでは議論にならないのです。
議論にならない以上はそれは意見ではなくただの押しつけでしかなく、理を持ってすればそんな押しつけには決して組みできないワケです。
ですから一番大切なのは「なぜ反対するのか」「どういう理由で反対するのか」の論拠の部分です。
まずはそこをキチンと知りたいと思うのです。
やえはどちらかと言えば、制度上の問題があればそちらを知りたいと思っています。
なぜなら、競争した結果の問題は、試算という作業をしなければならなず、しかしそんなコトはやえには出来ないからです。
というかほとんどの人はそんなコトできませんよね。
貿易を専門としてのマクロ経済を研究している人ぐらいでないと、そんな試算は易々とは出せないでしょう。
また出したとしても、やっぱり人によって数字は変わってくるワケで、どれをどう判断するのかっていうところから始めなければなりません。
例えばJAはコメに関しても反対していますが、しかし前回も言いましたように、ことコメに関してについてだけは、やえは大丈夫ではないのですかと思っています。
実際貿易が自由化されたときも大問題になりましたが、結果は現状ですよ。
東南アジア料理屋ではそちらのコメが使われているコトもありますが、一般家庭ではまず日本米が食べられている=買われていますよね。
ですから、その試算はどういう計算をしたのか、もしかしたらコメのそういう事情も鑑みずにただ一律で数字上の計算だけで出した試算の可能性だってあるワケですし、またTPPに参加したらしたで輸出に力をいれる農家がそれなりにこれから出てくる可能性もあるワケで、その中での試算ってすごく難しいと思うのです。
もちろん様々な意見を見るってコトは大切ですし、この点に関してシャットダウンするつもりは一切なくて、なにか良い参考になる意見があればまだまだ是非とも教えていただきたいと思いますが、まずは試算の問題はバイアスも係りやすいという意味においても難しいというコトを念頭に置きつつ考えるべき問題だと思っています。
ちょっと蛇足ですが、ある程度はやっぱり競争は必要でしょうしね。
近年商店街のシャッター通りが問題になっていますが、果たして商店の人達に一切の責任がないのかと言われれば、やえは決してそんなコトはないと思っています。
いままで散々殿様商売してきて、変化というモノを受け入れられなかったツケじゃないんですかと言いたくなる部分もあります。
そしてその中で、キチンと努力をして個人でも商店を切り盛りして繁盛しているお店だってあるワケで、努力しない者は全てを見捨ててもいいとは言いませんけど、全く努力しなくてもいい、全ての変化を拒否してもいいとは言えないでしょう。
この「努力しない者は全てを見捨ててもいいとは言いませんけど、全く努力しなくてもいい、全ての変化を拒否してもいいとは言えない」という案配もTPPについては考えるべきです。
どうしても「TPP=悪」が先立ってしまって、今まで別のところで経済的な変化や努力を享受してきたのにも関わらず、TPPだけに関して変化しないコトを強固に主張しても、それはダブルスタンダードだと言わざるを得ないと思います。
というワケで、議論するにしてもキチンと整理して筋道を立てて議論しなければなりません。
反対の材料になるならソースも論拠も無視してとにかくがなり立てればいいやみたいなコトは、やえは決して肯定しません。
「日本が壊れる」とか「乗っ取られる」とか、そういう結論だけでなく、なぜそうなるのか、どの条項のどの部分がそうなるのか、そういうところを是非とも教えて欲しいと思います。
やえも調べていきたいと思います。
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