独自防衛の大切さ

 今日はこちらの記事です。
 

 中国、米に“土下座” 尖閣上陸「3時間でいい」と懇願
 
 オバマ大統領と習近平国家主席による初めての米中首脳会談が7、8両日、米カリフォルニア州の避暑地サニーランズで開かれる。9月に予定されていた会談が前倒しされたもので、表向き「対立より協調の拡大を優先させる」としているが、水面下では沖縄県・尖閣諸島をめぐって、中国が許しがたい工作を仕掛けていた。
 
 以下、複数の米国防総省関係者から入手した情報だ。
 「9月の予定が3カ月も前倒しになったのは、中国が米国に泣きついてきたからだ。習主席は今回の首脳会談で、東シナ海や南シナ海でもめている領土・主権問題について、特に、日本と一触即発の状態にある尖閣諸島問題で劇的な決着をつけようとしている」
 「これまでも中国はあらゆるチャンネルを通じて、『尖閣諸島に人民解放軍を一時的に上陸させてくれ』と米国に必死で泣きついてきていた。例えば、『1日上陸を認めてくれ。ダメなら3時間でいい。米国に迷惑がからない方法を考えたい』と。そして、『どんな条件でも飲む』と言っている。その最後の詰めを習主席はやるつもりだ」
 
 今回の米中首脳会談について、旧知の中国人民解放軍幹部は「習主席が仕掛けた大バクチだ」といい、こう続ける。
 「習主席の権力基盤はガタガタだ。江沢民元国家主席や胡錦濤前国家主席の一派が復権し、何も決められない状態だ。経済政策も失敗続きで『中国経済7月崩壊説』まで流れている。加えて、米国主導のTPPや安倍晋三首相の独自外交で形成される『中国包囲網』への反発はすさまじい。党も軍も爆発寸前だ。習主席は早急に結果を出さなければマズイ」
 要は、安倍首相が毅然たる態度で進めてきた独自外交戦略が効いているのだ。その安倍外交の成果を中国の工作で潰されていいのか。
 幸い、日米両政府は、17、18日に英国で開かれる主要国(G8)首脳会議の場で、安倍首相とオバマ大統領との首脳会談を行う方向で調整中だ。この2回目の日米首脳会談を大成功に導くためにも、今回の米中首脳会談の情報収集、外交工作は24時間、一時たりとも怠ってはならない。

 
 ハッキリ言ってこの記事がどこまで信憑性のある記事なのか、多少疑ってもいいんじゃないかとは思っているのですが、そうであってもとにかくムチャクチャもいいところのお話です。
 そして奇妙なお話でもあります。
 日本の領土に上陸したいと願う中国が、なぜかアメリカの許可を取ろうとしているワケですよね、これ。
 それだけで十分デタラメな記事、記事がデタラメなのか内容がデタラメなのかはともかく、デタラメなお話であるワケです。
 そしてこの記事の最も注意しなければならないコトは、アメリカさえなんとかなれば中国の人民解放軍の上陸がなんとかなると思ってしまいガチになってしまう点です。
 この記事はそこまで意図しているのかどうかは分かりませんが、ここに“騙されない”ようにしなければなりません。
 
 もし仮にですよ、アメリカが中国の言い分を飲んだとしましょう。
 となければ、人民解放軍が尖閣諸島に上陸しようと試みるのかもしれませんが、しかしこの場合、当然として日本の自衛隊は出動します。
 しまいというか、出来ます。
 ここがポイントです。
 アメリカが日米同盟の範囲外として集団的自衛権を発動せず米軍を動かさなかったとしても、それ自体が自衛隊が動けなくなる根拠には一切なりません。
 自衛隊は常に米軍と動かなければならないなんていう法的根拠は1つもないのですからね。
 むしろこれは考え方が逆で、自衛隊が動かなければならない自体の場合には米軍は動かなければならないというのが日米安保であって、米軍に一方的に義務を課しているのが日米安保であって、日米安保は自衛隊の動きには制限を加えているワケではないのです。
 ここを間違えないようにしなければなりません。
 
 ですから、もし仮に中国の人民解放軍が尖閣諸島に派兵したとしても、当然として自衛隊は防衛のために戦わなければなりません。
 少なくとも自衛隊が動くコトを止める法的根拠はありません。
 自衛隊が動くか動かないかの判断は最終的には総理大臣の判断になりますが、もしこのような事態になって自衛隊を出さないという判断を安倍総理がするのであれば、もうやえは全ての評価を全部捨てて、安倍総理批判の毎日になるでしょう。
 まぁさすがにそれは無いと信じたいのですが、とにかく、中国がいくらアメリカを説得したとしても、人民解放軍が派兵してくるなら戦争になるのは止められません。
 中国にとってはアメリカ軍が出てこないだけでも十分意味はあるのかもしれませんが、しかしそれで戦争にならないという意味ではないというコトは確認しておかなければならないコトです。
 
 また、やえは日米安保にそこまで詳しくないのでもし詳しい方がおられたら教えて欲しいのですが、仮に自衛隊と人民解放軍が「戦争状態」となったら、日米安保の条約の中ではどういう扱いになるのかが気になるところです。
 仮に尖閣諸島派兵だけで米軍が動かなくとも、自衛隊が、というか日本国が戦争状態になった場合には、条約の内容によっては戦争の中身に関わらず米軍は動かなければならないとされている可能性はあるんじゃないかと思っています。
 だって「米国が認める戦争だけ米軍を派兵する」という内容であれば、こんなのは軍事同盟の体を成していないと言わざるを得ないですからね。
 自国が認める戦争だけ派兵するっていうのでしたら、わざわざ軍事同盟を結ぶ必要はありません。
 同盟なんか結ばずに、ただ単に自国の利益の時だけに軍隊を派兵すればいいんですからね。
 そうではなく、とにかく同盟国が戦争になれば軍隊を出す、その代わりに自国が戦争になったら軍隊を出してもらう、理由は問わずにとにかく相互に軍隊を出し合って防衛力と抑止力を担保し合うっていうのが普通の軍事同盟であり集団的自衛権の考え方ですから、この観点から考えれば、普通は理由を問わず戦争になれば同盟国には軍隊を出すハズなのです。
 日米安保はアメリカにのみ派兵義務を課す条約なので、内容が具体的にどのような条件になっているのかいまちょっと分からないのですが、普通の軍事同盟や集団的自衛権の考え方を鑑みれば、実際に「戦争状態」になったらどのような戦争かに関わらず米軍が動かなければならなくなる可能性というのは十分にあるんじゃないかと思っています。
 
 つまりこの場合、人民解放軍が動くだけでは米軍が動かなかったとしても、自衛隊と人民解放軍が交戦状態になったら米軍は動く、という可能性もあるというコトなワケです。
 
 そしてこの問題でもっとも大切なコトは、「だからこそ独自防衛力を持たなければならない」というコトです。
 軍事同盟は必要だとは思いますが、それはあくまで保険的な意味合いぐらいに考えておく必要はあるでしょう。
 特に日本は大国であるワケで、ここは自覚をキチンと持たなければなりません、いつ自国だけで戦争になるのか分からないのですから、「米軍がいて安心できる防衛力が備わっている」ではなく、「自衛隊だけで安心できるけど、米軍がいるコトでより楽に勝てる状態にもっていける」ぐらいの状態に日本だけで成っていなければならないのです。
 この記事はその教訓とすべきです。
 この記事を見て、中国ガー、アメリカガーと言うだけではなく、では何が足りないのか、日本はどうすべきなのかというコトを考えなければなりません。
 日本は大国なのですからね。
 大国らしく、他国の一挙手一投足にいちいちビクビクするのではなく、他国が何と言おうとも、日本は日本の撮るべき道を常にハッキリとさせておく必要があるのです。
 この場合、もちろんアメリカと連絡を密にするっていうのは当然ですが、そもそもとして、日本の軍備がソフト面も含めて万全であれば中国の企みなんて一切無駄になるのですから、そう考えれば日本のとるべき道というのは考えるまでもないところにあるワケなのです。
 国民はここをキチッと考えなければならないでしょう。
 
 最初に言いましたようにこの記事の信憑性がどこまであるかは未知数です。
 しかし、ある程度本当のコトであれば、逆に言えば、中国から見た日本の軍事力は舐められている程度だとも言えるでしょう。
 じゃあ日本としてはどうしましょうか、というコトなのです。
 舐められない軍事力を持てばいいじゃないですか。 
 これだけで解決なのです。
 たったこれだけのコトなのですから、まずは日本国民が国民の側から独自防衛の大切さを主張し、政治を動かして、日本を守っていく気概を持つべきだと思います。