一部だけしか景気が回復してないからダメって言うなら代替案を示せ

 これだからやえは経済のお話というか、どちらかと言うと、普段からしたり顔で経済を語る人を好きになれないんですよ。
 特にテレビとかマスコミ上に出てくる人は。
 
 だって、民主党政権の時は、日々日本経済は下り坂を転がり落ちていた、景気もどこまでも続く奈落底のように落ちる一方だったのに、それでもあの時はほとんど経済の話題が批判の対象にならなかったじゃないですか。
 民主党政権前期は提灯記事ばかりで、後半は民主党自身のオウンゴールで批判せざるを得ない状況に追い込まれて嫌々批判記事を書いていたんじゃないかと思うしかない感じのトーンでしたが、それも結局経済の問題ではなく、あくまでデタラメな政権運営の問題ばかりで、政策への批評はほとんど聞かれませんでした。
 その間に日本経済政策は、史上最低になっていたのにも関わらずです。
 しかしアベノミクスに対してはどうでしょうか。
 概要を発表した段階で批判が飛び交いました。
 まだ実施していない時から、マスコミは批判を繰り広げていました。
 中には肯定的な意見も無かったとは言いませんが、そもそも「アベノミクス」という言葉自体が、朝日新聞が作り出したネガティブキャンペーンとして生み出したモノでしたよね。
 そうやって批判してきたくせに、そしていま効果が見えてきたところで、それなのにさらにこう言うワケです。
 「アベノミクスは一部の人達にしか恩恵を与えてないからダメだ」と。
 
 それが本当かどうかは、とりあえず今回はおいておきましょう。
 でもこれは、実際に効果が出ているコト自体は事実として認めているワケです。
 であるなら、それは肯定的に言うべきなんじゃないですか?
 だっていままでは、少なくとも民主党政権時の3年数ヶ月の間は、どこもかしこも日本経済全てが悪くて、上だけが下だけがというレベルを超えて、上も下も全てが急転直下で下がり続けていたじゃないですか。
 ですから、そういう時期の直後の政権としては、むしろ一部でも上り坂になっているというのであれば、それは万々歳なんじゃないですか?
 下り坂の方がいいって言うならもう何も言うコトはありませんが、大部分の人はそうではないワケで、であるなら今の段階ではアベノミクスに対する批判って出ないハズなんですよね。
 
 もちろん「一部ではなく自分にも恩恵を」と言うのは自然な感情だと思いますし、そういう政策をと望む気持ちも分かりますが、しかしそれを「一部だからけだからダメ」と言ってしまうのは違いますよね。
 だって、ではそう言ってしまうコトはどういう状態を望んでいるコトになるのかという場、それは「下だけが先に上昇するパターン」か「全体が一致して上がるパターン」かどちらかしか考えらないワケですが、果たしてそんなコトを可能とする方法が存在するのかと逆に問いたくなるからです。
 「上から下まで、首都から地方まで、全てが同時に景気を良くする」。もしくはせめて「企業ではなく個人から先に景気が良くなる方法」を、もしこういう方法論があるのであれば、ぜひ教えてくださいよ。
 そしてそれはたぶん、安倍さんも麻生さんも、ぜひとも教えてもらいたいと思っているコトでしょう。
 もし「一部だけだからダメ」と批判するのであれば、まして民主党政権時に落ち続ける政策に対して批判しなかった(子ども手当などの給付政策が正しいと思っていた)のであれば、ぜひこれらを達成するための具体的な方法をいますぐ示してくださいと言うしかなくなるのです。
 
 でも、これを具体的に提示する人なんでいませんよね。
 口にするのは、ただただダメだというだけです。
 
 経済に限らず、批判というモノは必ずしも対案を示す必要はないとは思っています。
 しかし今回の問題というのは、すでに民主党政権の時にある程度の給付政策の失敗という結果が出ている以上は、別のアプローチが必要だと結論が出ているワケで、そして実際に安倍内閣はその結論を出しているのですから、それでもダメというのなら、対案を示すしかないじゃないですかってお話なのです。
 だって政治とはあくまで現実論なんですから、現実に存在しないモノはどうやったって実現できません。
 無い物ねだりを政治に求めるのは筋違いです。
 いまアベノミクスを批判している人っていうのは、結局無い物ねだりをしているに過ぎないと言うしかないのです。
 
 現実の学問である経済学を主張するのに、その実は無い物ねだりってみっともなくないですか?
 だからやえは、マスコミ上でしたり顔で経済を語る人を好きになれないんですよ。