これからは国民自身が付けていたツケを支払う時間

 ちょっと話題になっていますが、フランスでこんなコトがあったようです。
 

 「慰安婦漫画」韓国OK、日本ダメ 仏国際展 主催者「政治的な宣伝」
 
 欧州最大級の漫画フェスティバル、フランスのアングレーム国際漫画祭が30日、開幕した。漫画祭には、慰安婦問題をめぐる日本と韓国の作品が出展されたが、主催者側は、「強制連行はなかった」とする日本側の漫画を「政治的」として撤去するよう要請した。韓国政府が持ち込んだ「元慰安婦被害者」の作品は展示を許可した。「韓国側主張の誤りを正し、真実を伝えたい」と、漫画作成に意気込んできた日本側関係者は納得せず、波紋が広がっている。
 30日、韓国政府の趙允旋(チョ・ユンソン)・女性家族相はアングレームを訪問し、「散ることのない花」と題した元慰安婦についての漫画企画展の開幕を宣言した。しかし、事前に地元記者らを対象に予定されていた説明会は主催者側の要請で中止された。

 
 ちょっと煽りすぎなんじゃないですかねと思わざるを得ない書き方ではありますので、現地での実情がどういうコトになっているのかちょっと疑問ではありますが、とにかく『主催者側は、「強制連行はなかった」とする日本側の漫画を「政治的」として撤去するよう要請した。韓国政府が持ち込んだ「元慰安婦被害者」の作品は展示を許可した』という部分は事実なのでしょう。
 この事実については日本人として憤りを感じるところです。
 もはや韓国という国に対しては何の感情も持ち得ませんが、フランスに対しては「失望」せざるを得ません。
 ちょっと強い口調で言いますが、もともと白人に理性的かつ論理的な思考を求める方が間違いなのかもしれませんが、「韓国の主張の展示は良くて、日本の主張の展示はダメだ」と言っている姿を冷静に振り返って、もうちょっと自分が何を言っているのか考えてもらいたいところです。
 
 ただひとつ、これは日本人として国民として考えなければならないコトがあると思っています。
 それは、「これはツケだ」というコトです。
 そもそもですよ、日本がここまで海外で自己主張する姿はかなり珍しいと言えるワケで、むしろ去年から今年にかけてやっとこういう姿が見られるようになったワケです。
 それまではだんまりだったんですよ、日本は。
 それが日本人の国民性だというのはその通りのコトなのですが、しかしそれ以上に、特にこのいわゆる慰安婦の問題ですとか、なんとか大虐殺ですとか、戦争がらみのコトについては、日本人自身が根拠も無しに日本を叩いていたという歴史があるコトは、日本人として考えなければならないでしょう。
 すなわち、これまでは日本人自身が日本の足を引っ張っていたから、海外でのこういうキャンペーンが出遅れた、いえ日本人自身の手によって反日キャンペーンすら張られていたワケで、だから全てが後手後手の状況に陥ってしまっていると言えるのです。
 いまやっと反転できるようにはなりましたが、いまの状況というのはスタート地点ですらなく、かなり後方からのスタートなのです。
 そしてそれは日本人自身の手によるモノであり、いまはツケを支払う時間だと見ざるを得ないのです。
 
 例えば、いまでは戦犯かのようにやり玉に挙げられている村山談話や河野談話ですが、しかし当時はこのような反発はほぼありませんでした。
 むしろ「政府は口だけで一切心からの謝罪や賠償をしようとしないじゃないか」という“国内”からの批判の声があったぐらいです。
 やえはこれらの談話の中身を決して肯定するコトはありませんが、ただ、それを肯定してきたのは日本国民自身だったという事実は、これは事実として受け止めなければならないと思っています。
 そしてそういう時代が、何十年も続いてきたのが、日本の社会なのです。
 
 もちろんだからといって、いま反撃の手を緩めろという意味ではありません。
 この歴史を反省の材料にして、今後を考えるべきだというお話です。
 そして同時に、国民自身が他人のせいにして責任を押しつけて、自分だけは正義の立場にいるんだと思わないようにしなければなりません。
 政府とか政治家とかマスコミとか、そういう一部だけのせいにして、こいつらがちゃんとやらないから今こんなコトになっているんだ、と思うのは間違いです。
 彼らの責任ももちろんありますが、国民自身からして昔はああいう雰囲気の根本を形作っていたというコトは決して忘れてはならないのです。
 なぜなら、また同じコトを繰り返さないためです。
 どんな問題だって、国民自身が誤れば、政治家も政府もマスコミも全く及ばない力を発揮するんですからね。
 国民が主権者なのですから。
 
 
 続報ですが、日本政府も正式に激おこプンプン丸を表明したみたいですね。
 

 日本の慰安婦漫画を展示拒否 岸田外相「残念だ」
 
 日本漫画の展示拒否について、岸田氏は「友好親善、国際的理解を深める趣旨に沿わない動きがあることについて残念に思う」と強調。菅氏は韓国の企画展をめぐり「フェスティバルの趣旨にそぐわない状況が発生しており、極めて残念だ」と指摘した。対抗措置として、慰安婦問題に関する日本政府の取り組みや立場を説明する文書を現地で配布し始めたことを明らかにした。

 
 こういう反応も、いままでの日本政府としてはちょっと珍しいというか新鮮な気がします。
 これは「遅れたスタート地点」であり、これからは政府も国民も一体となって盛り返していきたいですね。