内向きに終始し国際評価を落とし続ける中韓と、常に世界に向けて外交している日本

 今日はこちらの記事です。
 

 日本の譲歩を強調 中国、会談形式はなお慎重
 
 中国中央テレビは七日に発表された四点の共通認識の内容を速報するとともに、中国外務省直属のシンクタンク国際問題研究所の曲星所長の解説を紹介。曲氏は日中間の正式文書で初めて釣魚島(尖閣諸島)の文字が入ったことを強調した上で「間接的に釣魚島をめぐる争いがあることを認めた」と、日本側が領有権争いがあることを認めたと解釈できるとした。

 
 記事をよく読んでいただきたいのですが、これは「シンクタンク国際問題研究所」の解釈を載せているという記事です。
 先日安倍総理と岸田外相がAPECのために訪中し、そこで両政府が交わした合意文書についてのコトですが、つまりこれは体裁としては「中国政府の正式な解釈」なのではなく、あくまで「シンクタンクが勝手に解釈したモノ」という形での発表としているんですね。
 もちろん記事にもあるように、特に中国は共産国ですから民間なんてモノは存在しないワケで、このシンクタンクもご多分に漏れず国営の「外務省直属」の機関なワケですが、中国政府はここをうまく使い分けているんですね。
 外向けには「中国政府の正式な解釈ではなくあくまでシンクタンクの解釈」としつつ、国内向けには「政府直属機関の発表だ」と喧伝しようとしているワケです。
 
 ですから日本政府や日本人としては、これを真に受けてはいけません。
 所詮はシンクタンクの勝手な解釈であって、中国政府がこれを正式な場で日本に突き付けられるような類いのシロモノでは決してありません。
 直属とは言え政府そのものではありませんからね。
 言ってみれば、日本のテレビでタレントが適当なコトを言っているのと、「政府公式見解ではない」という意味ではそう違いはないのですから。
 
 ではなんのためにこんなコトを中国がしているのかと言えば、それは中国国内向けのためです。
 中国はある程度国内に対して「敵に勝っている」と知らしめなければ、世論が持たないような国です。
 これは韓国も同じなワケですが、中国やそれの「長男」と信じ切っている韓国という国は、常に帝王(や長兄)でなければならないという中華思想がこびりついている国であり、根拠は無いけど周辺国である日本に対しては常に上に立ってなければならないと思い込んでしまっているので、何があっても「日本を負かした」「日本より上位にいる」と言い続けなければならない「病」を患っているのです。
 よって首脳や外相会談を行いましたとか、合意文書を交わしましたってコトになったら、「常に勝利した」と言わなければならないコトに中国国内ではなってしまっているんですね。
 結局このシンクタンクの発表というモノは、そういう「国内向け勝利宣言」でしかないのです。
 
 よって一番悪いのは、こうやって日本国内のメディアが、これを真に受けて、こうやって記事にしてしまうコトです。
 これが一番マズいワケです。
 深く考えずにタイトルだけとか中身も流し読みしかしないような人がこれを読むと、「日中合意文書で尖閣の問題が領土問題だと日本政府が認めた」と理解してしまいかねません。
 こうなってしまえば、中国にとっては一番の思うツボですよね。
 中国国内に対してそのような効果を狙ってこんな小細工しているのに、ついでに日本国内まで釣れたのであれば、こんな好都合はないでしょう。
 日本のマスコミはそれを分かっているのか分かってないのか分かりませんが、そういう意味では本当にタチが悪いとしか言いようがないワケです。
 
 では日本としてはどうこれを捉えればいいのでしょうか。
 それは「中国外務相直属」という部分を逆手に取ればいいのです。
 と言うとなんだか仰々しいですが、結局これは「中国の二枚舌」でしかないワケで、こんなコトするような国だからこそ信用が出来ない国だと再認識すればいいのです。
 「政府直属」なのにこんな適当なコトを言ってしまう国が中国なんだと、この発表というのはそう捉えるしかないワケですよね。
 これが責任も何もないタレントの戯れ言であればまだしも、肩書きは「中国外務相直属」なんですから、しかも共産国のですね、本来は大変に責任のある立場での発言なのですから、「政府直属がそんな無責任な適当なコトを言ってしまうんですね」と、軽蔑の対象にしかならないと認識するのが正しい見方でしょう。
 「そういうコトするから国際社会に対して信用されないんですよ」っていうコトです。
 
 日本は常に世界に向けて外交をしています。
 日本しか見ていない韓国や、周辺を属国としか思っていない中国とは、立場が違います。
 中国がいくら周辺国や途上国にお金をバラまいても、最初はそれでいいのかもしれませんが、時間が経つにつれて中国の本性が見え始め、化けの皮が剥がれていって人心も離れていきます。
 結局その国が発展すればするほど、つまり国際社会が見えてくれば見えてくるほど、中国の異常性が理解できるようになってくるんですね。
 ですから日本はいまのこの日本の立場を誇るべきであり、決して中国のような国と同じ土俵に立つべきではないのです。
 
 結局今日の夕方に日中首脳会談が実現しましたが、これまで安倍政権になってから約2年間、ずっと対話を拒否していた中国に対しては、むしろ対話を実現させたというだけで日本側の土俵に立たせたとも言えるのです。
 そもそも「国際社会」「国際法」の観点から言えば、正面切って論理を持って対話すれば、それは法なんて日頃から合法的に無視してる中国としては不利になるワケですからね。
 法の中でどう利益を確保できるのかを常日頃考えている法治国家と、いかに法を無視して利益を確保するかを考えている無法国家とでは、それは「遵法」の観点から考えれば法治国家に一日の長があるというモノです。
 だからこそ中国や韓国は、正面切って日本と交渉したがらないのであって、例えばTPPに中国が参加しないのも、ある種当然とすら言えてしまうのです。
 その中で「対話」をアピールし続けてきた、そして実際そのタイミングがあれば対話実現に尽力できる日本の姿勢は、法治国家としては正しい選択だと言えるのです。
 
 たぶんいま一番外交について間違っている点は、日本国民自身が「日本は外交が下手だ」と思っている点ではないでしょうか。
 でもそれってよくよく冷静になって調べてみると、日本国内のマスコミが、政府の外交得点は一切知らせないのに、失点だけは大きく伝え、また失点でないようなコトまで失点かのように伝えるからではないのではと感じてなりません。
 今回の記事なんてまさにそうです。
 もし今回の記事を見てますます「中国は信用できない国だ」と国民の大半が感じればそれでいいんですが、おそらくそうではない人も少なくない数いるでしょう。
 しかしむしろそういう人が増えるっていうコトこそが「外交的失敗」だと言えとしまうコトに気付いてほしいです。
 
 内向きに終始し国際評価を落とし続ける中韓と、常に世界に向けて外交している日本とは立場が違うのですから。