日本を中国のような低信頼国家にしてはならない

 キツい言い方をするのであれば、最近、脊髄反射する人が増えたと言わざるを得ません。
 例えば、「中国や韓国の誰々がこういう発言をした、日本は言われっぱなしでいいのか」と、そう大変な勢いで憤って、そしてそれを日本政府にぶつけるっていう人です。
 
 こういう人ってハッキリ言って、日本をどういう国にしたいのかと、やもすれば日本を中国や韓国のような国と同じ立場にしたいのかと、そう疑ってしまいます。
 ちょっと冷静に考えてもらいたいんですね。
 いくら相手国が日本を名指ししているとは言え、海外に発信する以上は「海外向けの発言」であり、決して日本だけがその発言を受け取るような、密室での会議のような性質の発言ではありません。
 日本を名指ししたところで、その発言は他の国も注目して見ているワケで、それが日本のような強国、中国のような大国であれば、なおさらなワケです。
 ですから、仮に二国間外交だけのお話だとしても、しかし常に「国際社会の中での言動」という意識を忘れてはなりません。
 
 立場を変えれば、本来はそれは簡単に分かるコトのハズです。
 中国がアフリカでお金をバラまいてはいるけどしかし傍若無人な振る舞いのせいでむしろ反中感情が高まっている、なんてお話を耳にしたコトがある人もいるのではないでしょうか。
 実際ちょっと探せばすぐに記事も出てくるワケで、自国に関係ない話題でも、それなりの国の言動ならすぐに「国際社会」の中で話題になるのです。
 そしてそれは中国に限らずアメリカやロシアなど、いわゆる大国・強国であればその言動は国際社会で広く認識されるというコトを忘れてはいけません。
 我々が他国の言動を見聞きしているのと同じように、他国も大国・強国の言動は常に国際社会は見聞きしているのです。
 
 そして日本もまごう事なき強国であり、常に国際社会から注目されているという立場だというコトを忘れてはなりません。
 
 中国はああいう国ですからそういう自覚がないので、常に傍若無人に振る舞っていますが、しかしそれによる国際社会からの信用度はかなり低いモノだというのが実際のところでしょう。
 まぁそもそも共産国という面もありますし、普段から人権意識が低く、また領土領海問題をほぼ国境を接する全ての国に無差別に仕掛けてくる国ですから、そういう面も合わせて決して中国は他国から信頼されるような国ではなく、逆に警戒されている国になってしますよね。
 それは日本人自身もよく分かっているコトでしょう。
 誰でもない中国自身の言動によって、国際社会の中でのその低信頼度が醸造されているワケです。
 
 中国と同じ立場に立って言い返すという行為は、つまりはこういう行為なのです。
 
 先日の中国の外相の発言に対する、日本の管官房長官の発言は次のようなモノでした。
 

 菅官房長官「一外相の発言」 中国、戦勝行事「招待」
 
 「我が国の戦後70年間の歩みは、民主的で人権を守ってきた。法の支配、国際平和という価値観は不変だ」

 
 日本政府は誰に向かって発言しているのでしょうか。
 もちろん中国もその視野には入っていますが、明らかにこれは「国際社会」に向けた発言ですよね。
 もしここで日本がムキになって、「お前らだってこれまで何人虐殺してきたんだ」なんて言ってしまえば、それこそ中国と同じ穴のムジナとしか見られなくなってしまうコトでしょう。
 そもそも中国がデタラメな人権政策をしているコト、これまで多くの人間を虐殺してきたコトは周知の事実であり、中国の発言に対する国際社会の受け止め方というのは、そういう過去を含めた上でのモノにしかなりません。
 それは日本が一番分かっているコトじゃないですか。
 ですから日本政府はそれを踏まえた上で、「誰にどう発言するか」というコトを戦略的に考えて、こういう発言をしているワケです。
 
 中国や韓国の発言に対して腹を立てるというのは、まぁ気持ちは分からなくもありません。
 それを真正面から受けてしまえば、腹も立つでしょう。
 しかしだからといって、相手と同じ立場に立って言い争っては、むしろ自分の立場を悪くするだけです。
 そして日本人は、中国や韓国という国が国際社会の中においてどれほど信頼度を低下されているのか分かっているハズです。
 であれば、日本が中国や韓国と同じ立場に立ったらどうなってしまうのか、ちょっと考えれば簡単に分かるコトでしょう。
 それとも日本をそういう立場に引きずり下ろそうとでも画策しているのでしょうか。
 
 多分世界の中で日本人自身が一番日本の立場というモノを分かっていません。
 日本は強国です。
 常に世界から注目されている国家です。
 まずは日本人自身がそういう意識を持つコトが必要なのではないでしょうか。
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、国際社会の中でもっと高い信頼を得られる言動をする日本人を応援しています。