マスコミが甘やかすから日本は野党が育たない

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 自民、国民新党の合流・復党認めず 自見代表に回答へ
 
 自民党は24日、国民新党代表の自見庄三郎参院議員が申し入れた党の合併や復党に応じない方針を固めた。国民新党が昨年末まで民主党政権の連立与党だったことから、「安易な合流や復党は国民の理解を得られない」と判断した。近く党幹部が自見氏に伝える。
 自見氏は21日、自民党に復党願を提出。今年度補正予算案の採決や日本銀行総裁の同意人事を控えるなか、自民党内には与党が過半数に届かない参院で2議席を持つ国民新党との合併を容認する動きもあった。
 だが、石破茂幹事長は「違和感を覚える」として反対姿勢を打ち出し、党内を調整。安倍晋三首相(自民党総裁)も拒否する方針に傾いた。

 
 自民党が拒否するのは当然のお話としましても、そもそもですよ、この国民新党の動き自体に対してマスコミは本来批判しなければならないハズです。
 だってこの国民新党の動きは選挙の結果を反故にする行為ですよ。
 国民新党は民主党と最後まで連立与党を組み続け、与党として選挙を戦った上で与党として大敗北を喫したのですから、つまり国民は国民新党に明確にNOを突き付けたのです。
 それなのに、国民が信任を与えた自民党の中に入り込むなんて、まったく選挙を無視した行為でしかありません。
 これは自民党が断ったとか受けたとかいうレベルのお話ではなく、国民新党が自民党に入りたいと公言するコト自体が「選挙と国民への裏切り行為」であり、マスコミは大批判しなければならない案件のハズなのです。
 
 特にマスコミは野党の時の自民党に対して「責任野党」なんていう言葉を造語して批判したのですから、それは当然自民党だけに当てはまる言葉ではなく、全ての野党に適応しなければならない責任のハズです。
 特に自民党に対する「責任野党」と言ってた時は、しかし野党は行政に関われないからこそ野党であるにも関わらず、行政問題にすら責任を持てとかいうメチャクチャなイチャモンレベルの批判だったワケなのですから、今回の国民新党の動きというのは政党としての動きであって、「責任野党」という言葉があろうがなかろうが当然として責任を求められるべきコトです。
 自民党に対しては本来筋違いの責任なのに責任を取れと言う、自民党以外には責任を伴う行為でも無視をする。
 こんな矛盾…矛盾ってレベルじゃないですよね、本当こういうイチャモンとしか言いようのない無責任な行為はないワケです。
 
 日本のマスコミがこういうレベルだからこそ、日本の野党がキチンと育たないのです。
 日本のマスコミは、野党だろうが与党だろうが、とにかく自民党にしか批判しません。
 批判というかイチャモンレベルなワケですが、しかし1つの政党だけを批判しても、それが自民党が永遠に与党であればそれでもいいのかもしれませんが、実際問題現実としてそうではありませんよね。
 民主党政権というのは、そんな甘やかされた状態のまま民主党が与党になったからこその、デタラメなグダグダな政権運営になったのです。
 民主党が野党の時というのは、当サイトでは散々デタラメを指摘しましたし、選挙間際では自民党も指摘していましたが、マスコミは総スルーを決め込んで民主党を選挙で勝たせたワケで、こんな仮免以下の政党では政権運営なんて出来なくて当然なのです。
 
 政党というのは野党の時から、与党と同じ目線で国民もマスコミも全ての政党を見て、同じ基準で批判しなければなりません。
 野党だから多少の責任はいいやとなってはいけません。
 もちろん与党と野党では出来るコトが違いますから、そこのシステムに起因するコトまで責任を追及するコトはデタラメになってしまいますが、しかし少なくとも今回の国民新党のような、政党としての動きであり、選挙と民主主義を否定するかのような行動に対しては、いくら政党の規模が小さかろうが大批判を浴びせなければなりません。
 それは日本のタメです。
 国会に議席を持つ以上は、国民の意思をひっくり返すような行為をしようモノなら、それなりの批判は受けて当然でしょう。
 むしろそれをしなければ、いつか本当に選挙というモノが形骸化してしまいます。
 これは国民の利益のために、キチンと国民新党を批判しなければならないのです。
 
 未来の党の分裂騒動も同じです。
 選挙の時だけ外面を良くして国民の審判を受けたくせに、選挙が終わるとあっさりと小沢党に逆戻り、こんな国民への裏切りはありませんよ。
 でもこの行為はまったくといっていいほど既存マスコミは批判していません。
 おそらく政党の規模が小さいからでしょう。
 でもそんな基準ではダメです。
 選挙の時とその後と政党の性質が変わるコトが容認されるようなコトがあれば、それは選挙制度の崩壊にしかなりません。
 結局どこに投票しても、選挙後には別の政党に変わるのであれば、全く投票が無意味ですよね。
 だからこれは、小沢一郎がとか未来の党がとかではなく、国民の利益のために批判しなければならないコトだったのです。
 
 日本のマスコミが甘やかすから日本にはまともな野党が育たないのです。
 しかしそれは結果的に国民の利益を阻害します。
 与党だから野党だからではなく、その立場においてふさわしい言動をしているかどうか、そこを国民はキチッと判断して、批判すべき時は批判しなければならないのです。
 結局日本のマスコミは、日本の国益を阻害するコトにしかなっていないと、この件でも言えるワケなのです。