谷垣さんは総裁選に立候補すべきだった

 昨日の更新にコメントをもらったので、それのレスするよん。
 二日連続オレで悪いねー(笑)
 

はじめまして。いつも更新楽しみにしております。
 
いつもながらの冷静かつ公平な分析には頭が下がります。
『議員の神格(タブー)化』や『党内論理による谷垣氏不人気』の部分は、ブログ主様の仰る通りだと小職も考えております。
 
だからこそ各候補が『谷垣氏を否定』するわけではなく、谷垣氏も出ないとなると総裁選そのものが『茶番(=大義がない)』状態に陥っている事も事実です。
コレだと他の候補者は総じて『盗人集団』に格下げされてしまうのが残念です。
このままだと『下野した3年間をドブに捨てた』と道義になること請け合いです。
(一応谷垣氏が出馬断念したことにより『派閥VS無派閥』の構図が国民感情的には見えるようになったので全くの茶番ではなくなりましたが。。。)
 
又、与党と野党では総裁に求めるボーダーも変わるのでしょうが、自民党内で未だに小泉政権時代の『風』を忘れられない議員さんが多数いることも問題ですね。
 
一体、下野してからの3年間何を見てきたのでしょう。情けない限りです。
 
リーダーシップの単語に踊らされている報道に相乗りしている議員が多いようですが、『圧倒的な防御力に裏付けられたリーダーシップ』で無い限りはまたマスコミ報道で吹き飛ばされるでしょう。
小泉氏の『鈍感力』しかり、谷垣氏の『忍耐力』しかりです。
 
そう言った部分も踏まえて今後の政治・政局を注視していこうと思います。
 
以上、長文失礼しました。
あ、ランクリしておきますねw

 
 結局いまって谷垣3年間を批判することがタブーになってるけど、昔の自民党総裁選って「前の総裁はここが駄目で、自分だったらこうするんだ」っていう議論を普通にしていたはずなんだよね。
 麻生さんの時は選挙に負けたからアレだけど、例えば小泉後だって、小泉路線継承か、それとも脱却かっていうのは、普通に議論されていた。
 でもそれが出来ないっていうのはやっぱり異常だし、だからそれは結果的に「谷垣総裁の3年間」の総括が出来なくなってしまっていることに繋がっている。
 これはね、駄目だよ。
 だからやっぱり本当に議論するなら谷垣さんは立候補すべきだったし、もしただ単に推薦人20人集まらなかっただけなら、それは総裁選というカテゴリーで考えるなら「論外」になってしまうわけで、それならそういう評価をしなければならない。
 この場合は、議論するまでもなく谷垣さんでは駄目だったと、少なくとも実際に間近で働いている国会議員の中の評価としてはそういう結論が出たと見るしかないんだよね。
 
 オレ以前ツイッターで「谷垣さんは右に傾きすぎる事なく、左に肩入れしすぎる事なく、微妙にバランスが取れているから党内をまとめ切れている」というような事を書いたことがあるんだけど、実はこれは違っていたんじゃないかと最近思ってきた。
 ただ単に執行部の平議員も全ての自民党議員がそれぞれ「野党なんだからまとまらなくては」と危機意識を共有していただけなのではないかと。
 逆にそう思えなかった人間はさっさと自民党を出て行ったわけでね、舛添とか鳩山邦夫とか。
 だからそう思わずにここはキチンと野党自民党としてやっていかなければならないと覚悟を決めた議員だけが自民党に残っただけで、だからこそいままでやってこれたのではなかろうかと。
 しかし、総裁には任期がある。
 任期が終われば誰だって総裁に立候補する権利がある。
 その中で5人が立候補し、最低でも20人ずつの推薦者が集まったわけで、今の自民党議員の半数以上の議員が谷垣以外の支持を明確にしたわけで、この結果だけを見れば「谷垣さんでなければまとまれない」わけでないことを示したとも言えるのではないだろうか。
 いまの自民党議員の中では、1人たりとも自民党を分裂させたい人はいないだろう。
 そんな人ははじめから自民党を出ているだろうし、少なくとも消費税採決の時に出て行っていた事だろう。
 そう考えれば、確かに下野直後は谷垣さんしかいなかった、立候補する人の中では谷垣さんしかいなかったというのは言えるのだろうが、しかしもはや谷垣さんでなくても自民党は割れないということを、今回の立候補に5人も出たということが示しているのではなかろうか。
 
 1つ確かに言える事は、白黒ハッキリさせるためには谷垣さんはやっぱり総裁選には出なければならなかったという事だ。
 出ずして神聖不可侵になったら駄目だよ。
 政治家だもん、そして自民党の規約に3年後はどんな人であっても総裁選をしなければならないと決まっているんだもん、谷垣さん、出ないと。
 谷垣さんを応援している人のためにも出ないと駄目だよ。
 
 だからね、谷垣さんの決断を否定するつもりはないけど、この構図を誰1人として「谷垣さんから権力を奪った」って言ったら駄目。
 選挙をするっていう事、その選挙の結果に従う事は、一点たりとも他人に批判されるべき事ではなく、まして盗んだとか奪い取ったとか言ったら民主主義の否定になる。
 敢えて批判するのであれば、それは選挙に出なかった事が批判されるべきだ。
 それは文字通り「不戦敗」なのだから。
 
 あとこの状況は茶番とは言わないけどね。
 選挙が定められている以上は、決して前の人を否定するって意味じゃないからね。
 選挙はクーデターじゃないんだから。
 
 オレも何度も言ってるように谷垣さんの行政能力は高く評価していたし「谷垣総理」を見てみたかったから、是非とも堂々と総裁選に出て、そして勝って欲しかった。
 でも、であるなら、ちゃんと足下を固めてほしかった。
 政治家が足下を固めなければ、特に政権を運営するのであれば尚更自分の足下を固めなければならないのは言うまでもない。
 谷垣さんが立候補しなかったのか、実は出られなかっただけなのかは、多分ハッキリさせることはできないとは思うが、でもどちらにしても足下を固めることができなかったという点は批判されても仕方ないところだし、残念だと言うしかないところである。
 
 自民党の良さは、組織がシッカリしている事、それは組織員がいっぱいいるって意味じゃなく、規則やシステムが整備されているという意味だ。
 いま総裁選が行われているし、月末には新しい総裁が決まるわけだが、しかしこれまで3年間自民党が積み重ねてきた政策と、すでに始まっている選挙公約の内容については、誰が総裁になってもほとんど変わらないだろう。
 なぜなら、自民党の政策は民主党とは違い、幹部数人だけが集まってその場で決めるようなものではないからだ。
 自民党は、全ての所属議員が参加し発言できる部会から始まって下から上に上げていくボトムアップしていくシステムなので、むしろ上が誰であろうとも変えようがないのだ。
 ここ最近自民党は国土強靱化を大きな柱としているが、よって誰が総裁になろうが、例えば河野太郎がなろうが小泉進次郎がなろうが、次の自民党の選挙公約には国土強靱化が入ることだろう。
 だからこそ自民党は安心して見ていられる。
 もちろん総裁によって多少の政策の幅は出てくる。
 安倍さんになれば、それなりにタカ派的にはなろう。
 ただ根っこは変わらないからこそ安心感があるのだ。
 あとは足下をキッチリと固められる人が良かろう。
 
 選挙は戦争ではない。
 特に自民党総裁選は自民党の中での選挙だ。
 候補者同士は憎み合い相手を殺す為にやっているのではない。
 自民党は党として政策を堂々と掲げ、総裁は足下を固めて安定する政権を運営出来る能力を持って自民党をまとめてほしい。
 むしろ足下が、どういう形や力であれしっかりと固めていた小泉総理時代こそ政策論争がしっかりと出来ていた時代だったのだから、国会議員同士でも、国民同士でも、当サイトとしても、基盤がシッカリとした総理総裁を望むものである。