復興予算の流用は別のところに使われたのが問題ではなくその中身が問題

 復興予算が流用されているとにわかに大問題になってきていますが、これ、シッカリと中身について考えないと、また民主党とマスコミの嘘に騙されてしまいます。
 というのも、どうも民主党もマスコミも「復興予算が被災地ではないところに使われている」「流用問題」というところだけをピックアップして、これが問題かのように喧伝しようとしているのですが、これだとジミンガーが見事にはまってしまうからです。
 すでにレンホウ議員なんかが「復興予算を他の地域に使えるように基本法に組み込んだのは自民党の要求があったからだ」と言っていますし、まぁこういう言い方をするのであれば、基本法は共産党も含めて全会一致での可決だったので自民党だけでなく民主党も含めた国会全て責任ですが、経緯だけを見ればそれは概ね事実ですから、こういう言い方をすればなかなか反論がむずかしくなってしまいます。
 でもそれは当然理由があってこそそのようになっているワケで、そんなのは当然ですよね、ですからまずそこの部分を考えた上で、この法律に基づいて付けられた予算が適切かどうかを考えなければならないのです。
 この「流用問題」は、他地域に使えるから問題というモノではないのです。
 
 こちらをご覧下さい。
 これは参議院の調査室という機関が作成した資料です。
 行政府であり予算を執行する側の国交省作成ではなく、あくまで立法府の立場で作られた資料であるという点に注目です。
 

 平成 24 年度国土交通省予算のポイント(PDFファイル)
 
 平成 24年度予算においては、東日本大震災からの復興等の推進が予算重点化項目の筆頭に据えられることとなった。そして同時に、東日本大震災からの復興等の推進に当たっては、ゼロエミッションの取組を推進し、東北を「低炭素・循環型社会の構築」を通じ持続する雇用・経済・国土のモデルケースとすることにも配慮することがうたわれている。これは、国土交通省としての政策の基本方針である「持続可能で活力ある国土・地域づくり」における「持続可能な社会の実現」のための「低炭素・循環型システムの構築」という方向性を反映させたものである。
 
 さらに、東日本大震災からの復興の基本方針等に基づき、東日本大震災を教訓として全国的に緊急的に実施する必要性が高く、即効性のある防災・減災等のための施策を「全国防災事業」として位置づけ、その実施のために 2,381 億円が計上された。この「全国防災事業」については、①東日本大震災の教訓(堤防の液状化、津波遡上による堤防の決壊、斜面崩落による通行止め等)、②緊急性(近いうちに発生が懸念される地震津波(三連動、首都直下、日本海溝・千島海溝地震)等)、及び③即効性(効果の早期発現(集中復興期間内))といった考え方に合致したものとされる。

 
 これを読めば、復興基本法に込められている考え方と、それに基づいた予算というモノはどういう意味を持っているモノなのかというコトは、一目瞭然だと思います。
 つまり、復興の推進は当然のコトとしつつ、同時に「ゼロエミッションの取組を推進し、東北を「低炭素・循環型社会の構築」を通じ持続する雇用・経済・国土のモデルケースとする」という意味もあると、この復興基本法は謳っているワケです。
 大震災、起こってしまったコトは大変不幸なコトでしたが、しかしこれをキッカケにして、単に元通りに戻すっていうコトだけではなく、次世代都市というモノを作って、それを全国のモデルケースにしようと、そういう思想が復興禁本法には込められているのです。
 そしてまた、「東日本大震災を教訓として」「即効性のある防災・減災等のための施策を「全国防災事業」として」実行するためにも予算は付けられるというコトも謳われていますね。
 
 今回の震災は文字通り被災地だけに被害をもたらしたワケですが、しかし地震は日本全国どこでも起こり得る天災です。
 そもそも原発よりも津波で亡くなった人の方が膨大に多いのですから、これは他人事として考えるのでは無く、早急に打てる手は日本全国どこでも打つべきだというのが正しい選択でしょう。
 東北だけを対策したらそれで全て解決だっていう問題じゃないですよね、地震なのですから。
 そういう意味でも復興基本法には被災地以外の地にも予算が付けられるように設計されているワケです。
 ただし、どこかしこ無制限に予算が付けられるというワケではありません。
 復興のため、そして防災のためですから、当然としてある程度の優先順位は付けておかなければなりません。
 それも明記されていますね。
 
 ①東日本大震災の教訓(堤防の液状化、津波遡上による堤防の決壊、斜面崩落による通行止め等)
 ②緊急性(近いうちに発生が懸念される地震津波(三連動、首都直下、日本海溝・千島海溝地震)等)
 ③即効性(効果の早期発現(集中復興期間内))

 
 です。
 こういう優先順位を考えながら、被災地以外にも防災のために予算を付け、そして実際にもしもの時のために備えをしようというのが復興基本法なのです。
 
 ここまで特に問題があるようにはやえには思えません。
 そしてこういう思想があって、国会では全会一致で可決しています。
 これは共産党や社民党などの小政党から、当然として民主党も賛成しての基本法です。
 ほぼ自民党の主張に沿った法案のようですが、成立したのは国会の総意です。
 
 国会の役割はここまでです。
 次の段階はこの法律を元にして、今度は行政がどのような予算を執行するかです。
 そしてその結果がこれです。
 

 復興予算21億円が中韓友好促進団体に 団体トップは民主大物議員と外務省OB…
 
 東日本大震災の復興予算が、復興とかけ離れた事業に転用されていた問題で、総事業費72億円の青少年国際交流事業が注目されているが、全体の約3割、約21億円が中国と韓国との友好を促進する2団体に支出されていた。2団体のトップは、民主党の大物議員と外務省OB。
 総事業費72億円は、事業を行った外郭団体などに拠出された。中韓関連でいうと、「日中友好会館」に14億6800万円、「日韓学術文化青少年交流共同事業体」に6億3400万円で、計約21億円になる。
 日中友好会館の会長は、親中派として知られる民主党の江田五月参院議員で、役員には文科省OBが。日韓学術文化青少年交流共同事業体の日本側代表である「日韓文化交流基金」の内田富夫理事長は外務省OBだ。

 

 復興予算:鯨調査費「見直す」…参院決算委で副農相釈明
 
 問題視された事業の一つである「鯨類捕獲調査安定化推進対策費」について、佐々木隆博副農相は「各方面から(被災地の復興に資さないと)厳しい指摘が出たことを真摯(しんし)に受け止め、見直すべきところは見直したい」と釈明に追われた。
 農水省は11年度の復興予算で「鯨類捕獲調査安定化推進対策費」として22億8400万円を計上。予算は反捕鯨団体「シー・シェパード」による調査捕鯨の妨害対策や、調査捕鯨の資金不足の補填(ほてん)にも充てられ、復興との関連が乏しいと批判が出ている。

 
 復興予算を被災地以外に使うのはいいんですよ。
 それは法律的にもその成立しそうにも反するモノではありません。
 しかしそれはあくまで、復興に関連するモノ、防災に関連するモノです。
 それがなんですか。
 「日中友好会館」?
 「日韓学術文化青少年交流共同事業体」?
 「鯨類捕獲調査安定化推進対策費」?
 まったく意味がわかりません。
 これのどこが復興関連であり、防災関連なのでしょうか。
 
 ここが問題なのです。
 ただ単に流用と言うと被災地以外のところにお金が使われたという意味になってしまいますが、それが問題なのではなく、復興ではない部分に「流用」しているっていう部分が問題なのです。
 それのに民主党やマスコミはここを混同しようとしているんですね。
 「流用」の部分を地理的な意味で「被災地以外に」と誘導するコトで、「しかし最初に言いだしたのは自民党だ」というジミンガーを発動させようという罠なワケです。
 本当に卑怯です。
 この場合の「流用」とは、「復興・防災ではないところに」という意味です。
 ここを間違わないようにしましょう。
 
 ひどいと思いませんか?
 二重の意味でです。
 予算の執行は100%政府民主党にあります。
 執行権は行政府にしかないのですからね。
 その行政府がこのように執行したコトについては、一切野党には関係ないコトでしかなく、自分で復興に関係ないところに予算を流用させておいて、しかも江田五月参院議員が会長を務めるような身内に税金を投入しておいて、その上でバレたら自民党が言いだしたんだと責任を転嫁するのです。
 盗人猛々しいとはまさにこのコトです。
 そしてそれをかばうためなのか論点をズラそうとするマスコミ。
 日本はいつまでこのデタラメな連中にデタラメにされつづけてしまうのでしょうか。