電気料金についての意見はもっと具体的に

 東北電力が電気料金の値上げを申請したとのコトで、今日の朝のワイドショーでは大騒ぎをしていました。
 被災地とされる地域に行って、中小企業や商店、個人宅に行って、「たいへんだたいへんだ」という言葉をとって放送していました。
 まぁもちろん、消費者にとってはなんでも値上げするコトに喜ぶ人っていうのはいないでしょう。
 だから声としてはそういう声があって当然だとは思いますが、ただこれはやっぱり政治問題なのですから、ただイヤだとかつらいとか、そんな感情だけの意見を垂れ流ししていいコトにはならないでしょう。
 
 特にこの電気料金の問題は、やえは常に疑問を持ってきました。
 というのも、東京電力にしても今回の東北電力にしても、値上げに対する反応としては「けしからん」とか「ふざけるな」とか、ただそれだけなんですね。
 ただただ反対するだけなのです。
 それって政治問題に対する姿勢としては不適切です。
 値上げに反対するっていう結論は結論としてあってもいいのですが、しかしやっぱりそこに至るまでの過程というモノもキチンと考える必要がある、責任があるのではないのでしょうか。
 
 特にマスコミはです。
 マスコミは、それ自体を仕事にしている上に、一般人から比べれば比較にならないほどの特権を持っています。
 国会や役所に自由に入れますし、大臣や政治家にインタビューできますし、資料を集めるのも一般人よりもより集めやすい環境にあります。
 だからこそ、もしこの問題を取り扱うのであれば、結果として「値上げするな」と言うのであれば、では“どうすれば値上げせずに済むのか”という点をまず語るべきなのではないのでしょうか。
 
 ただただイヤだイヤだと言うのは駄々っ子に他なりません。
 しかしマスコミは駄々っ子と言うにはあまりにも図体が大きすぎます。
 マスコミのやるコトは、ただ個人的感情を垂れ流すコトではありません。
 マスコミには、その特権に見合う責任ある行動が求められます。
 マスコミがこの問題でやるべきコトは、感情の垂れ流しなどではなく、理性的な理知的な「検証」です。
 
 例えば電力会社社員の給与をどれだけ削減すれば値上げせずに済むのかとか、そういう検証です。
 実際東北電力は平均20%の給与削減を打ち出しているようですが、そうではなくてですね、仮に今回の値上げ分を差し引きゼロにするためには何パーセントの削減が必要なのか、40%なのか50%なのか、そういうシミュレーションをキチンとしてほしいのです。
 他には電力会社が持っている不動産などの資産の売却とかですね、まぁこれは単年での効果しかありませんからあまり効果はないのかもしれませんが、そういう方向での検証をすべきなのです。
 
 そしてなにより、もし原発が動いていたらどうだったのかの検証は、本来必要不可欠なハズです。
 
 今回の値上げ、東北電力は燃料費の高騰を理由に挙げているようですが、つまりそれは火力発電所の依存度が高くなっているからなのでしょう。
 つまり、もし原子力発電が震災前のように動いていたら、もしかしたら今回の値上げはなかったかもしれませんし、あったとしても値上げ幅は低くて済んでいたかもしれません。
 もちろんこれは推定でのお話ですが、だからこそ検証が必要なのです。
 こういうコトは国や地方自治体や電力会社そのものもすべきだと思いますが、マスコミもイヤだイヤだと言うなら、これぐらいはする責任はあるハズです。
 それだけの特権をマスコミは持っているのですからね。
 
 値上げに反対なら反対で、ではどうすべきかを考えるべきです。
 特に原発については、あれだけ原発反対を垂れ流していたマスコミこそが検証すべき問題です。
 だって今回の値上げは、そういう反原発の声がそもそもの原因なのかもしれないのですからね。
 反対反対、イヤだイヤだと言うだけなら子供でもできます。
 ただの駄々っ子です。
 しかしマスコミはそんなかわいらしいモノではないのですから、キチンと責任を果たしてほしいと思います。