徹底している安倍内閣の外交姿勢

 先日靖国神社の春の例大祭があり、大臣や国会議員の参拝を中国や韓国や、それらの国にへりくだるコトが正義だと信じて疑わないアレな民主党やマスコミが騒ぎ立てています。
 国会でも民主党を始めとするアレな政党がこの問題を取り上げ、安倍総理や麻生副総理や岸田外務大臣を責め立てているワケですが、しかし安倍内閣というのはそんな騒音には一切耳を傾けるコトなく、外交姿勢を一貫して徹底させています。
 安倍内閣は中韓に対しては一定の距離を起き続けています。
 これを安倍内閣の、政府の側からハッキリと明言はしないので、いえむしろ言葉の上だけは「中国や韓国は大切な隣国であり、信頼関係を構築するのは重要」と言いますから気付いていない人も多いのかもしれませんが、でもこういうリップサービスや建前というモノの裏に隠されている真意を注意深く探るというコトも時には必要でしょう。
 
 前にも似たようなお話をしたコトがありますが、もし本当の心から「中国や韓国が何よりも重要」と安倍内閣が思っているのであれば、閣僚が靖国神社に参拝するのは仕方ないにしても、その後なんとしてでも「釈明」するために日本側から積極的にアプローチしようとするでしょう。
 靖国より以前でも、まずは中国や韓国、まぁアメリカより後になっても致し方ないにしても、かなり早い段階に総理や外務大臣が中国や韓国を訪問して、首脳会談や外相会談を行おうと、積極的に日本側からアプローチするハズです。
 しかし安倍内閣になってから、日本側からのそういう動きは皆無です。
 安倍内閣の初の外遊は、総理・副総理・外務大臣そろって中国韓国「以外」のアジア、いわゆる東南アジアに出かけましたし、麻生副総理や岸田外務大臣もアメリカやロシアやヨーロッパやアフリカなどに積極的に外遊に出ていますが「近隣」である中国韓国にはまったく行ってないんですね。
 唯一韓国大統領の就任式に麻生副総理が訪韓しましたが、しかしそれは儀礼的な意味がほとんどだったワケですから、逆に言えば就任式がなければ(大統領選挙の年でなければ)訪韓しなかった可能性は十分にあったワケですから、この安倍内閣の態度というのは徹底していると言えるでしょう。
 未だ日中韓サミットが開催されていない中、本当に靖国問題などで「釈明」したいのであれば、日本側から積極時に、必死に、アプローチがされるコトでしょう。
 
 でも日本側の立場は相変わらず、「常に対話のドアはオープンにしている」です。
 
 日本が主体的にアプローチしようとする姿勢が一切見えません。
 つい先日、韓国の外務大臣が訪日したいと言い、そして靖国神社参拝によって取りやめたとかいう報道がありましたが、これに対する日本の対応は「そうですか」です。
 もしこれが民主党政権なら必死に引き留めようとしていたかもしれませんが、安倍内閣においては引き留めるどころか、それに対する反応すらありません。
 行くと言ったり行かないと言ったり韓国がひとりで騒いでいるだけで、日本としてはまさに「はぁそうですか」ですよね。
 そしてこれ以降も、ゴールデンウィークという日本の外交日程としては最重要週間になるにも関わらず、どの大臣も中国韓国には触れようともしません。
 まさに「向こうから来たいと願うなら来てもいいけど、こっちからは行こうとは思わないよ」という「ドアはオープンにしている」状態なのです。
 
 この安倍内閣の態度をどう見るべきか。
 少なくともやえは、中韓を重要視しているとはとてもじゃないですけど思えません。
 そしてこれまでの安倍内閣の閣僚の様々な場面での発言を鑑みれば、中韓との関係よりも靖国神社参拝とか歴史認識とかの問題の方が優先させられるという認識を安倍内閣として持っていると読み取れるでしょう。
 こういうコトをそのまま言葉として出せば角が立ちますから、建前だけ言って本心は言わないというのも「外交」であるワケで、でも結果としての行動にはキチンとそれが顕れているワケですから、国民としてはここをキチンと読み取りたいところです。
 それはまさしく「政治からのメッセージ」なのですからね。
 そしてそれは重要な部分でもあるワケです。
 今回の件だけで見ても、単に「中韓は重要視していない」というだけではなく、「靖国問題などの戦後の問題に力を入れている」というメッセージに他ならないからです。
 
 勇ましいコトばかり言って敵を作りまくって結局不安定な政権になれば、それこそ日本の国益のタメにはなりません。
 最近は、極端に言えばケンカを売るコトが正しいみたいなコトすら言う人も出てきていますが、それは広い意味での「外交」としては下の下策です。
 硬軟裏表様々な手段を使いながら交渉するのが外交であって、ここを注意深く探って真意を読み取り、それを評価して、安定政権を続けていくコトこそが日本の国益になるのです。
 そういう視点から見ても、安倍内閣の外交姿勢は徹底しているワケなのです。