与野党の修正協議は評価すべき

 秘密保護法案についてです。
 が、中身についてではなく、政治の動き、政党の動きについて一言言っておこうと思います。
 

 特定秘密保護法案、今国会成立へ 与党と維新が修正合意
 
 自民、公明両党と日本維新の会は20日夜、機密を漏らした公務員らへの罰則を強める特定秘密保護法案をめぐる修正協議で、特定秘密の指定期間を原則「最長60年」とすることなどで合意した。みんなの党に続く野党との修正合意により、法案は26日に衆院を通過する見通しで、今国会での成立が確実となった。

 
 記事の通り、この法案については自民・公明の与党案に対して、みんなの党と維新の会がそれぞれ修正案を出して政党間で協議し、その結果折り合いがついて成立する見通しとなっています。
 これ、やえは昔からずっと言ってる、民主党政権誕生以前からずっと言っているコトなのですが、国会としてもっとも相応しいあり方というのは、与野党がそれぞれの案を出し合い、議席数に応じたパワーバランスによってそれぞれの案を反映させていって一つの法案を成立させるっていう形なんだと思うのです。
 だってその議席数というのは決して天から与えられたモノではなく、法律で定められているモノでもなく、あくまで「国民の意思」によってその議席数は決まっているのであり、つまりその議席数に応じてひとつの法案に意見を集約させるってコトは、その議席数=国民の意思の比率に応じた意見集約だと言えるからです。
 
 国民の声の集約である選挙の結果こそが議席数ですよね。
 いまの自民党というのは、自民党だから与党なのではなく、国民の意思によって与党の座にあるワケです。
 そしてそれは自民党だけでなく、公明党も民主党も維新もみんなの党も共産党も、いまの議席数というのはそれぞれ同じように国民の意思によっていまそうなっているのです。
 もちろんその国民の意思というモノは、議席数と全く同じとは言いませんし、また投票した政党と全ての意見が合致している人の割合でもないコトはその通りですが、しかし間接民主主義を採っている以上は、投票した先に政治を委託しているのは確かなのですから、そういう意味から議席数というのは国民の意見の割合を表しているという一面もあるとは言えるワケです。
 今回の件で言えば、自民党・公明党・維新の会・みんなの党の4党がそれぞれの意見を出しつつ修正した上で法案賛成に回るというのは、その議席数に応じた割合だけ国民の意思を反映していると言えるでしょう。
 自民党だけで過半数を超えているのは超えていますが、より多い国民の声を法律に反映させるという観点から、法案に賛成に回る政党は多ければ多いほどいいのです。
 言ってみれば全会一致の法案は、ほぼ全ての国民の信任を得ているという意味でもあると言えるでしょう。
 そもそも民主主義ですら否定している共産党などの政党もあるので、全会一致の法案は、無くはありませんが、毎回それを望むコトは難しいですけど、しかし今回のようにより多くの政党が賛成に参加する法案を作り上げたという与党の姿勢は、これは高い評価を与えるべきだと思うのです。
 
 共産党はこんなコトを言っているようですが
 

 秘密保護法案「合意の野党は補完勢力」 共産・志位氏
 
 修正合意した野党は、自民党の補完勢力ということを自ら実証した。もともと補完勢力だったので、そういう野党勢力が賛成に加わったからといって、今度の法案が道理にかなったものになったということには決してなりません。

 
 ちょっと何を言っているのかよく分かりません。
 「もともと補完勢力だった」ってなんのコトを言っているのでしょうか?
 どうもこういう人たちって、いまの議席数というモノを天から降って沸いて出たモノかのように考えているフシがあるのですが、しかしあくまでいまの議席数は「国民の意思を数字化したモノ」なんですよ。
 国内においては唯一正式公式の「国民の意思の数字化」なんですよ。
 マスコミの世論調査なんていうモノは、マスコミという一私企業が勝手に行っているモノですが、選挙は法律によって正式に定められているモノであって、その重みはマスコミの世論調査なんて比になりません。
 それなのに共産党の志位委員長はいったいなにをもって、どのような根拠を持ってみんなの党や維新の会を「補完勢力」と言っているのでしょうか。
 それはみんなの党や維新の会に投票した国民の意思を馬鹿にする物言いでしか無いでしょう。
 そして共産党は、なぜ万年野党なのかと言えば、国民の意思によってその程度の議席数しか与えられない、それは国民の選択そのものだという現実をハッキリと受け止めるべきです。
 
 そしてもっとも残念な行動をとったのが、民主党です。
 

 秘密保護法案、民主反対へ…修正協議折り合わず
 
 民主党は21日、安全保障の機密情報を漏えいした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案に反対する方向となった。
 自民、公明両党は21日、民主党との法案の修正協議で、同党の主張の一部を法案の付則に明記する考えを示して譲歩したが、折り合わなかった。民主党幹部は協議終了後、「反対して政府・与党と戦った方がいいという人が党内に多い」と語った。22日に海江田代表や大畠幹事長らが反対の方向で意見集約する予定だ。

 
 記事をそのまま理解するなら、自民党は民主党とも修正協議し、かつ具体的に民主党の主張を織り込む案をも自民党から民主党に示したのに、民主党は「政府・与党と戦った方がいい」なんていう完全なる党利党略だけでその修正協議を蹴った、というコトですよね。
 最悪ですね。
 今更民主党の最悪さを再確認したところで最悪から最悪にしかならないワケですが、それにしても相変わらず民主党は最悪です。
 いまでこそ民主党はぼろぼろに言われますが、しかしそれでも野党第一党の勢力を保っているのは、それは他でも無い国民自身の意思によるモノなのですから、その意思をシッカリと国政や法案に反映させてこそ、民主党に投票した人の気持ちを大切にするコトになるハズなのに、それすら裏切っている行為だと言えるでしょう。
 この例を見るまでも無く、民主党という政党は選挙を自分たちの権力ゲームのコマとしてしか見てないんでしょうね。
 
 国会の仕組みそのものについてはあまり報道されませんので、意識したコトない人の方が多いかもしれませんが、修正協議してより多くの政党が賛成に回る法案というモノにはどのような意味があるのかってコトは、ちょっと考えてもらいたいと思います。
 マスコミなんかはすぐ野合とか談合とかレッテルで批判罵倒しようとしかしないですからね。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、より多くの政党が賛成する法案を応援しています。