米軍撤退を主張するなら憲法改正が先

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 沖縄2議員、辺野古容認へ 自民5人のうち4氏容認派に 残る国場氏は25日判断
 
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題で県外移設を掲げる沖縄県選出(衆院比例九州選出を含む)の自民党衆院議員3人のうち宮崎政久、比嘉奈津美両氏は24日、名護市辺野古への移設を容認する方針を決めた。
 宮崎氏は宜野湾市内で記者会見し、「普天間の固定化を回避するためには辺野古移設を含めいかなる選択肢も排除しない。返還をより早めるよう党本部に求めていく」と表明した。
 沖縄県を地盤とする自民党国会議員5人のうち、西銘恒三郎衆院議員と島尻安伊子参院議員は辺野古移設容認に転じている。
 宮崎、比嘉両氏は、24日午前の段階で、地元支援者らへの説明を経て辺野古容認へ転換を決断した。
 残る国場幸之助氏は、同日午前、那覇市内で仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事と極秘に会談。その後、那覇市議団と協議したが、辺野古容認に転換するには市議団とのさらなる調整が必要だとして結論を先送りした。25日に最終判断する。

 
 記事自体は自民党内部のお話ですが、やはり考えるべきは「現実的な米軍問題」でしょう。
 結局ルーピー鳩山総理のトラストミーから端を発してゴチャゴチャになった沖縄米軍基地再編問題は、いまのところ「県外か県内か」という二者択一でしか問題を語れなくなってしまっています。
 しかしこれ本来はおかしいんですね。
 そんなのは基地問題だけに限らす全ての現実的問題がそうで、世の中選択肢が2つしか無い問題なんてありはしません。
 この沖縄米軍問題だって、本来考えるべきは県外が県内かではなく、もっと広く多角的な視点で考えるべきなのです。
 
 根本的な問題として、なぜ米軍が日本にいるのかと言えば、それは日本の防衛のためです。
 日米安保同盟を根拠に、自衛隊が軍隊として100%実力を発揮できないので、その代わりを米軍に補ってもらっているワケです。
 もちろんアメリカにはアメリカの思惑や国益があって沖縄に軍隊を置いています。
 それは当たり前です。
 そもそも100%一方的な善意なんてモノを信じる方が間違いであって、お互いに利益があるからこそ同盟が成し得るのであって、米軍が沖縄に駐留しているのはアメリカの利益であると同時に日本の利益でもあるワケです。
 つまりですよ、米軍は日本を守るコトが利益につながるから沖縄に駐留しているという、現実的な事実をこの問題を考える上では、これをまず認識しなければなりません。
 アメリカにとっても沖縄に軍隊を駐留させるコトは利益なのです。
 アメリカにとっても日本にとっても、お互いにとって利益だと考えているからこその同盟であり、沖縄駐留なのです。
 ですからたまに、沖縄は米軍に占領しているかのように言う人がいますが、こんなコト言う人は、この問題を考える上では問題外だと言わざるを得ません。
 
 逆に言えば、アメリカは日本を守りたいと思っているからこそ、沖縄の米軍全面撤退はしないワケです。
 繰り返しますが、アメリカの意思の100%全てが日本の利益のためではありません。
 100%善意でなければ受け取ってはならないと考えるのはあまりにも幼稚であり、アメリカはアメリカの利益を追求した上で日本を守りたいと思っているワケです。
 そしてそれは地政学的な意味も大きいんですね。
 沖縄という場所が、様々な意味でまず日本やアメリカを守る上での最前線として最適であるという現実的な意味合いがあるからこそ、アメリカはやはり沖縄に米軍を置きたいと願っているワケです。
 そうでなければ「出て行け」と言われた瞬間にさっさと出て行きますよ。
 でもいろいろ言われながらも沖縄に駐留し続けているのは、もちろん公的には日本もお願いしているというのもありますけど、当然としてアメリカも利益があると感じているからこそ沖縄にいるのです。
 沖縄米軍基地問題を考える上では、この辺の「現実的事情」をまずは念頭に置かなければなりません。
 
 この前提条件をシッカリと考えるのであれば、では本当に米軍全てを沖縄から出てもらうためには、最低限何をしなければならないのかという課題は、すぐに出てくるでしょう。
 日本が最低限何をしなければならないのか、つまりは日本だけでいまの沖縄在留米軍と同じ「力」を持った上で駐留するコトが最低条件でしょう。
 簡単なコトです。
 いまそれだけの力をもった軍隊が必要だと判断しているからこそ沖縄にそれだけの軍隊が駐留しているワケで、その軍隊に出て行けと言うのであれば、では自前で今の米軍と同等の力を持った軍隊がいるコトが必要条件ですよね。
 そんなに難しい発想ではないハズです。
 アメリカだって日本や沖縄を中国などからの脅威に備える前線防衛圏にしたいという思惑はあるでしょうから、本当にアメリカが沖縄から全面撤退するというコトになるのであれば、アメリカに「日本はこれだけの防衛力がある」というコトを証明し、そして日本軍が米軍と同じような働きができるコトを示すコトが最低条件でしょう。
 そうしなければアメリカはアメリカで国益を守れなくなるのですからね。
 
 と、こう丁寧にひとつひとつ考えれば、では「米軍の沖縄からの撤退」を実現するのはどうするのかと考えれば、やはり現法改正は必要不可欠だというコトが分かるでしょう。
 なぜ自衛隊が軍隊として100%力が発揮できないのかと言えば、それは憲法が自衛隊を縛っているからです。
 よって「米軍の沖縄からの撤退」を実現したければ、憲法改正を目指さなければならないのです。
 そしてその自衛隊を縛っている鎖を断ち切った上で、沖縄に自衛隊を増員して、徐々に日本で守れるコト示していく、っていうのが、「県外移設」の最も現実的な方法論ではないのでしょうか。
 
 一番の問題は、マスコミも沖縄の地元の人や関係者や支援者などの人たちが、これらの現実を見ようとせず、ただただ県外県外と叫んでいるだけの現状がずっと続いているっていうコトでしょう。
 この問題というのは、沖縄米軍をどうするかの問題であり、それは同時に国防をどうするのかという問題です。
 ですから、どうしても米軍を県外に移設したいのであれば、現実に横たわっているひとつひとつの問題を丁寧に見据えた上で、それをどう完結するのか、やはり現実的に考えなければならないのです。
 つまり最終的には憲法の改正が必要不可欠なワケですが、しかしマスコミや関係者はこれを言っている人が果たしてどれぐらいいると言えるでしょうか。
 「米軍は日本には必要ない」と言うのであれば、それを現実的に達成するためには何が必要なのかというコトも併せて主張しなければならないハズです。
 よって「日本は憲法を改正し自主防衛力を今以上に上げて米軍と同レベルにするから、その際には米軍にはお帰りいただきたいぞー」と主張するのであれば、一定の筋は通している論と言えるでしょう。
 でも果たしていま、こう言っている人ってどれぐらいいるのでしょうか。
 残念ながらやえは寡聞にして聞いたコトがありません。
 これってやっぱり無責任ですよ。
 現実の問題考えるのであれば、キチンと現実を見据えた対応策を考えなければならないハズです。
 
 
 バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳は、日本の国防のための憲法改正を応援しています。