少子化は国民の責任では?

2014年6月11日

 移民問題について言っておきたいコトがあります。
 この問題の責任がもっとも大きいのは誰でもない国民自身ではないのですか、とやえは強く思うのです。
 移民を促進しようとすると政府などを批判する人がけっこういるワケですが、それは明らかに筋違いではないのでしょうかす。
 
 移民の是非はともかくとして、ではなぜ移民を導入しなければならない状態になっているのかと言えば、それは人口が減少しているからです。
 簡単な理屈ですよね。
 もし人口が増えまくっている状態であれば、移民なんて検討すら出てこないお話です。
 つまり移民の原因は人口減少であり、つまり少子化にあるワケですよね。
 
 では少子化は誰に責任があるのかと言えば、それは国民でしょう。
 だって子供を産む産まないの選択は、誰でも無い、個人個人ひとり…いえ夫婦ふたりの判断であって決断じゃないですか。
 少なくとも日本において、この決断に他者が介入する余地(親とはともかく)はありません。
 そしてその結果として現在のような少子社会になったのですから、これはどこからどこまでも国民の責任ですよ。
 
 よく「現代は子供を産みにくい、育てにくい社会だ」なんて言う人がいますし、もっと言う人は「政府が子供を産みやすい社会にしないから悪いんだ」という人もいます。
 しかしやえはこの論に与しません。
 なぜなら、政治によって出生率が変わるのであれば、政情不安定な国こそが少子化にならなければならないハズですが、世界を見渡すと決してそうではないからです。
 中国のような基本的人権すら国家の統制下にあるような国家が一大プロジェクトとして一人っ子政策をしたっていうのでしたらさすがに別のお話になりますが、結婚も出産も個人の自由として権利として認められている自由主義社会において、出生率などを国家の責任に転嫁するのは無理筋すぎるでしょう。
 政府に子供を産みやすい育てやすい社会制度をするなとは決して言いませんが、しかし最後に責任を持って決断するのは誰でも無い国民自身であって、その決断そのものを他人には絶対に転嫁出来ないってコトを言いたいのです。
 
 やえは決して「国家のために子供を産め」とは言いませんし、子供がいない人が悪いと言うつもりもありません。
 結構こういうコトを言うと、産みたくても産めない人もいるのにひどいコトを言うなって言われるコトもあるのですが、そんなコトは言ってないんですね。
 子供を産めない人は過去にも一定数いるワケで、その中において全体として国家の中で人口が増えたり減ったりしているのであり、それらはすべて「全体としての国民の決断」によって成されてきたワケです。
 ですから産めない人個人を責めるつもりはありませんし、子供を産まない、結婚しないという決断をした人だけに責任を追及するつもりもありません。
 それは個人の自由です。
 自由主義国家である以上、それは尊重されるべきです。
 
 しかしだからこそ、個人として尊重されるからこそ、少子化は国民の全体としての、まさしく民主主義の「国民国家としての責任」じゃないですかってお話なんですね。
 
 少なくとも、国家や政府に少子化の責任を負わせるのは無理筋ですよ。
 移民政策をもって政府批判する人がいますが、それは矛先が違うんじゃないですか、政府批判は無理筋ですよってコトが言いたいのです。
 国民自身の決断によって少子化が成されてきたのにも関わらず、その対策としての一案である移民政策を批判するっていうのは、それが単純に政策批判であるならまだしも、政府批判や政治か批判にまでつなげてしまうのは、あまりにも無責任すぎるじゃないですか。
 国民自身の判断によって少子化になったのですから、この問題をどうするのかっていうのも全て国民の責任において考えるべきでしょう。
 それなのに国家だけ悪い政府だけが悪いかのように言うのは、あまりにも無責任すぎます。
 「移民を推進する奴は売国奴だ」まで言う人もいますが、しかしその原因を作ったのはアナタも含めた国民ですよってコトをまずは正面から受け止めるべきでしょう。
 移民政策の可能性を口にするだけで悪魔かのように罵倒するのは、完全な責任転嫁と言うしかありません。
 
 なぜ少子化になったのかという問題は難しい問題です。
 もしかしたらマスコミが煽ったせいかもしれませんし、日教組による教育のせいかもしれません。
 でもどうだったとしても、それらは全て結局は国民一人ひとりの決断の結果であって、最後の責任は国民にあります。
 政府や政治家はあくまでそのひとつの対案として移民政策も議論されるでしょう。
 それがイヤならイヤと言う権利はもちろん国民にありますが、ただそれをもって政府批判・政治家批判するのは責任転嫁ですよってお話です。
 少子化と移民、これは国民自身の手によって解決されるべき問題です。
 政府を批判していれば、いつまでたっても政府に責任を押しつけるのが当然のような感覚になって、しかしそれでは解決はしないでしょう。
 少子化は政府や政治家のせいでは決してなく、国民自身の責任だからです。
 少子化から起因する全ての問題は、まず国民自身の責任によってこうなっているという事実をまず国民が受け止めなければなりません。
 この問題は、政府や政治家を批判してそれで終わりではなく、少子化を日本としてどう考えていくのか全ての国民が自分の問題として考えなければならない問題なのです。