少子化は国民の責任では? 2

2014年6月11日

 前回の更新「少子化は国民の責任では?」についてたくさんコメントをいただきました。
 もう一度、やえが言いたい論点を提示しておきましょう。
 
 やえは、「少子化とそれに関する問題については全て『国民の問題』であり『国民の責任』であって、それを他者に押しつけるコトはできない」というコトを今回一番の問題にしています。
 もっと言えば、移民政策の是非は本題ではないのです。
 
 この問題を考えるとき、「誰の問題なのか」という当事者意識の居所が、この問題では一番大切です。
 やもすれば、「自分たちには一切関係ないところの政府と(左翼思想にまみれた)政治家が、日本を破壊するために移民政策を推進しているんだ」なんて言ってしまっている人が少なくないワケですが、これは完全に無責任な発言なんですね。
 なぜなら、当事者意識がないからです。
 移民問題、少子化の問題は、誰でも無い国民自身が選択した結果としていま存在してしまっている問題です。
 それなのに、他者が他者だけの都合でその政策を押しつけられているんだっていう被害者意識を持つっていうのは、大変に無責任な姿勢ではないのですかっていうコトが、今回の更新で一番言いたいところなんですね。
 
 こういう姿勢っていうのは、少子化問題は顕著ですが、なにもこれだけじゃありません。
 最たるモノで言えば、選挙の結果なんていうのはまさにそうでしょう。
 民主党政権時に大変ひどい施策が乱発されましたが、しかし民主党政権を誕生させたのは誰でも無い国民自身であって、民主党政権の政策を批判するのはいいとしても、政権の誕生や存在そのものを他者のせいにするっていうのはやっぱり筋違いですよね。
 例え選挙の際に民主党に投票していなかったとしても、最後の最後は全体としての国民の責任として受け止められない責任だったワケです。
 「あの時は自民党政権が情けなすぎたから民主党に入れたのは仕方なかった」なんて言ってる人もいますが、こういう言い方というのが一番無責任なワケです。
 少子化にしても選挙の結果にしても、全体としての国民の選択の結果としていまがあり、それに対するにもまずは国民自身が自分の問題として当事者意識を持ってあたらなければならないっていうのが、一番大切で基本的な考え方なのです。
 
 ですからやえは前回「国民自身の決断によって少子化が成されてきたのにも関わらず、その対策としての一案である移民政策を批判するっていうのは、それが単純に政策批判であるならまだしも、政府批判や政治か批判にまでつなげてしまうのは、あまりにも無責任すぎるじゃないですか」と言ってるんですね。
 単に移民問題だけを単純に政策論議として議論するならまだいいんですよ。
 ただそれはあくまで当事者意識のもと、自分自身の問題として考えなければならないってコトを、まずは最初に強く言っておきたいのです。
 
 いろいろとコメントを頂きました。
 「女性の高学歴化が原因かもしれない」という意見もありましたが、それはある面正しいのかもしれません。
 ただそれが原因だとしても、でも高学歴になると生物的に子供が産めなくなるっていうワケではないのですから、やっぱり最終的には個人個人の選択の結果です。
 高学歴の女性が全て出産しないっていうのでしたらまだしも、最終的にはその個人の選択によって産む産まないを決めている以上は、やっぱり「国民の選択」なんですよ。
 ここから目をそらしたらダメですよ。
 もちろん「どう改善すべきか」っていうのはこの「女性の高学歴化」という面を考える必要があるのかもしれません、そういう視点で今後のコトを考えていくコトは大切なコトだと思いますが、しかしそれも結局は「自分たちの問題」として考えるべきです。
 もしこれを「政府が女性の社会進出を後押ししたせいだ」なんて言うのであれば、それはもう無責任としか言いようがないでしょう。
 やえが今回強く言いたいのは、ここの違いなんですね。
 
 移民と一言で言っても、方法としてはかなり多くの種類があるでしょう。
 変なお話、日本はずーっと鎖国してきたワケではなく、時に外国人の知恵を借りながら発展してきたっていうのも歴史的事実です。
 ですから移民政策と言ってもその中身について個別具体的に考える必要はあろうかと思いますが、ただひとつ問題意識を持たなければならないのは、やはり「現状では少子化が改善する見込みが一切無い」という事実でしょう。
 「本当に移民を導入しなければならない状態になっていますか?」というコメントも頂いたのですが、確かにいまはまだ積極的な移民を受け入れなくても国家は成り立つ状態ではあるとは思います。
 さらに言えば、例えば10年後に必ず少子化が改善されると分かっているのであれば、いま移民政策を推進する必要は確かに無いでしょう。
 しかし残念ながら、いま少子化が将来に向けても改善する見込みなんて一切ありませんよね。
 むしろ悪くなる推計しかたてられないのが現状です。
 そういう事実を前にして、決してやえも移民だけが唯一の解決法だとは全く言いませんが、ただ少子化問題に対する対策は今しなくてもいいって言ってしまうのは、それはただの問題の先送りであって、褒められた姿勢ではないのではないのでしょうか。
 むしろ問題があるコトが分かっているのですから、早め早めの対策を打つっていうのは正しい姿勢だと思います。
 
 少子化問題と移民問題について議論が盛んになるのは良いコトだと思います。
 やえも、移民以外の方法で少子化が解決されるなら、それに越したコトはないと思っています。
 ですからこれから「自分のコト」としてこの問題を多くの人に考えてもらいたいのです。