自称「イスラム国」とやらに対する基本的な認識 (1)

 何回かに分けて、自称「イスラム国」と名乗っているテロリズム集団について、どうも思ったより間違った認識を持ってしまっている人が少なくないような気がしましたので、基本的な部分について一言言っておこうと思います。
 
 まず大前提ですが、「イスラム国」とやらは国家ではありません。
 どうも実効支配している地域があるようですが、あそこには元々正式な国家があるワケで、そこをイスラム国とやらが暴力を持って不法占拠しているだけに過ぎないんですね。
 ですからイスラム国とやらは現在進行形でテロリストでしかなく、もっと言えば「犯罪者集団」でしかないワケです。
 よってやえは以前からずっとイスラム国「とやら」と付けてきたワケですが、どうもこの国という言葉に惑わされて、イスラム国を以前からある国家と勘違いしている人がそれなりにいる気がしてなりません。
 しかしまずはここをキチンと理解する必要があります。
 イスラム国とやらは国家ではなく暴力だけで不法占拠を初めとして殺人や脅迫や他人への支配を行っている、ただの犯罪者集団でしかないのです。
 
 よってイスラム国とやらは現在の国際社会全体の敵なのです。
 
 これは本来地域性や宗教性などとは一切関係のないお話です。
 例えるならオウム真理教がとある地域に独立国家のようなモノを作り、武装した上で警察すら立ち入りを許さず、さらに周辺の人々を誘拐したり殺害したりして金や政治的要求を多くの国に脅迫して、利益を上げているようなモノなんですね。
 そしてこういう集団に対して、日本はイスラム教とは言い関係を築いているから中立を保つべきだとか言う意見というのは、まったく素っ頓狂な的外れにも程がある意見でしかないと言うしかないでしょう。
 ではオウムに対して仏教やヒンズー教と結びつけて、日本は仏教国なんだから刺激するなとか言いますか?
 イスラム国とやらはただの犯罪集団でしかないという基本的な事実を忘れてはいけません。
 
 まずこの基本的な事実をシッカリと認識すべきです。
 そしてこの基本的な事実を認識すれば、イスラム国とやらの行う行為に対しての基本的スタンスが見えてきます。
 
 簡単なお話で、イスラム国とやらは犯罪者集団なんですから、その主張に1ミリも正当性はないのです。
 当たり前ですが、暴力を持って不法占拠している地域で、他人を誘拐し、その命をもって脅迫材料とし、最後には殺してしまうなんていう行為は、1から100までその犯罪者の罪でしかありません。
 それ以外に責められるべき人は存在しません。
 イスラム国とやらの構図はオウム真理教とよく似ているので繰り返し例示に出しますが、例えば「オウムの要求に従わなかったから拉致されて殺害されたんだ」とか「オウムを選挙で当選させなかったからサリンを撒かれて多くの人が死んでしまったんだ」とか言いますか?
 また例えばちょっと前の爪楊枝を商品に入れたとかネットで動画を公開して逃亡して捕まった輩も「少年法の改正のためにやった」とか言っているようですが、それをもって「少年法を改正しないからこんなコトをしてしまったんだ」とか言いますか?
 犯罪者は所詮犯罪者です。
 自分勝手な我が儘な行為を押し通すために犯罪という手段を用いるのですから、その主張に耳を傾けるほど無意味なコトはない、いえその手段を認めないためにも、耳を傾けるコトすら害悪とすら言えてしまうでしょう。
 
 イスラム国とやらは国際社会全体の敵です。
 イスラム国とやらは暴力を持って既存国の一部を支配下に置き、またそれだけならまだしも(?)、その支配地域と暴力を背景に、誘拐・脅迫・殺人などを繰り返して、自らの利益を貪っているのです。
 こういう組織に対して、少なくとも法治国家として国際社会の一員であるコトを自認する国家がこれを国際社会の敵と言わずしてどうするのでしょうか。
 さらに言えば、日本ほど外国と連携しなければ成り立たない国もないのですから、だからこそ先進国としてやっていけている(これは他の先進国も同じですが)のですから、自分だけしらん振りするっていうのは無責任でしょう。
 ここに地域性や宗教問題などは一切関係ありません。
 まずはこの基本的な認識をシッカリと持たなければならないハズです。
 
 
 (つづく)