マスコミは報道の自由を守りたいのか、それともただ政権批判がしたいだけなのか

 邦人人質事件の件で、なぜここまでマスコミが国民にそっぽを向かれたのか、マスコミは未だその理由が分かっていないのでしょう。
 おそらくただ「報道の自由が大切だ」とか「それが一般国民には分からないから仕方ない」とか、そんな程度にしか思っていないのかもしれませんが、それは大きな勘違いです。
 なぜマスコミは国民にそっぽを向かれているのか、それはマスコミ自身の間違った言動が一番の原因なのです。
 
 勘違いしてはいけないのが、国民が何を怒っているのかと言えば、決して「ジャーナリストが政府の言うコトを聞かなかった」からではないんですね。
 政府に楯突くヤツはけしからんヤツだ、なんて理由で国民が怒っているワケではないのです。
 では何に怒っていたのか、何が自己責任なのかと言えば、それは「他人に迷惑をかけたから」なんですね。
 自己責任という言葉は、まさにそういう意味です。
 すなわち、自分の責任と決断で危険な地に赴いたのだから、その地で危険な目に会っても自分だけで解決しろ、っていうのが自己責任論の根本的な考え方です。
 それなのに、これは人質本人の意思がどうだったかはともかく、結果としてはテロリストからの恫喝という政府や一般国民まで巻き込んでしまったコトは確かであり、これに対して国民は「自分勝手に行っておいて、さらに我々まで巻き込むなんてどういうコトなのか」という怒りを持っているワケなのです。
 
 ですから、マスコミが「他人を巻き込んだ」という点を無視して、ただただジャーナリストの行動は自由だ自由だと言ってしまっても、それは火に油を注ぐ結果にしかなりません。
 だって言わば「報道の自由に比べれば、お前らが迷惑を被るなんてどうでもいい」と言ってるようなモノなのですからね。
 ただでさえ現在進行形で迷惑を被っているのに、さらに上から目線でマスコミにこんなコト言われて、テロリストの仲間以外の誰が納得するのですかってお話なのです。
 
 よって本当にマスコミが報道の自由というモノを大切にしたいのであれば、むしろそれを行うマスコミの方から「報道の自由のために他人に迷惑をかけない方法を採らなければならなかった」と言わなければならなかったハズなのです。
 だってそうしてこそ、国民も納得できる形で、誰にも邪魔されない形で報道の自由が担保されるのですから。
 むしろマスコミは今回の拘束されたジャーナリストに対して、他人に迷惑をかける形になった取材方法は二流三流でお話になりません、ぐらい言うべきだったのではないのでしょうか。
 
 しかしこれを言わないマスコミは、結局本気で報道の自由というモノを守ろうとしているのかどうか疑わしいとしか言いようがありません。
 自らこそが自由を守らずして他人に守ってもらおうなんて、そんな虫のいいお話は転がっていません。
 マスコミが報道の自由が大切と言うのであれば、マスコミこそがそれを積極的に守っていくべきなのです。
 それに対する今回のマスコミの反応。
 結局ここからも、つまりマスコミは、報道の自由なんていうのはただの言い訳でしかなく、単に政権批判したいだけなんでしょうと結論づけるしかないのです。