第三次安倍第二次改造内閣発足

 報道されていますように、第三次安倍第二次改造内閣が発足しました。
 今日はこちらの内閣改造について、ちょっとした解説を入れておこうと思います。
 
 まず内閣の名前について説明しておきましょう。
 現在は第三次内閣ですが、これは第一次安倍内閣は小泉内閣の後の内閣を指しますので、自民党が野党から復帰した時に発足した内閣が第二次安倍内閣と呼称します。
 その後、衆議院選挙があったので第三次安倍内閣となり、さらに一度改造を行い第三次安倍改造内閣となって昨日まで来ていたところ、本日さらに改造が行われたので「第三次安倍第二次改造内閣」となったんですね。
 ですから例えばこのまま衆議院選挙がないままもう一度改造を行うと「第三次安倍第三次改造内閣」と呼ばれるコトになります。
 まぁちょっとした豆知識です(笑)
 
 さて新内閣の陣容を見てみましょう。
 
 色々言われましたが、結局のところ主要閣僚というか、行政の要の部分はほぼ留任という形になりました。
 すなわち、麻生副総理兼財務大臣、菅内閣官房長官、そして岸田外務大臣ですね。
 岸田外務大臣については自民党幹事長という見方もあり、フジテレビが大誤報もしたようですが、結局ロシア問題などの継続の任に当たるため、岸田さんが留任となりました。
 
 また重要閣僚としては、稲田朋美さんが新たに防衛大臣に就任されました。
 稲田大臣、衆議院議員としては4期と期数はそんなに多くはないのですが、第二次安倍内閣発足時から安倍総理に重用され続け、ついに防衛大臣です。
 稲田大臣と言えば保守派の姫として有名ですが、防衛大臣という立場で靖国神社に参拝するのか、諸外国の反応はどうなのか、色々と気になるところです。
 
 今回での初入閣は8人です。
 スライドも含めると新たな大臣は12人ですから、本来ならなかなかの大規模改造とは言えるのですが、やはり中核は変わらないのと、稲田さんや世耕さんをはじめ、元々政権中枢にいた人のスライドもあり、あまりガラッと変わったという感じは受けないですね。
 新内閣の一番の目玉はやはり稲田防衛大臣ですが、五輪担当大臣にスライドした丸川前環境大臣が、多少の注目点かなとは思っています。
 つまり安倍総理からの小池新都知事へのメッセージではないかと。
 丸川さんは選挙区が東京で、つまり都連所属の女性議員としてもマスコミ人としても小池さんの後輩に当たるワケですから、五輪開催に向けて政府と東京都の連携を図るという意味のメッセージではないでしょうか。
 
 ところで、内閣の方はまぁ無難な感じですが、自民党の役員はビックリしました。
 正直やえは幹事長は岸田さんだと思ってたんですけど、まさかの二階さんとなりました。
 報道などによると、官邸としては谷垣さん続投を強く望んでいたようですが、おそらく谷垣さん、かなり容態が良くないのでしょう。
 というワケで、総務会長を務めていた二階さんが幹事長にスライドとなりました。
 
 なぜ意外かと言えば、やはり二階さんは今時珍しい豪腕タイプの政治家ですから、幹事長という党内で強い権限を持つポストに就けたら、その豪腕ぶりが止められなくなるのではないかと危惧するからです。
 俗な言い方をすれば、安倍総裁にしても寝首をかかれかねないと思うんですね。
 もちろん安倍さんもそれは承知のコトなのでしょう、その上でしかし安倍総理に対しては常に従順な態度を見せ続けていてる二階さんを、むしろその豪腕でもって党内を制してもらおうという人事なんだと思われます。
 特に安倍さんとしては、自民党総裁の任期の延長という大野望がありますから、二階幹事長というのはその布石なのではないのでしょうか。
 それが成功するかどうか、これからの注目点です。
 
 最後に派閥単位で見てみましょう。
 閣僚だけで選出派閥を数えると、細田派4人・額賀派2人・岸田派2人・麻生派2人・二階派2人・石破派1人・石原派1人・山東派0人・谷垣グループ1人、無派閥3人・公明党1人(安倍総理を除く)となっています。
 しかしこれに自民党副総裁と四役を加えると、細田派5人・額賀派3人・二階派3人・山東派1人となる上に、新しい選挙対策委員長の古屋圭司さんは今でこそ無派閥ですが元々二階派で、今でも二階さんと強いつながりがあると言われていますから、今回の人事では二階さんの強い影響力が見て取れます。
 やはりここでも二階さんの豪腕ぶりが見て取れるワケです。
 
 また、意外なのが石破派から1人閣僚が出ているコトです。
 石破さん本人が閣僚を固持したコトで、石破派は完全非主流派になるのかと思われましたが、一人閣僚が出たコトで、安倍さんのギリギリのバランスを取ろうという意図が見て取れます。
 また、二階派が突出したせいか、岸田派と麻生派が多少割を食った感じになっています。
 麻生財務大臣・岸田外務大臣と最重要閣僚を占めているとは言え、第二次安倍内閣からの引き続きですから、やっぱりちょっと物足りないと言わざるを得ないでしょう。
 
 とりあえず、第三次安倍第二次改造内閣の陣容はこんな感じです。
 この内閣であとどれだけ続けるのか、そしてこの内閣で何をするのかが注目となります。
 例えば次の選挙という目線で考えても、解散自体がが安倍さんが憲法改正に手を付けるかどうかでかなり変わってきますから、安倍総裁のあと2年の任期の間でどうなるのか、予想が付きません。
 この内閣は「憲法改正」と「総裁任期延長」が、今後2年でのキーワードとなるでしょう。
 さてどうなるでしょうか。