なぜTPPなのか? 個別対応ではだめなのか?

2012年4月15日

 さて。
 本日の衆議院並びに参議院の予算委員会におきまして、TPPの集中審議が行われました。
 やえも、自民党の先生方の質問を中心にザッと見たのですが、なんですかね、やっぱり結局「なぜTPPに参加するのか」という部分が全然聞こえてきませんでした。
 あるのは、他国が交渉をしているのからそれに参加すべきとか、国を開くべきだとか、結局「バスに乗り遅れるな」という抽象論しかありませんでした。
 バスに乗ればどのように具体的に国益になるのかという点こそがいま一番国民が聞きたい理由であり、TPP参加のための論拠であるハズなのに、そこは結局全然聞こえてきません。
 ここまでくれば、やっぱりそんなモノはないんじゃないかと思わざるを得ない、ただ単に周りに流されているだけ、アメリカに言われたからだけという、主体性のない総理の姿しか見えないのです。
 もしくは積極的に日本を売り渡そうとしているか、ですね。
 
 やえは思うんですが、TPPの最もダメなところって、全ての分野を一気にまとめているところだと思うのです。
 分野によってそれぞれ交渉はするみたいですが、しかしそれだったら別にTPPっていうひと括りにする必要ないですよね。
 それぞれの分野で自国に利益が出るような交渉が締結されれば、それだけで条約を結べばいいじゃないですか。
 それなのに、こっちの分野を締結したからあったの分野も合意しなければならないみたいな詐欺的な抱き合わせ販売みたいな行為をするから、話がややこしくなるんです。
 なんでひと括りにするんですかね。
 
 国によって事情が違うのは当然ですし、だからその分野の事情も国によって違うのは当然です。
 というか事情が違うからこそ国家は国家という単位で分かれているんですからね。
 ですから例えば、この分野に関してはA国と日本はwinwinの関係が築けそうだから条約を結びましょう、でも違う分野はお互いに対立させざるを得ないからやめておきましょう。
 でもでも、その分野はB国とでならお互いにwinwinになれるから、こっちの分野はB国と条約を結びましょう。
 こういう交渉って普通にあり得ますよね。
 これでいいじゃないですか。
 なんでこうしないんですか?
 個別対応でいいじゃないですか。
 
 だって関税の撤廃とか、なんか関税が存在するだけで悪かのようなイメージが付けられていますが、しかしその国にとって必要だからこそ関税はあるワケで、なんでもかんでも撤廃するのが正義みたいなのは、ただのレッテルでしかありません。
 だから、必要な分野には関税をかけますと。
 でも関税がない方が日本にとって利益になると思う部分にはかけない方向に持っていきますと。
 それで両国で、もしくは複数の国同士で合意できれば、その部分だけで条約を結びましょうとなればいいじゃないですか。
 ただそれだけのお話ではないのでしょうか。
 これでいいじゃないですか。
 なんでこうしないんですか?
 
 こういうコトについても、結局政府からも野田総理からも一切説明が無いですよね。
 国益を損なう部分があるのに、それを被ってでも利益がある部分があるからいいんだと言ってしまうのは、あまりにも乱暴な意見でしょう。
 なぜそこまでしなければならないのか、全く合理的な理由がありません。
 仮にそれが多数の利益だったとしても、少数の権利を踏みにじっていいコトには絶対にならないですよね。
 必ずにひと括りにして条約を結ばなければならないなんていう法はないんですから、個別にやればいいんです。
 それで全て解決するじゃないか。
 
 今日これから8時ぐらいに野田総理が記者会見するっていうコトのようですが、果たしてその場で野田総理は何を語るのでしょうか。
 国民にシッカリと「なぜTPPに参加するのか。参加するコトによる国益とは何か」を語っていただければいいのですが……。