よく分からない記事

2012年4月15日

 というワケで、これ月曜日に書いたモノです。
 今日はこちらの記事について簡単にコメントしたいと思います。
 

 「維新」比例近畿トップ24%…民・自ショック
 
 読売新聞社は16~18日、近畿2府4県の有権者を対象に世論調査を行い、国政進出を目指す地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)が近畿圏全域に浸透する勢いを見せていることが分かった。
 次期衆院選の比例近畿ブロックでの投票先を聞いたところ、維新に投票すると答えた人は24%とトップを占めた。近畿圏で有権者の既成政党離れが鮮明となったことは、民主、自民の2大政党に危機感を募らせ、両党の解散戦略にも大きな影響を与えそうだ。
 比例選近畿ブロックの投票先では、2位が自民党の18%。これに民主党10%、公明党5%、みんなの党と共産党各3%と続いた。
 府県別でみると、維新は地元の大阪で31%の支持を集め、2位の自民党(14%)を大きく引き離したのを始め、和歌山、滋賀、奈良でもトップに立った。京都は自民党25%、維新13%、兵庫は自民党20%、維新18%と、自民党の支持の方が多かった。民主党は2府4県すべてで維新や自民党を下回り、3位に低迷した。

 
 まさにマスコミらしい記事と言える記事です。
 やえがまずこの記事を全部読んで思ったコトは、「大阪ですら31%しかないんですか」という感想です。
 そう思いません?
 いまの世の中、維新の会以外の政党なんてあり得ないみたいな報道をしているくせに、蓋を開けてみればたった31%ですよ?
 単純な比較はまぁできませんが、内閣支持率が31%であれば風前の灯火レベルの数ですよ。
 50を超えていればおおって感じなのかもしれませんが、30台ですよ、40より29の方が近いんですよ。
 そう考えれば、この数字を目の当たりにした時の分析としては「案外大阪の人も冷めているんじゃないか」という分析なのではないでしょうか。
 
 それなのにこの記事のタイトルは「民・自ショック」ですよ。
 意味が分かりません。
 民主党はまだしも、自民党なんて記事にもありますように京都と兵庫では維新すら押さえてトップですよ。
 しかもしかも京都なんて「自民党25%、維新13%」ですよ?
 京都の民主の支持率が知りたいところですが、ここまで大差を付けているというのは、むしろ自民党は自信を持っていい数字と言えるのではないのでしょうか。
 
 このマスコミの姑息なやり方というかですね、いくらデータがあったとしても、それを一切無視して記事を作り、そして一番目立つタイトルで印象操作しようとしているワケです。
 しかも記事の中に円グラフを使っていますが、こちらは「どこに投票しますか」のグラフではなく、期待するかしないかの二択のグラフです。
 こんな適当な質問をする意味も分からないワケですし、投票先の数を差し置いて大きく載せる意味も分からないワケですし、まったくもって印象操作だけの意味しかないと言わざるを得ません。
 この記者も多分思ったより維新の会の支持率が低くて焦ったんでしょうね。
 こうやって世論をなんとか操作しようとしているワケです。
 本当に卑怯です。
 
 さらに言いたいコトが2点あります。
 まず1点目は、この調査は近畿地方だけの調査というコトですが、都道府県別の有効回答者数はちゃんと一律で揃っているかどうかという点が明らかになっていないというコトです。
 いつも支持率の記事になるとその調査方法に疑問を持たざるを得ないところなのですが、特にですね、例えば今回のこの調査では、大阪での回答数が多ければ当然全体として維新の数字が大きくなるのは当然ですよね。
 だから実は都道府県別でキッチリと有効回答数を揃えれば、全体としての維新の会の31%という支持率も実際はもっと低くい可能性だってあるワケです。
 そもそもどういう方法で何人に聞いたのかすら載っていない記事ですが、本当にこんなモノが公的な性格を持つ新聞紙に載って一定の影響力が出てしまうという点で、様々な意味でデタラメだと言うしかないのではないでしょうか。
 
 もう1点は、民主党の支持率が10%しかないという結果ですが、これは全国のいつもの支持率調査からして低すぎると言えるでしょう。
 なかなか10%っていうのは見たコトないですよ。
 でもこれって多分、生の数字だと思うんですね。
 例えば選挙の際の出口調査の時は「実際に投票先を聞いた結果に、取材によって得られた情勢を加味した結果」とキチンと言うのですが、このようにマスコミの調査結果とは、そのマスコミの独自の評価が加えられているんですね。
 よくこれを「下駄を履かせる」なんて言います。
 だから普段の支持率調査も下駄を履かせていると思われるワケですが、今回のこの調査はそれが無い、生の数字なんだろうと予想されます。
 じゃないと10%なんて数字は出てきませんよ。
 実際のところはこんな程度でしょう。
 民主に対する支持率も、そして維新の会に対する支持率も、実際はこのぐらいのモノではないでしょうか。
 やえが肌で感じる感覚でも、これぐらいな気がしますね。
 
 そもそもですよ、維新の会は候補者すらまだ全然決まっていないのに、政党の名前だけで比べるっていう行為がどうかと思うんですよね。
 政治家は人ですよ。
 政治は人そのものです。
 政策はもちろん大切ですが、しかしそれも「誰が言うのか」こそが大切であり、それは日本国民は痛い目を見て身をもって学んだハズです。
 いまさら鳩山由紀夫元総理が「沖縄米軍基地問題を解決する」と言ったとしてもそれを信用できますか?
 こういうコトです。
 
 というワケで、マスコミの印象操作にはひっかからないようにしましょうといういつも通りのまとめです。