もはや社としての体を成していない朝日新聞

2012年4月15日

 今日は別の話題をしようと思っていたのですが、あまりにもあまりになので、今日もごめんなさい、昨日の枝野大臣委員会退場問題についてひとこと言わせてください。
 この記事です。
 

 枝野氏、不毛な退場劇 参院予算委、答弁巡り2時間半
 
 枝野氏が反論したのは、原発問題などの集中審議で出席を求められていたのに、自民党の岩城光英氏が「要求していない」と枝野氏の答弁を拒んだため。その後に別の自民党議員が「枝野大臣に聞くつもりだった」と経産副大臣に質問するなど、不毛な退場劇となった。
 (念のため魚拓も取っておきました

 
 出ました、「どっちもどっち論」。
 民主党がいくらデタラメをしても、なぜか自民党を持ち出して不当に貶め、「どっちもどっちだ」と言って相対的に民主党を持ち上げる太鼓の持ち方です。
 それはいつも通りと言えばいつも通りなんですが、しかしこの記事が悪質なのは、平然とウソを付いている点です。
 ウソというか、この場面では関係のない事実を持ち出して、結果的に事実とは違う方向に誘導しているんですね。
 
 昨日言いましたように、国会の委員会における大臣等の出席要求と、質問の内容によって答弁者を事前に指定するシステムとは、厳密には別モノです。
 詳しくは昨日の更新を読んでいただければと思いますが、つまりですねこの記事の「原発問題などの集中審議で出席を求められていたのに」というのは確かに事実ではあるのですが、問題となったあの場面ではこの事実は直接関係はないのです。
 記事は「その後に別の自民党議員が「枝野大臣に聞くつもりだった」と経産副大臣に質問するなど、不毛な退場劇となった」と書いていますが、それは別に変なコトでも、枝野大臣の退場劇が不毛でもなんでもありません。
 退場となったあの場面では枝野大臣は答弁要求が事前登録として無かった、つまり本来挙手するのが間違いだったワケで、それと「その後に別の自民党議員が「枝野大臣に聞くつもりだった」」というのは一切矛盾しません。
 関係のないお話です。
 
 それなのに直接関係のない別の時間軸の問題を持ち出して、それを当てはめて批判するなど、いわば「事後法」的な卑怯なやり方としか言いようがありません。
 本当に朝日新聞は汚いです。
 
 だいたいですね、むしろ別の人が枝野大臣に質問するハズだった、それは枝野大臣本人も分かっていたのに「出て行っていいのか」と退席を要求したコトこそが、国益を失わせる行為です。
 そのせいでまともな議論が出来なくなってしまったのですからね。
 こんなの「自分がいなくなったら困るだろう」と立場を勘違いして上から目線で偉そうに高圧的に審議を妨害しようという気持ちまんまんじゃないですかと。
 「仕方ないから委員会に出てやっているんだ」と、そう思っていなければこんなセリフは出てきません。
 つまり枝野本人は、真摯に審議しよう議論しようという気ははじめからゼロだったというコトです。
 野党が要求するから仕方ないから付き合ってやろう、枝野大臣は常にこう思って国会に出ているワケです。
 
 ですから批判するべき相手は、退席した枝野大臣です。
 この朝日新聞はさも自民党の我が儘で枝野大臣が退席させられたと書いていますが、あまりにもメチャクチャなお話です。
 では朝日新聞に脅迫状を送りつけた結果、警察に逮捕されたとしても、それは朝日新聞が批判されるべき対象になるってコトですよね、その論法だと。
 問題の原因を作った人ではなく、罰を求めた方が悪いというのでしたら、そういうコト以外解釈が出来ません。
 よって今後いくら朝日新聞に脅迫状や鉄砲玉が送りつけられても、それで一番悪いのは朝日新聞だというコトです。
 朝日新聞自らが認めたルールです。
 
 さらにひどいのはですね、これ昨日紹介しましたようにですね、朝日新聞は自社の公式のツイッターで「枝野経産相が出席要求がないのに発言したことが理由」と認めているコトなんですね。
 

 @asahi_kantei 朝日新聞官邸クラブ
 サブA)おっしゃるとおり、参院予算委が止まった理由は、枝野経産相が出席要求がないのに発言したことが理由でした。枝野大臣が退席して再開しました。

 
 これ、書き出しがなぜ「おっしゃるとおり」となっているかと言いますと、もう朝日が消しているので参照できないのですが、初報だとその場で質問者が総理と言ったのに別の大臣が答弁したコトについての一悶着したという、国会ではよくある光景と同じような言い方をしていたからです。
 その後多くの人がツッコミが入って訂正したという経緯なんですね。
 昨日も言いましたように、答弁登録した上でその場で総理に求めたら別の大臣が答えたっていうのはよくあるお話です。
 これはルール上問題はありません、誠実ではないと思いますけどね、でもルール上は問題ありません。
 でもそうではないというのは、この朝日新聞公式ツイートがわざわざ初報のツイートを消してまで「枝野経産相が出席要求がないのに発言したことが理由」と書いたコトでもハッキリしていると言えるでしょう。
 
 それなのになんでしょうか、最初の記事は。
 官邸番の記者がシッカリと裏を取っているのに、それを全く無視して記事を書いています。
 なんなんですか?
 朝日新聞って情報の共有はしないんですか?
 朝日新聞って記者が個人単位で勝手に記事を書いているんですか?
 なんのためにそれぞれ番記者がいるんですか?
 
 だいたいですね、最初の記事を書いた記者は、記事のカテゴリーが政治になっているので政治記者だと思うのですが、それなら確実に委員会のルールを知っているハズです。
 つまり、その日の出席要求と、質問ごとの答弁者登録とは別であるってコトは、政治記者なら知っているハズのコトなのです。
 むしろここを知らなかったというのであればそっちの方がお粗末であり、朝日新聞のレベルの低さを露呈しているだけにしかならないワケで、そして知っていてやっているのであれば確信犯として、朝日新聞は胃壁で事実を事実でないように書く嘘つき新聞と言わざるを得ません。
 どちらにしても、もはや朝日新聞は新聞社として会社としての体を成していないと言うしかありません。
 
 そもそも審議をしてもらう、案の提出者が「出て行っていいのか」と怒鳴るコトが常識外れなんですよね。
 記事を書くならまずそれを前提に書かなければウソになります。
 これ簡単なお話なんですよ。
 自分の身で置き換えてみてください。
 
 例えは自分の会社で、予算書でも経費の領収書でもそういうモノを提出する時は、会計課とか会計担当者とかに持っていきますよね。
 そしたら会計課は普通それが適切かどうか審査するワケです。
 私物の領収書を持ってきていないか、会社とは関係ないモノを経費として計上していないかなど、調べますね。
 で、会計課が疑問に思ったら「ここの部分はどうなっているんですか」と聞きます。
 「これ、なんの時にどういう目的で買ったんですか?」みたいな感じです。
 もしこの際、領収書の提出者が「そんなコト言うならもう会計課にはこねぇよ」と怒鳴り散らしたらどうなるでしょうか。
 会計課としたら、「あっそ。好きにどうぞ」としかならないと思います。
 社会人としては失格中の失格の態度としか言いようがないでしょう。
 
 枝野大臣はこれをやらかしているのです。
 常識で考えたらとんでもないのです。
 これだけで内閣総辞職でもお釣りが来るくらいですよ。
 自分の会社でそんなコトしたらどうなるのか想像してみてください。
 
 そんなコトも分からない朝日新聞は、やっぱり一般的な常識的な社会における企業ではない、もはやそんな体を成していないデタラメな組織と言うしかないのでしょう。