批判するなら総理が直後に官邸にいれば何ができるのか具体的に指摘せよ
なんだか大規模災害が起こるたびにこの話題が出てきて本当にバカバカしいところですが、安倍政権の足を引っ張りたくても全く手が出なかった民主党をはじめとする一部勢力が、安倍総理が中断したとは言え広島の大豪雨に端を発する土砂災害の際にゴルフをしていたコトを批判し始めています。
もう記事を引用するのもバカらしいのでしませんが、本当にこの人達、なんとかの一つ覚えですよね。
まずですね、この問題で「災害が起きたら直後に官邸に入っていなければならない」と言う人は、その論拠をハッキリと示して欲しいのです。
なぜ官邸に入らなければならないのか、もっと言えば、災害直後に総理が官邸に入って具体的に総理は何が出来るのか、ここの点を明確に答えて欲しいのです。
これ、だれも言わないんですよね。
日本における災害対策の第一歩は、地方自治体の対応になります。
具体的に消防と警察の対応であり、それに合わせて、県職員や市町村職員の現状把握です。
これが「第一歩」です。
そして、これを踏まえた上で災害の規模が地方自治体の手に負えないと判断されれば、次に都道府県知事が自衛隊に対して出動要請を行います。
言わばこれは「第二歩」と言えるでしょう。
これが日本のシステムなんですね。
そしてここまでは、災害における総理の役割っていうモノは無いワケです。
むしろ、日本の国家の制度としてこういう役割分担をしている以上は、仮に総理が災害の現場、例えば今回は広島ですが、総理がたまたま広島市内にいたとしても、総理が県庁に乗り込んで指揮権を強奪するっていうコトをしたのであれば、それの方が問題ですし、現場を混乱させるだけで百害あって一利無しでしょう。
そもそも総理は広島県の中の人事体制や日頃の防災体制がどうなっているのかも、自分が受け持つ組織ではないので知らないワケですから、なおさらです。
政府と地方自治体は、組織的に上下関係にあるワケではなく、指揮命令権も全然別モノなのですからね。
総理に地方自治体の職員に命令を下す権限などありません。
ですから、この段階において総理に出来るコトは無いワケで、むしろ行ってはならいと言えるのです。
ちなみに知事から自衛隊の出動要請を受けた際、その出動命令を出すのは、防衛大臣以下、役人である防衛省の幹部でも出すコトができます。
よってここでも総理の出番はないんですね。
総理の出番っていうモノはこのあとです。
被害の規模によって法的な位置づけ、激甚災害指定などがあり、その辺にまでなれば総理の判断も必要になってくるでしょう。
またその先の、災害が一段落追えた後の復興という場面においてなら、ますます政府の力が必要になってくるでしょう。
大規模災害を大きく見た時に、政府や総理の力が全く必要ないとは言いません。
しかしそれは、それなりの時間が経った後、少なくとも第一歩第二歩はとうに終えた後のお話です。
第一歩第二歩の段階というのは、人命救助こそを最優先で行うべきのステージであり、それは完全に現場の行動であり、もっと言えばそれは日頃そういう訓練を受けている人だけが行えるモノであって、「現場素人」は手を出すべき場面ではないのです。
総理と言えども、現場のプロではないんですからね。
素人が下手に現場に手を出したらどうなるか、日本人はもう経験しているハズです。
そんな現状に対して、果たして民主党などの人達は、具体的に総理に何をすべきだと言うのでしょうか。
ここを具体的に指摘して欲しいんですね。
もしそれで、第一歩第二歩の段階で総理が、総理でなければできないコトがあるのでしたら、それはキチンと指摘して批判すべきコトです。
それが国益に適うコトなのですからね。
でもその指摘が出来ない、もしくは総理には具体的に出来るコトが無いのであれば、その批判は批判ではなく、ただの中傷であり誹謗だと言うしかありません。
今回の安倍総理の対応を批判するなら、キチンとこの「論拠」を明らかにしなければならないでしょう。
そういえば民主党政権の時に、かの東日本大震災が起きた際、自民党の方が政府に自分たちに出来るコトはないのかと打診すると、「政府の邪魔をするな」と自民党を足蹴にしたコトがありましたが、しかし今の方がよっぽどが「政府の邪魔」をしてませんか?
東日本大震災の時は自民党は「お手伝いできませんか?」だったのに、それを「邪魔」と言いつつ、今度の民主党は根拠も無いのに政府を批判する。
どちらが邪魔なのでしょうか。
結局東日本大震災の時は、自民党は独自に義援金や支援物資を募って、相当現地に送っていましたしね。
まさに民主党は足を引っ張るコトしかできないと自ら証明していると言えるでしょう。
誤解しないで欲しいのは、やえは決して「政府を批判するな」と言っているワケではないコトです。
違います。
批判するなら論拠を持ってしなさいって言ってるんです。
もし今回の件で、総理が数時間の間官邸に入るのが遅れたコトによって何か具体的に不具合があった、総理が出来るコトができなかったコトがあるのであれば、それはキチンと具体的に指摘して下さいって言っているのです。
もしそれが本当にあるのであれば、それを指摘するコトは国益に適うコトであり、正当な批判です。
しかし今そんな批判は皆無なんですね。
ただただ、ゴルフを初めからしなければよかった、1秒でも早く官邸に入るべきだったと、具体性の無いレッテルを貼っているだけなのです。
こんな批判は「邪魔」でしかないと言うしかありません。
具体的に指摘できないからとレッテルを貼るだけの人間は、本当に卑怯な人ですねと言うしかないのです。
ディスカッション
コメント一覧
多分古代ギリシャみたいなカリスマを持った指導者がすべてやるみたいのを望んでいるんじゃないですか?
それか総理大臣は災害の為に一切外に出てはいけないイデオロギー的発想があるのか
もしくはジミンガーしなくちゃ死んじゃう病だから取りあえず批判しているのか
どれにしても感情に身を任せていてとても冷静な発想とは思えないのですけどね
民主党・蓮舫氏らが、事業仕訳で山間部の災害対策を推進させる林業整備予算を削っていた事が判明。
■行政刷新会議WG「事業仕分け」
(2009年11月24日 第3WG、事業番号3-46)
項目:森林所有者向け支援 担当府省:農林水産省
【 森林整備地域活動支援交付金 】
地方自治体が、災害防止や水源涵養(洪水緩和)などを目的とした
山の公益的機能を確保するために森林の手入れ・間伐など行い、
環境面・雇用面を充実させて効果的で
安定・継続した森林施業を可能にするための林業予算。
民主党仕訳結果:
予算要求縮減5名、予算計上見送り4名、廃止3名
→「予算要求の計上見送り」という結論
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今回の土砂災害は、民主党政権の傷跡というか爆弾が炸裂した事件とも言えます。