本当は鳩山元総理を止める気なんて全くない民主党

2012年4月15日

 鳩山元総理のイラン外交って結局アレじゃないですか。
 民主党の卑怯な保険だと思うのです。
 
 というのも、鳩山元総理の現在の肩書きの一つに「民主党外交担当最高顧問」っていうモノがあります。
 読んで字のごとくですが、一応これは民主党の肩書きなので、政府のでも公的のでもありません。
 でもそれでも与党の正式な肩書きですからね、例えば自民党でも民主党でも与党の幹事長という役職は、党務ではありますが、その影響力は時に総理以上と言われるコトさえあるワケで、やはり与党の党職というのは大変に重いモノがあると見るコトが出来るワケです。
 
 そんな中で「民主党外交担当最高顧問」が外交をしにイランにいくワケです。
 その影響力はとてもとても大きいモノがあると言えるでしょう。
 政府の、公的の役職にはついていないから、議員外交だからと気軽に行っていいというモノではありません。
 まして鳩山さんは元総理なのですから、それだけでも普通は下手な党職よりも影響力が大きいのですから、これは日本だけに限らず国際政治でも「元行政府長」は現職行政府長の名代になる場合も多々あるぐらいで、なおさらと言うしかありません。
 つまり今回の鳩山さんの肩書きというのは「元総理」+「現職の民主党外交担当最高顧問」なのですから、受け取る側にとっては外務大臣に次ぐ大きさで受け取る可能性は充分にあると言えるでしょう。
 
 ですから、本気で野田総理や玄葉外務大臣が鳩山さんのイラン行きを阻止したいと思うのであれば、まずは現職である「民主党外交担当最高顧問」の役を即時解くべきでした。
 野田総理は同時に民主党の代表なのですから、それを実行する権限はあるワケです。
 自民党の山本一太参議院議員は「羽交い締めにしてでも止めるべき」と言ってましたが、本気で止めたい、現在の政府の外交に影響がないように少しでもしたいのであれば、まずやるべきコトはここからだったのではないでしょうか。
 羽交い締めは出来ないとしても、他に出来るコトはあったハズなのです。
 
 でも野田総理はそれをしなかった。
 民主党の議員が民主党のこの3年の政治によってどれだけ国益を失ってきたかなんてコトは全く理解していないとは思いますが、誰がどう見ても失敗していた沖縄米軍基地問題だけを見ても、鳩山元総理に外交センスなんてあるワケもなく、「民主党外交担当最高顧問」という肩書きを与えたコトには日本中理解して納得した人なんているのかどうか探すのが大変だと思うぐらいの愚策でした。
 このニュースを見てズッコケた人って、やえも含めてたくさんいたと思います。
 それなのにその上イランに行くとかトンチンカンなコトを言い出したのですから、もはや何個堪忍袋の緒があれば気が済むのかというぐらいのお話です。
 当然のように「民主党外交担当最高顧問」なんて職は解くべきでした。
 でも野田総理はそれをしなかった。
 なぜなのでしょうか。
 
 結局これは、民主党の二枚舌なのではないかと思うのです。
 つまり、もし鳩山元総理がイランで何も実績を上げなかった、もしくはメチャクチャにしてきたってコトになっても、民主党執行部と野田内閣は「行くのを止めた(ふりをした)」のだから、全ての責任は鳩山元総理にあって、政府はむしろ被害者だと言い訳ができますし、またもし鳩山総理が大きな外交成果をあげた場合は、「ほら民主党外交担当最高顧問の手柄だ。つまり民主党の手柄だ」と厚顔無恥にも言い始めるコトができるので、止めるフリだけはしつつも、結果的には何もしていない現状維持を貫いたのではないでしょうか。
 どっちに転んでも保険をかけておいて、いいとこ取りをしようとしているワケです。
 民主党は今回の件はこんな方策を狙っているのではないかと思うのです。
 本当に卑怯ですね。
 
 残念ながら鳩山元総理はもうイランに着いたとか聞きましたが、日本二大空気読めないツートップの一角を担う鳩山元総理(もう一人は当然菅直人です)は、最低でも何もしないコトをもはや祈るしかありません。
 元総理が政治に影響を与えてはならない、だから自分は引退するとか言ってた人間の行動ではありませんが、本当に民主党は嘘つきばかりですね。
 本当にお願いですからもう何もしないでくださいと祈るしかありません。
 そして本気で止めようとしない、何より自分の手柄のコトしか考えていない民主党には、一刻も早く日本のために解散をして欲しいと願わずにはいられません。