国会審議にはいくつか種類があるのでマスコミには騙されないように

 マスコミは平気で嘘を付きます。
 それは突拍子もない嘘ではなく、事実に対して微妙に表現を変えるコトで大きく外れてはいないけど受け取り方としては全然違う印象を持ってしまうという、いやらしい嘘です。
 今回の件なんて典型的です。
 
 田中防衛相と前田国交相の問責決議案が可決されてから自民党は国会審議には応じないと言っていたと報道されていたのに、消費税を議論するための特別委員会の設置には合意して本会議に出るってコトを決めたコトに対して、マスコミがブレただのなんだのと言って批判しています。
 またその尻馬に乗って自民党を批判したくて批判したくて仕方ない人たちが、やれ公明党の組織票に目が眩んだだのなんだのと大喜びで自民党批判しているところです。
 本当にくだらないというか、自分の無知を棚に上げて、しかもマスコミなんていう煽動機関にいいように踊らされていて、みっともないコトこの上ない現象です。
 
 事実は違うのです。
 よく情報を正しく仕入れてください。
 国会の仕組みをキチンと理解してください。
 
 自民党は、大臣が問責された以上は、一体の責任を負うべき内閣が出席する委員会や本会議などの審議には応じないと言っているのです。
 これはつい最近言い出したコトではなく、問責が可決された直後からずっと同じコトを言っています。
 しかしマスコミはこれをたったひとことの言葉、「審議拒否」という、たった4文字だけの言葉でまとめて報道しました。
 大変悪質な印象操作であり、大ウソの報道です。
 
 「審議拒否」と言うと果たしてどんな印象を持つでしょうか。
 おそらくほとんどの人が、「国会の全てに出席をしない」と思うコトでしょう。
 これがウソです。
 さっきも言いましたように、自民党はそんなコトは言っていません。
 

 Q.国会審議の対応については、どのようなお話があったのですか。
 
 A.国会審議は、郵政については、議員立法でありますので、この審議には応ずることを決めました。

 
 これは問責が可決された先週20日に記者に答えた自民党の石原幹事長の言葉です。
 
 国会の仕組みのシステム論になるのですが、議員立法を国会で審議する場合は、これは答弁者は大臣等ではない政府ではない一般議員になります。
 よくよく考えれば当たり前のお話なのですが、審議とはその法案に対して審議されるのですから、その法案に疑問があるときに法案の趣旨などを答えるのは、その法案を提出した提出者ですよね。
 「○○という法案を法律にしたい」とお願いするのが提出者であり、その法案が法律になった時に本当に国家国民の利益になるのかと審査するのが国会ですから、この原則で考えれば、「国会審議は必ず政府大臣が出席する」と考える方が間違いなワケです。
 法案提出者が説明するのは、こんなのは国会だけのお話ではなく、一般常識として当然でしょう。
 特に、最近はあまり言われなくなりましたが、もっと議員立法を増やせなんて批判がありましたから、議員立法の存在を知らないっていう人はそうはいないハズです。
 であれば、この議員立法の提出者が答弁者となり、この場合は政府は一切関係がなく国会では審議されていくっていうコトも、これで分かると思います。
 
 まぎらわしいのですが、特に政府案に対する対案としての議員立法の場合は、その政府案と対案とをセットで審議するので政府大臣も出席しますが、これはあくまで政府案があるからであって、この場合も対案の提出者も答弁者として答弁席に座り、対案への質問があればそれに答えます。
 政府大臣が委員会に出席する時は、必ず政府案の提出法案がある時なのです。
 
 で、繰り返しになりますが自民党はですね、大臣が出席する場には出ないと言っているのです。
 政府大臣が出席しない議員立法なら出ると言っているのです。
 これは政党単位で考える問題ではありません。
 民主党だから出ないのではなく、内閣だから出ないという考え方です。
 それは当然です。
 大臣が不適格として問責を受け、そして内閣は総理大臣だけで構成されるのではなく、あくまで全ての大臣の合議制によって成り立つモノであり、全ての大臣は行政府として等しく責任を負っている以上は、問責を受けていない大臣であってもその責任は同じなのですから、政府が出る委員会には出ないというのは筋が通ります。
 これが自民党の最初から今までの一貫した主張なのです。
 
 ブレてませんよね。
 いま批判されている消費税法案を審議するタメの委員会設置の本会議というモノは、これは政府案ではありません。
 国会の中の委員会を設置するという案は、これは政府には一切権限のないお話です。
 国会の立法府の中だけのお話です。
 だから自民党が当初より主張している内容には全く該当しない案件なのです。
 これに自民党が出席しても、全然ブレていません。
 予定通りです。
 それなのにマスコミは自民党を批判したいがためだけに、こんな大ウソを付いているのです。
 
 マスコミに騙されないようにしましょう。
 そしてマスコミに踊らされてネットなど公の場でウソを拡散するのも同様に罪です。
 これは国会の仕組みを理解していれば、ウソに気づける案件です。
 特に政治に対して色々と批判なり意見なり言うのであれば、こういう「事実」を知ろうとしてください。
 マスコミは悪意があってウソを付くのです。
 その手先になってはいけません。
 それもやはり罪なのですから。