ニュースの本当の見方

 ニュースは点で見てはダメです。
 点と点を繋げて線にして見る、線と線を繋げて面にして見る、こういう視点が必要です。
 ましてマスコミは平気でウソを付きます。
 政治の場合は政党や政治家がウソを付くコトもよくあります。
 もちろん本当はウソを付く方が悪いのですが、でもウソの付き方も微妙に責任をとらないような付き方というモノもありますし、お前が悪いんだと言うだけでは受け取る側も進歩しませんから、断片的に散らばっている点としてのニュースを線にして繋げて、その記事の裏にある事実というモノを知ろうとしてください。
 そう難しい作業ではありません。
 
 例えばこの記事をご覧下さい。
 

 法案審議 民・自国対委員長が会談
 
 これに対して民主党の城島国会対策委員長は、「丁寧に議論してきたが、来月8日の会期末まで時間的な制約があることも事実だ。幹事長レベルの協議も必要があればやぶさかではない」と述べました。
 また、岸田氏は、沖縄県の尖閣諸島に香港の活動家らが上陸したことなどを受け、衆・参両院で1日ずつ予算委員会を開き、集中審議を行うよう求めたのに対し、城島氏は、「当然、開くべきだが、衆・参、合わせて1日でお願いしたい」と述べ、引き続き調整することになりました。

 
 この記事1つとってもマスコミの汚らしい企みをいくらでも指摘出来る記事なのですが、例えばそもそも選挙制度の問題と尖閣や竹島問題の領土外交問題を一緒にするような書き方にするコト自体が間違いですし、さらに「選挙制度の問題」と「一票の格差問題=憲法問題」はこれも別問題であって、これを「衆議院の選挙制度を改革する法案」と一緒くたにする書き方が間違いなんですね。
 しかも「衆議院の選挙制度を改革する法案」と法案名で書けば確かに間違いでないところが、ウソではないとするアリバイ作りの書き方でイヤらしいところなワケです。
 普段こういう場合は「選挙制度問題」なんて書くところなのでしょうけど、そう書くと「憲法問題は別だろ」と批判を受けるので、法案名を持ってくるコトによって「これを扱っているんですからウソではないですよ」とアリバイを作っているワケです。
 イヤらしいですね。
 さらにイヤらしさは続きます。
 引用した部分ですが「当然、開くべきだが、衆・参、合わせて1日でお願いしたい」という民主党の主張を最後にもってくるコトによって、前半部分の民主党の主張である「会期末まで時間的な制約がある」といういかにも時間がないかのような印象をかぶせて、それを理由にしているかのように読者に印象操作しているワケです。
 憲法問題とは別というコトを悟られないように法案名を書いて選挙制度問題と印象づけ、さらにそれをするには時間がないからという最もらしい理由を付けて民主党の対応を正当化させ、さらにその印象を読者に持たせたままに、本来全くの別問題である領土外交問題を記事にくっつけて、委員会を開くには時間がないと同じく言っているように読者に誤読させようとしてる。
 これがこの記事の、記事を書いた者の「悪意」なのです。
 
 こうやって解説すると悪質だと思うかもしれませんが、普段の記事もこんな感じですよ。
 全ての記事には悪意が込められていると言っていいぐらい、マスコミの記事とは、事実を伝えるためにあるのではなく、読者にいかに自分達の都合の良い印象を持たせようとしているコトにマスコミは心血を注いでいるのです。
 それが今のマスコミの現状なのです。
 
 さて、ここからが本日の本題です。
 民主党の「当然、開くべきだが、衆・参、合わせて1日でお願いしたい」という主張がいかに論拠のないデタラメなモノなのかは、この記事だけを読んで判断するのではなく、つまり点だけで見るのではなく、別の記事を見るコトによってあっさりとバレます。
 こちらをご覧下さい。
 

 竹島上陸を抗議する国会決議で一致 民主、自民
 
 民主党の城島光力、自民党の岸田文雄の両国対委員長は17日、国会内で会談し、韓国の李明博大統領の竹島上陸を抗議する国会決議の採択を目指すことで一致した。香港の活動家らによる尖閣諸島上陸事件も含めるかは今後協議を続ける。
 また、外交問題をテーマにした衆参の予算委員会を来週開催することでも一致した。ただ開催日について、岸田氏が21日を求めたのに対し、城島氏が参院側との調整が必要という理由で即答を避けた。

 
 日付を見て下さい。
 「両国対委員長は17日、国会内で会談し」です。
 つまり先週の金曜日に民主・自民の国対委員長が国会内で会って会談しているんですね。
 そして自民党の岸田委員長が「外交問題をテーマにした衆参の予算委員会を21日を求めた」んですね。
 ここから何が見えるでしょうか。
 そうです、自民党の要求通り21日に衆議院で予算委員会を開催し、今日22日に参議院で予算委員会をしていれば、もうこれで終わっていたのです。
 時間がないなんてウソですよね。
 たらたらと民主党が委員会開催をしぶっているから、時間が無駄に過ぎているだけですよね。
 普通ここまで大問題になっている問題なら、国対委員長同士で「よし委員会やろう」っていうコトになって、その場で日程を決めてもおかしくない場面です。
 国対委員長って党内に対してそういう権限を持っている役職ですからね。
 でもなぜか民主党が難色を示し、実現ができないまま今日までにいたっているワケです。
 
 これが事実です。
 
 最初の記事だけ見れば、もしかしたら「予算委員会の開催は日程上難しく、その無理を自民党が強引に主張して政局に結びつけようとしているのかな」と、そう捉える人も出てしまうような記事です。
 でも事実は全然違うワケですね。
 事実は、先週にはもう委員会開催の打診を自民党がしていて、時間は十分とは言いませんが現実対応可能な時間配分であって、単に民主党が「何らかの事情」で委員会開催をしたくなかったというコトだったのです。
 自民党は真剣に尖閣や竹島問題を議論しようと言っているだけで、それに真面目に応じないのが民主党であり、結局このようなふざけた対応をとるのであれば、別の手段でなんとかしようと考えるしかないというのが、今日最近の流れなのです。
 
 政争ありきではありません。
 まず政策があってこその、政争的な動きがあるのです。
 ここを間違えてはいけません。
 政局政局と言う人は、こういう「都合の悪い事実」を隠したがります。
 騙されないようにしましょう。
 
 政局政局言う人についてはまた別の機会にキッチリと取り上げたいと思いますが、このように記事を点ではなく線として見れば、それが見えてくるのです。
 ぜひマスコミにもウソを付く政党にも騙されないようにしましょう。
 難しくないちょっとしたコトで、こんなに簡単に事実が見えてくるのですから。