冷静な明治維新があったからこそ先進国になった歴史を忘れてはいけない

 アルジェリアの件についてコメントを頂きました。
 

 流石に今回のやえさんの意見には同意しかねます。
アルジェリアやマリの詳しい歴史的ないきさつを知らないで、
(私も詳しくは知りません。不勉強です。)
日本人に危害が加えられたからといって相手を「歴史を紡げない野蛮人」呼ばわりはないと思います。
日本もかつてはアルカイダのような尊皇攘夷派や軍国主義者のテロが横行した国であり、国民だけでなく外国の方も多数犠牲になっているんですよ。
また、明治以降の日本も列強からの援助を受けたり、あるいは利用したりして今日の地位を築いたのです。それを棚に上げて相手を野蛮人呼ばわりするのはいただけないです。
そういう他国を見下した態度って、あなたが日頃から嫌っている時代錯誤な中華思想を振りかざしてるどこかの国々と同レベルだと思います。
ミイラ取りがミイラにならないように少し冷静になっていただきたいです。

 
 ありがとーございまーす。
 しかしですね、これではあまりにも日本の先人達の苦労が報われない書き方だと思います。
 
 少なくとも、尊皇攘夷派や軍国主義者は、主目的として民間人をターゲットにはしていない(もしくは池田屋の時のように未然の防がれる。そもそもその計画自体は史実的には疑問視されている)ですし、なにより全然別の国の人間を人質に取って堂々と取引材料にしようなんてコトはしていません。
 その中で民間人がひとりも犠牲になっていないなどと言うつもりはありませんが、しかしここは大きな違いです。
 
 何が違うのかと言えば、ひとことで言えば「日本は欧米列強と対等に渡り歩いた」というコトです。
 ここで言う「対等」とは、最終的な条件が不平等だとか、そもそも最初の国力が違うとか、そういう意味ではありません。
 次々に欧米列強に植民地にされていく中、日本は、ある意味日本だけはむやみやたらに襲いかかるのではなく、対等な目線で交渉して、その結果はもちろん不平等ですが、それもあくまで対等の目線で交渉した結果だったワケです。
 先を考えずにただただ暴力でなんとかしようとしたのではなく、理をもって交渉に当たったのです。
 さらに日本は、明治維新という特権階級が自らその特権を捨てるという改革を行い、自らの自助努力で欧米列強に近づこうとしました。
 もちろん中身をよくよく見れば徳川軍対長州藩的な面もありますが、しかしそれでも武士という欧州で言えば貴族的な階級の人間が、法的にはその階級を撤廃したのですから、これはちょっとあり得ないコトです。
 例えば幕末の佐幕派だって、自らの権力にしがみつくだけのために幕府を守ろうとしたのではありません。
 それが日本の未来のために必要だと思ったからこその思想の戦争だったのです。
 日本は、自らの力で、自助努力によって、欧米列強と渡り歩いたという歴史を持っているのです。
 
 まして江戸時代というのは世界史で見ても奇跡の長年による平和が続いた時代です。
 日本としては別に無理して開国する必要は無かった、ただ欧米列強の一方的な都合によってその平和な時代を捨て去らなければならなかったのにも関わらず、それなのにさらに自らの力だけで国のシステムを一新して欧米列強と対等になろうとしたのですから、いえ結果としては対等になったのですから、その不断の努力と不屈の精神を、いつまで経っても独り立ち出来ない国なんかと比べるのは大変に失礼なお話だとやえは思っています。
 
 また、対等な目線で戦うという姿勢は案外難しいコトですが、日本はそれを平気でやってのけました。
 例えば薩英戦争です。
 キッカケはともあれ(とは言っても生麦事件も日本側としても法的根拠のある行為、ただ単に外国人が気に入らないからという理由だけではない行為でしたから、一概に日本の野蛮行為とは言えません)、戦争後に薩摩はイギリスから武器を購入する仲にまで発展しました。
 それが最終的に明治維新の決定打の1つのなっていくのですから、この「未来のための目線」がどれだけ重要なコトなのか分かろうというモノです。
 そしてこれがいかに難しいコトなのか、日本の他にこのようなコトをやってのけた国があるのかどうか、やえは寡聞にして知りません。
 
 やえは援助を受けたり外国を利用するコトそのモノはダメなコトとは思っていません。
 ただそれを、自分達の未来のために使おうとしない姿勢に、強い憤りを覚えているのです。
 日本の幕末は外国から援助なんて貰っていませんが、自らの力で変革して国の形を変えて欧米列強と立ち向かい、日米戦争もむしろ経済封鎖の中で開戦を余儀なくされ、戦後は援助を貰いましたがすぐに奇跡の復興を成し遂げて今や世界3位(2位?)の経済大国になっているワケです。
 
 アルジェリアをはじめアフリカ諸国はいままでたくさんの援助を受けています。
 いまでも日本でもなんとか募金とかしてますよね。
 しかしこれ、もう何十年やってますか。
 同時に内紛も何年やっているんですかと。
 やえは別に発展したくないのであれば別にその国や人に対してその理由だけをもってどうこう言おうとは思いませんが、しかし援助を受けている現在進行形の中において、全く関係の無い案件で巻き込んで自分勝手な要求をする行為に対しては、とてもじゃないですけど怒りしか覚えられませんし、まして過去の日本と比べるなんて出来ません。
 日本がいつ、善意で手助けをしてくれている国に、その国とは一切関係ない案件で国民を人質にとって、他国との交渉材料に利用しようとしましたか。
 援助を受けるコトは構いません。
 しかし残念ながらアルジェリアはその援助をどうしているのでしょうか。
 内紛している場合なのでしょうか。
 恩を仇で返していませんか?
 
 中華思想は、周辺国を属国として見るコトを指します。
 しかしそれと、いつまで経っても自分の足で歩こうとしない、その努力すら見えず、まして恩を仇で返すような行為に対して軽蔑の念を抱かざるを得ないコトとは、まったく違います。
 我々は先人達の苦労のおかげでいまの日本を生きられています。
 だからこそ、先人達に感謝の念を忘れないと共に、この歴史を未来に繋ぐ努力をしなければならないのです。
 ただ単に「外国に対して冷たい目で見る」という行為だけを切り取って中華思想とか色々なモノと同列視するのは違うでしょう。
 これは9.11の時にもやえは散々言ったのですが、無関係にも関わらず自分と同じ日本人が殺されたという怒りを感じない方が、むしろ日本にとっては危険なコトなのではないかと思わずにはいられないのです。