生活保護の問題についてもう一度
この前生活保護の問題について語りましたが、もう一度ポイントを絞って書いておきたいと思います。
こういうコメントを頂きました。
ありがとーございまーす。
3つめ、特に同感です
なんでもかんでも生活保護の枠組みに押しつけすぎではないかと
派遣村騒動の時には「仕事がない、だから生活保護よこせ」という流れでしたが、失業者の増加にはあくまで失業保険の拡充で対応すべきだと今でも思います
そうなんですよね。
現状の生活保護制度は、とにかく原因はなんでもいいから収入がないっていう視点だけで運用されているワケで、だからこそ問題や齟齬が起きていると言えるワケです。
例えば仮に病気が原因で生活保護を受けようと思う人がいたとして、でもそうそれを受ける窓口は市役所の役人でありますから、その人がどういう病気で、本当に働けないぐらい重いモノなのか、またどれぐらいの期間で治るのか、はたまた治すためにどのような方法が必要なのか、こういうコトを窓口の人では判断できませんよね。
医師の診断書があれば最初の段階である程度の判断材料にはなり得るのでしょうけど、でもそれだけでは後々のフォローアップはできません。
一度診断書さえとれば、後は自動更新で済んでしまうというのが現状でしょう。
それで現在問題になっているんですからね。
ましてこれは、ただでさえ専門知識がない窓口の人が数年で部署移動してしまうのですから、ますますその傾向が強くなってしまうワケです。
失業問題でも全く同じ構図ですよね。
よく言われるのが「生活保護を受けるためには形だけでもハローワークに足を運んでおく必要がある」というセリフですが、これはつまり働く意志がなく本心から就職しようとしなくても、形だけ整えておけば抜け道があるという意味に他なりません。
生活保護を受けているのに毎日のようにパチンコに行っているとかいう人が特に生活保護の問題として挙げられているワケですが、これがまさにそういう問題ですよね。
パチンコ行ってるヒマがあるなら就職活動すべきではないのか、となるのは当然でしょう。
国としても自治体としてもキチンと働いて貰うのが一番良い方法であるのに、そこまでのフォローアップが出来ていないというのが現状なワケです。
そして一番の問題は、こういう様々な事情があるのにも関わらず、ただひとつの「生活保護」という制度にごちゃ混ぜに混在してしまっているコトにあります。
やえは生活保護制度を無くせとは言いません。
これは憲法規定ですし、先進国として、また貧富の差が小さい国としても、「最後の最後のセイフティーネット」の制度はあってしかるべきだと思いますから、生活保護制度自体は無くせとは言いません。
ただそれはやっぱり「最後の最後」であるべきなのです。
失業に起因する生活難は、まだ「最後の最後」ではありません。
だって就職すればいいんですから。
ですからそれは、失業に関する制度でフォローアップすればいいのです。
病気に起因する生活難は、まだ「最後の最後」ではありません。
病気なら治せばいいんですから。
ですからそれは、病気に関する制度でフォローアップすればいいのです。
障害に起因する生活難は、それは「最後の最後」と言うべきではありません。
障害は本人の責任のない致し方ない事情です。
ですからそれは、障害に関する制度でフォローアップすればいいのです。
他にも色々な原因があるとは思いますが、基本的には全てこうであるべきです。
「収入がない」という状態は、必ずどこかに原因があります。
現代日本においては「収入がある」という状態が通常の状態であり、「収入がない」という状態は異常な状態です。
異常とは悪いという意味ではありません。
必ずそこに原因があるという意味です。
よって原因があるなら、その専門の制度を作って活用した方が、問題の解決には早道なのは当然のお話ですよね。
だから被保護者にとっても、通常の状態に戻るために、専門の制度があった方がいいのです。
その上で、その制度を活用すらしようとしないような、言ってしまえば「どうしようもない人」に、「最後の最後」である生活保護制度を「致し方なく」活用するようにすべきです。
働く気がない人、病気を治そうとしない人、ただ単に楽しようとしているだけの人、そういう「どうしようもない人」にあてられる制度が生活保護の制度にすべきではないでしょうか。
もちろんこれだけでは全ての問題が解決するワケではありません。
そもそも現金を支給すべきかどうかという問題も検討すべき課題でしょう。
ただ、ひとつ「どうしようもない人用の制度」というコトにしておけば、それなりに他の問題に対応する方法というのが見えてくるのではないでしょうか。
例えば今の制度のままだと、「パチンコするな」という批判ひとつとっても「中には真面目な人もいる」と言いだす人が必ず出てくるワケですが、これが「本当にどうしようもない人」であれば、まともな批判になってくるのではないでしょうか。
またそれを規制するコトもそんなに難しくなくかけられるようになると思います。
ひとつひとつをキチンと考えてみましょう。
ただ単に生活保護が正しいのか悪なのかという二者択一で考えても現実的ではありません。
キチンと考えて整理すれば、自ずと答えは見えてくるのではないでしょうか。
まず生活保護の問題は、その制度は「もう本当にどうしよもない人」用の制度にすべきだと思います。
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