政治と国民との間に立ち塞がるはマスコミ

2013年8月5日

 麻生さんの発言を発端とした、問題とされている問題について一言言っておこうと思います。
 
 失言問題になると必ず出てくるのが「揚げ足をとられそうな発言をする政治家が悪い」というセリフですが、なぜ捏造された被害者が悪いコトになるのかやえにはさっぱり分かりません。
 だいたい今回の捏造なんて真意の真反対の意味に捏造されています。
 もしこんなコトを許してしまえば、政治家がいくら発言をしたとしてもマスコミのやりたい放題、世論もマスコミも思うがまま、政治家の発言もマスコミの思うがままで、日本はマスコミに牛耳られる世の中になってしまいます。
 政治と国民の敵はマスコミです。
 その上「揚げ足をとられそうな発言をする政治家が悪い」という国民からのセリフを聞けば、マスコミは高笑いが止まらないコトでしょう。
 無責任にもこういうコトを言っている人は、例え意識的でなくても、マスコミの手先となって先兵となって、政治と国民との間を引き裂こうとしている工作員に成り下がっているというコトを意識してほしいと思います。
 
 朝日新聞によりますと、麻生さんの発言の全文はこうです。
 麻生さんの発言なので、全文引用しておきます。
 

 麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細
 
 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。
 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。
 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。
 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。
 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。
 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。
 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。
 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。
 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。
 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。
 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

 
 さらに言うと、これはシンポジウムでの発言、つまり口語を文字起こししたモノですから、その辺も考慮する必要があります。
 しかし同じ朝日新聞は、この全文を出す前にこのような伝え方をしているんですね。
 

 【朝日新聞】 「麻生氏の発言…安倍首相は「ナチスの手法に学べ」と言わんばかりの今回の発言どう整理するのか。けじめつけなければ」
 
 「ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」
 
 普通に聞けば、ナチスの手法に学ぶべきだと言っているとしか受け止められない。事実認識にも問題がある。

 
 マスコミはネット配信の記事をいつの間にか改編するコトがありますので、まとめブログに引用されている方を引用しておきます。
 さて、この朝日新聞の日本語能力の低さはどう表現すればいいんでしょうかね。
 しかし、これだけでは「またアサヒか」で終わってしまうかもしれませんが、実はこの手の問題の根はそんなに浅くありません。
 日本報道検証機構っていうサイトさんがあるのですが、そちらのツイッターでこのような記事がありました。
 

 【調査中】麻生副総理の憲法改正をめぐる発言で、読売新聞が7月30日に掲載したニュースサイトの見出しを「ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演」から「改憲『狂騒、狂乱の中で決めるな』…麻生副総理」に改変していることが分かりました。https://twitter.com/YOL_politics/status/361978706891243523

 
 読売新聞でさえこのザマです。
 「ナチスの手口」と「狂騒、狂乱の中で決めるな」は、意味が全く逆です。
 「ナチスの手口を悪例として学べ」であれば麻生さんの真意である「狂騒、狂乱の中で決めるな」と同じ意味になりますが、日本語的にただ「ナチスの手口を学べ」だけだと、むしろその「悪例を好例として日本も使え」という意味になりますよね。
 そしてなにより、この全く反対の意味の記事を、一切謝罪も何も無くひっそりと改変しているのです。
 そう、これこそ「ナチスの手口」のまま、読売新聞はナチってるんですね。
 これを犯罪と言わずして何を犯罪と言うべきなのでしょうか。
 
 ですからいまやるべきは、こういう犯罪を平然として行っているマスコミを批判するコトです。
 こんなコトをいつまでも許していては、日本の政治はマスコミによってズタズタにされるでしょう。
 というか今までずっとマスコミによって日本の政治はメチャクチャにされてきました。
 それを打ち破るのは国民しかいないのです。
 
 しかし国民の側も、マスコミに対する姿勢として間違っているのが、これを「麻生さんの発言だから」という理由で擁護している人が少なくないという点です。
 これ、全く逆の立場だと、「麻生の発言だから、自民党の失点だから、マスコミの捏造には目をつむって、自民党叩きの材料にしてやろう」というコトになるワケで、結局理由なんてどうでもいいから自分の都合のいいようになるよう、その材料の善し悪しなんて問わない、目的のためには手段なんて問わないなんていうテロリズムの思想になってしまうのです。
 本来これは、「マスコミが政治家の発言を捏造した」から、マスコミを批判しなければならない案件です。
 本来ここに、発言元に対する自分のスタンス、好き嫌いなど入り込む余地は無いんですね。
 自民党だろうが民主党だろうが社民党だろうが、他人の発言を捏造するような機関は、もはやマスコミなんて呼べるシロモノではありません。
 ただの犯罪マシーンです。
 だからこそ批判しなければならないのに、結局その責を負う国民が、ただ単に好き嫌いだけで捏造という犯罪を擁護したり批判したり利用したりするのです。
 これではいつまで経ってもマスコミの高笑いは終わらないでしょう。
 
 ここを注意して欲しいのです。
 いま麻生さんを擁護している人も、「自民党だから」とか「麻生さんだから」という理由で擁護していては、それは自分達が大嫌いなサヨクと同じ穴のムジナになります。
 その態度は、「麻生の発言だから、自民党の失点だから、マスコミの捏造には目をつむって、自民党叩きの材料にしてやろう」と実は全く同じ構図であり、表裏一体でしかないのです。
 結局それは、好き嫌いによって、自分の立ち位置によってマスコミの捏造が許される、それを利用しようとする人間が一定数いるってコトなのですから、そんなのはマスコミの思うつぼ以外何者でもないですからね。
 また同時に「脇が甘いのが悪い」とか言うのも、マスコミの高笑いの燃料でしょう。
 ふと立ち止まって見つめ直してみて下さい。
 自分のその考えが、実は大嫌いな「マスゴミ」の暗躍に一役買ってしまっているというコトを。
 政治と国民との間に立ち塞がるはマスコミですが、しかしその実は、国民である自分自身がマスコミの先兵として政治と国民との間に立ち塞がっているかもしれないのです。
 よくよくここを注意して欲しいです。