なんのための大阪市長選だったのか

 期待されている気がしないコトもないので、大阪市長選挙についてひとこと言っておきましょう。
 
 そもそものお話なんですが、誰も「橋下徹」という人間が大阪市長を務めているコト自体は誰も否定してないんですよ。
 政策などを批判している人はいっぱいいますが、橋下氏が市長であるコト自体は誰も否定していません。
 というか、否定出来ないですよね。
 だって、選挙自体はちゃんと法令に則って行っていて、それに基づいて当選して市長になっているのですから、それを否定するコトは誰にもできないからです。
 橋下氏が市長であるコトは別に構わないんですよ。
 
 ただ、結局今回の選挙はなんだったのか、という点が完全に不明瞭なのです。
 これが任期満了とか、橋下氏が立候補しないっていうなら分かりますよ。
 次の市長を決めなければならないワケですから。
 しかし自ら辞めて自ら立候補して果たして何がしたかったのかと、それにどんな意味があったのかと、選挙結果を見ても全く理解不能ですよね。
 投票率は、なんと過去最低の23.5%。
 完全に大阪市民もこの選挙の意味というモノを見いだせなかった結果、むしろ無意味だと切り捨てた結果としか言いようがない結果だったワケです。
 橋下市長自身も「信任を得たと堂々と言えない」と言わざるを得ない始末ですから、メチャクチャですよ。
 もしこの結果を受けて言えるコトがあるとすれば、橋下氏が「自分のやり方は間違っていた」と素直に認めて、都構想をスタート地点にやり直す、少なくとも選挙前の状態を正しいモノだと認めて、もう一度そこからやり直すっていうなら、この選挙の意味もあったというモノでしょう。
 橋下氏が本心から「信任を得たと堂々と言えない」と思っているのであれば、ではその選挙の結果は敗北という意味ですから、そうすべきでしょう。
 でも開き直るところは開き直るんですよね。
 さっきの記事にもありますように、結局「住民投票はやる」と橋下市長は言っているワケです。
 
 卑怯ですよね。
 たぶんこれが高投票率で胸を張って「市民の信任を得た」と言える状況なら「自分の言うコトを聞け」と言っていたと思われるワケで、それなのに事実上の敗北選挙を受けておいてもなお自分の主張通りに事を進めようとするんですから、だからその選挙とはなんだったのですかってお話なんですよね。
 勝っても負けても結果は一緒なんですから、結局は橋下氏が自分の思い通りにお話を進めようとしているだけなんですから、これはもう選挙を個人的に利用しただけに過ぎないのです。
 そう表現するしかありません。
 こんなコト許されるワケはないですよね、本来。
 
 橋下氏はもしかしたら「他の党が候補者を立てないから悪い」と言うのかもしれませんが、しかし立候補しない自由だってあるワケで、その結果としてこの数字なのですから、ましてその選挙が行われたのは100%橋下氏「だけ」のせいなのですから、どんな選挙戦が行われようともどんな結果になろうとも、それを全て受け止めてとるべき責任はとるのが、今回の選挙を始めた人間の義務でしょう。
 誰々がこうこうしなかったらか自分は責任を取らなくていい、と言ってしまうのは、あまりにも無責任ですよ。
 繰り返しますが、「しなくていい選挙」「する必要が一切ない選挙」を無理矢理行ったのは、誰でも無い橋下氏自身「だけ」の責任なのですから。
 
 いまの橋下氏は、自らの責任を顧みようとせず、無責任に見苦しい言い訳に終始して、ガキのように駄々をこねているだけです。
 いま橋下氏がやるべきコトは、辞任しろまでは言いませんが、最低でも選挙前の段階の都構想に戻すコトです。
 すなわち、区割りの話し合いが不発に終わった、議会にそっぽを向かれたままの形で、都構想をこれからもやるっていうなら、その形で進めるってコトです。
 なぜなら今回の選挙は、その選挙前の形を否定するような結果にはなっていないからです。
 今回の選挙は橋下氏の行動についてなんら正当化の理由にはなりません。
 橋下氏はいつになったら自分は裸だと気づくのでしょうかね。