現実的な核兵器運用 (下)
前回は、北朝鮮などの経済的格下国に対しては核兵器を持つまでもなく抑止力になり、むしろ核兵器がない世の中の方が日本にとっては有利だ、というお話をしました。
では、相手が大国の場合はどう考えるべきなのか、そして現在の核の傘論について考えてみたいと思います。
北朝鮮程度の国であれば通常兵器だけで十分抑止力になります。
相手が核兵器を持っていても同じです。
通常兵器だけで十分金体制を崩壊させられるのであり、金王国たる北朝鮮にとってはそれこそが一番の恐怖ですから、これで抑止力になっているのです。
金王国に乗っかっている人間達は、普段の施政から見ても国民のコトなんて全く考えておらず、ただ自らの立場さえ守られれば後はどうでもいいというコトがハッキリしていて、これを裏返せば、自らの立場が崩壊するのであればその後の北朝鮮の国や国民なんてどうでもいいのであって、そこに放射能汚染なんて関係ないのです。
「金王国の崩壊=0」であって、マイナスの世界なんて一切頭にないのが金王国なのです。
そんな金王国の面々に対して「オーバーキルするぞ」と脅しても全く無意味です。
「ゼロちょうどのキル」だけで金王国の面々には十分な恐怖、つまり抑止力になるのですからね。
オーバーがあろうがなかろうが「金王国が崩壊する恐怖」はマックスなのです。
では、格下国ならそれでいいとしても、対大国への核兵器の対応はどうなんだ、という点を考えます。
と考えると書いておいてアレなんですが、これ、考えるだけ無駄じゃないですかとやえは思っていたりします。
例えばアメリカとロシアが本気で核戦争するっていう状況を、本当にリアルに現実的に想定出来ますか?
ただの戦争状態、いや戦争時様態もあり得ませんね、小競り合いの「局地的戦闘状態」だけならまだあり得るかもしれません。
そしてそれもやっぱりかなり非現実的で、それはいまが一番リアルに想像出来ますよね、いくら譲れない案件が出てきたとしても、お互いに正面衝突だけは避けようとギリギリのところでつばぜり合いしていますよね。
核兵器を使わなくても大国同士の戦争なんて、もはや現代では全ての国にとって百害あって利益なしでしかないのですから、それはアメリカ・ロシア当事国も全面戦争ほど無駄に国力を削るだけの徒労に終わるのは分かっているんですから、絶対に避けようとしますよ。
そんな中、核兵器にまで発展するなんて、ちょっと考えられません。
前からずっと言ってますように、戦争とはあくまで外交における手段のひとつでしかないのであり、その手段において核兵器なんてカードを使ってしまえば、それは外交そのもの、すなわち「自国が求める利益」そのものを吹っ飛ばすコトになるのですから、大国同士の核なんて存在からして全くの無意味なのです。
核保有国で大国と言えば、アメリカ・ロシア・イギリス・フランスそして中国が挙げられますが、核兵器抜きにしてもこれらの国が全面戦争するのは考えられません。
利益が全く無いからです。
で、ここからは「核の傘論」にかぶってくるお話なのですが、結局これは、核を持っていない大国に対しても同じなんですよ。
もし核を持つ中国が核を持たない日本に対して核兵器を撃ったとして、その後中国は「核を撃つ前の状態」から比べて「利益が増えている状態」になるでしょうか。
断言します、絶対になりません。
もし同盟国たるアメリカなどが中国に対して核による報復攻撃をしなかったとしても、しかし中国は滅亡に突き進む道しか歩めなくなるでしょう。
それは通常兵器による戦争行為でも起こりえるでしょうし、さらに経済という武力よりも強い力によって最も効果的に成し得るのです。
アメリカも日本も中国も、もはや自国だけのブロック経済だけで成り立つような経済形態にはなっていません。
全ての国からそっぽを向かれたとしたらどうなるか、まして「あの日本に核を撃った」という事実から同情すら受けられない、むしろ憎しみしか向けられないような国がどういう道をたどるのか、ちょっと想像力を働かせれば簡単に分かるコトでしょう。
それとも北朝鮮のような反米国の盟主として開き直りますか?
おそらくそういう行動の方が自らのクビを早く締める行為にしかならないでしょう。
国家を滅ぼすには核兵器など使わなくても可能です。
そしてそれは、核の傘にすら入る必要もないでしょう。
核兵器を持っている国と同盟関係を結んでいないという理由だけで核兵器を撃ち込まれるコトを容認されるような国家なんて、もはや現在国際社会では存在しないのです。
つまりこれは、特に民主主義経済大国であるG7の軍事力と経済力の存在そのものが、世界に対する「平和の傘」になっていると言えるでしょう。
ですからこれは、対大国だけに限ったお話でもなくなるんですね。
仮にどこかの途上国が、アメリカやイギリス・フランスなどの核保有国と軍事同盟を結んでいない国に対しても核攻撃をした場合どうなるか、アメリカなどが「自分たちとは同盟を結んでいないから知らない」なんて言うと思いますか?
例えば東南アジアのASEAN諸国に核兵器が撃つ込まれたら、日本はもちろんのコト、アメリカやEUも激おこでしょう。
そしてやえは高確率でアメリカは報復攻撃、それは核発射国の政権を崩壊される攻撃を行うのは必至だと思っています。
いくら「軍事同盟を結んでいない」と言っても、だからといって戦争を仕掛けてはならない理由にはなりませんからね。
国連などを通じて確実になんらかの攻撃が加えられるコトでしょう。
現在の国際社会ってここまでになっているんですよ。
だって仮に日本が事前予告もなく、今現在核兵器をいきなり北朝鮮に発射したとしたら、まぁ少なくとも中国は軍を動かすでしょうし、アメリカも日本を守ってくれるかどうかというのはかなり厳しいでしょう。
下手すれば、アメリカ軍だって日本を攻撃する可能性もあろうかと思います。
いまの国際社会で核兵器を使うっていうコトはそういうコトなんですよ。
その一発だけで世界中を敵に回す行為なのです。
中国だって、日本といま最悪の外交関係になっていてそれが世界中に周知されていたとしても、先に核兵器を飛ばしてしまえば、理屈抜きに世界の悪者になって報復対象となるでしょう。
もはや核兵器という武器は、軍事同盟云々っていうレベルを超えている存在なのです。
日本が核攻撃をされた時、アメリカは自国の危険を承知で本当に報復攻撃をしてくれるか、と心配する人もいるようですが、ハッキリ言えばそれは杞憂にもほどがある心配です。
むしろ軍事同盟がなくてもアメリカはなんらかの報復攻撃はするでしょう。
日米の経済的繋がりは、もはや条約や同盟を超えるほどの力となってしまっています。
まして軍事同盟があり、民主主義国家であり、法治国家であり、世界を牽引する経済大国同士であれば、むしろ合衆国がというよりもアメリカ人の矜持として日本を見過ごすコトは許されないでしょう。
細かい部分では日本の九条に縛られた軍事力では心許ないので日米同盟はまだまだ必要ですが、核兵器という部分に関しては、むしろ軍事同盟など関係なく、アメリカという国は、最低限民主主義国家であれば同盟がなくても動く国なのです。
それをプライドにしていままでやってきた国民達なんですからね。
では最後に、日本が大国を相手にしたときはどうするのか、という問題を考えます。
この相手が中国の場合は、あまり考える必要はありません。
そんな状況になる場合というのは、「日・米・英・仏vs中国」という構図になるからです。
つまり日本が中国を相手にする場合には、必ず見方に核保有国が付きますので、この場合考える必要はないでしょう。
難しいのが、日本が米英仏を相手にするような事態に陥った時です。
これは大変です。
核武装も必要になってくるかもしれません。
しかし、それはその時考えればいいでしょう。
少なくとも、いまのそんな状況を想定する必要性は全くありません。
そういう可能性はゼロとは言いませんが、少なくとも1年後にそうなるかと言えば、これはもうゼロと言ってもいいでしょう。
というか、関係が悪くなるのは必ず兆候があり、戦争状態になるまでにはもっと時間がかかるのですから、それから考えるのでも十分でしょう。
まして核保有国は他にもあるのですから、戦略的にそれらの国とどう関係を結ぶのか、という点も考えればいいのです。
むしろそういう国と手を結ぶことができないのであれば、それはイコール孤立状態なのですから、日本が核兵器を持っていようが持っていまいが負け決定です。
「日本が大国相手に戦争をする」という想定においては、核武装というのはむしろ優先順位としてはかなり低いのです。
ですから日本が米英仏と戦争する状況を考えるよりも、世界から核兵器を廃絶させる方法を考える方がよっぽど現実的ですし、なによりその方が日本にとって利益が大きいのです。
核兵器がない世界であれば、日本の(九条改正後の)軍事力はとてつもなく大きなモノになりますからね。
ですから少なくともアメリカと軍事同盟を結んでいる間は、核廃絶の方向を叫んでいた方が日本には利益になるのです。
日米安保があるので正面切っては難しい面もあるでしょうけど、これをいかに世界的な声にするかですよ。
いまだってNPDIとかで日本は核廃絶を訴えるコトはしているのですから、アメリカだってこれに正面から反対するコトなんでできないですからね。
現実的に日本の戦略としても戦術としても考えた時には、核廃絶の方が日本は利益は大きいのです。
やはりどこまでも極めて現実的に考えた時、日本が核兵器を持つメリットというモノはかなり小さい、もしかしたらマイナスしかないのではないかと言わざるを得ません。
まして長距離弾道ミサイルによる核攻撃も、現在は発射する数日前からその兆候をキャッチできてしまうのですから、着弾する前の発射するだけでかなりの高リスクを負うコトになります。
発射はしたけどミサイル防衛システムで打ち落とされました、さらにその前の段階の発射する前に基地を攻撃して撃てませんでした、ってなったとしても、その後はもちろん厳しい報復が待っているコトでしょう。
少なくとも北朝鮮がそんなコトしたら、金王国は崩壊決定ですね。
いまの技術力では核兵器を相手の目をそらして発射するだけでも一苦労なのに、その上発射しようとしたという事実は残ってしまうワケで、相手に対する打撃はゼロな上に自国への打撃はとてつもなく大きくなる可能性を秘める核攻撃を、そこまでしてしなければならない理由はないでしょう。
この辺からも核攻撃に対する報復は必ずしも核兵器である必要性はあまりないワケで、こういう現実を前にして、無理して日本が核武装する必要性が本当にあるのかどうか、ひとつ冷静に考える必要があるのではないのでしょうか。
やえは広島生まれというコトもあって核兵器に根源的な忌避感がありそれを否定はしませんが、しかしそれを極力考えずに取り除いた上で、冷静に核戦略のコトを考えたら、やはり持たないという選択肢の方が日本のメリットになると、そう考えているのです。
持たない方が、核兵器を廃絶させた方が、現実的に利益は上でしょう。
次回は、頂いたコメントにいくつかレスをしたいと思います。
ディスカッション
コメント一覧
なお、MD対核兵器では、核兵器を持ってる側の一方的有利で完全に撃ったもん勝ちという考えは、散々日本や韓国などに非情な攻撃を宣言している核武装国家北朝鮮がちっとも核攻撃してこないという現実で反証出来てるかと思います。
北朝鮮に限らず、核保有国が非核国家に全然撃たないのは何故なのでしょうね?
hanさん、その答えはkさんがしてくださった書き込みで答えが出ているのではないでしょうか。
ところで、核武装が核攻撃を抑止する効果というのは核を撃ったらお前も死ぬで? というお考えで間違いないですか?
核兵器を撃てば、撃たれた相手が滅ぶと同時に撃った自分達も反撃の核兵器で滅ぶ。だから日本も核武装すべきというお考えですよね。
ここでEUも話題に絡んで来るわけですが、核兵器を撃つという行為は撃たれた相手、例えば日本が何もしなくても他の国によって滅ぶか、少なくとも体制は崩壊します。
核兵器を撃った国を潰すのは、撃たれた国の核反撃に限定されません。
更に、死なばもろとも自爆攻撃には核では抑止効果がありません。
撃っても殺せないかもしれない、でも撃ったら必ず自分が死ぬ。これがMDの抑止効果であり、自爆攻撃をにも効果を失いません。
また、核兵器に頼らずとも通常兵器で撃った国を潰す事も可能ですよね
すでに核を持ってる国が保持し続けてるのも最初の抑止効果に期待してのものです。
ですが、現代の世界関係とMDなどの新しい抑止力の発展により、それは旧式の抑止力になりつつあるわけです。
なので、既に述べた膨大な労力で旧式の抑止力を手に入れるよりも、現在の日本ではMDに限らず核武装と比べて遥かにハードルの低い新しい抑止力と安全を手に入れた方が良いですよね、って話です。
ごめんなさい↑の匿名は私です。
核抑止は、核武装すれば核に対して安心☆ミ 、と言ったシロモノではありませんし、
大量破壊兵器の所持が前提の戦略、理論ですので、
偶発的、潜在的な危険性を否定出来ません。
ですが、理論として発表され、複数の運用モデルもあるのですから、
政治的、戦略的な、核の価値も否定出来ないでしょう。
そして、今回の本題は、
・現時点で「核兵器の所持を前提としていない国家」は「核」から、どれだけの恩恵を得られるのか?
・また、この先「その国家」は「その核」をどのように扱っていくのか?(直接間接、問わず)
・・・という事だと思います。
北朝鮮の持つ核ですが、
個人的には「交渉のカード」「最後の安全保障」の意味合いが強いと感じています。
なので、通常兵力に劣る北朝鮮において、上記2つを放棄するに等しい核攻撃を
考え無しに行うとは思えません。
もし、北朝鮮が核攻撃を行ってくるとすれば、それは「亡国がほぼ確定した(する)タイミング」だと考えています。
要するに「北朝鮮が核を撃ったら(北朝鮮を)滅ぼせる」ではなく、「(もうどう考えても北朝鮮は)滅ぶから核を撃つ」と言うことです。
そうなると、亡国が確定している以上、守るものがありませんので核抑止は通用しないでしょう。
核を所持していれば、核を使用されないという保障はありません。
「単純に、無意味な兵器になる前から持ってるから。ってだけでは」の論拠どうなりましたか?また「本筋とはだいぶかけ離れてた話」とか言って回答せずですか?
・9条改正
・日本国軍化
他国を攻撃するための能力(兵器開発&獲得&運用能力) これらは全然賛成です。
「他国を核攻撃するための手続き・制度 他国を攻撃出来るような法整備」
これとこれは分ける必要がありません。先制攻撃は考えていないので、自衛権の一貫として法整備することになります。
「外交力と国民的理解と支持」これは何度書いていますが、アメリカが前方展開をやめるなり韓国が核武装するなど状況を想定しての事です。現状すぐできるとは思っていません。ただこのような状況にならば、理解は得られるものと考えます。
「核実験の為の土地と施設」 あった方がいいでしょうが、最悪の場合スーパーコンピューターを使ったシミュレーションのみで開発することも考慮しています。
「人・施設・予算 これは何度も書きました」経済破綻にいたらない規模まで増額です。
「全世界を敵に回して」「全世界から経済制裁」核武装をやる環境は上に書いた通りです。その状況なら全世界を敵に回してなどありえません。
原潜について 私はミサイル潜水艦だけでなく攻撃型の能力向上も図った方いいと思うので原潜の方がいいと思います。原子炉はPWR型の原発と一緒なので、すぐには無理でも日本で開発はできるでしょう。時間短縮を狙うなら、ブラジルのようにフランスから技術を買うのもありかもしれません。
イエローストーン噴火したらとか、考えないんだねぇ………
>攻撃ではなく防御としての抑止力ですね
何回か書いてるんだけど、相手が核で攻撃してきたら、どうやって核で守ればいいんでしょうか。
>①軍事は最悪の事態を想定しできる限りの事をする必要があります
>なので「〜のはずがないので、〜する必要がない」という理屈は通りません。
そうですね。相手が撃ってくるはずがないなんて理屈は通らないですね。
>505が議論に絡むと荒らしばりに連投長文になって申し訳ありませんやえちゃん…。
やえちゃんは「議論大好き!」ですし。別に構わないんじゃないですかねー。
http://www.amaochi.com/gazou/sonota/treka_s.jpg
時間がないので乱文かつ超長文になります申し訳ございません。
軍事に関して三つほど。
①軍事は最悪の事態を想定しできる限りの事をする必要があります。
軍事というのは国民の命に関わる問題です。
なので「〜のはずがないので、〜する必要がない」という理屈は通りません。
原発事故など起こるはずがないと言い切って、
実際事故が起こってしまい対応が後手後手に回った国がありましたね。
②軍事力は相対評価で決まる物です。
どんなに核廃絶が正しい思想であっても、
それによってもたらされる軍事力(外交も含みます)が
核所有より劣っていた場合は否定しなければなりません。
評価基準をざっくり決めると、
・コストパフォーマンス
・確実性
・国体(日本だと国民の命)を守る力、安全性
等が考えられます。
③戦争は常に一定の状態ではない。
戦争は、外交対立の段階➡局地戦の段階➡全面戦争の段階➡最終段階
と状況が変化します。
以上の三点を考えて頂くと、なぜ日本が核を所有しなければいけないかがわかります。
先に解答をいうと、持たないより持った方が強いからです。
①に関してはできれば常識と思って頂きたい。
日本人は最悪の事態を想定して考えるということを理解してる人が少ないように思います。
原発で考えるなら、事故が起こるかもって前提で考えるのは至極当然の発想なのですが、
それをいうと左翼が騒ぎまくり、原発自体が作れない状況になります。
軍事にも同じ事が言えて、
通常時と緊急時が違うなんていうのは常識なのですが、
それが通じないのが現代の日本社会なんですね。
②対軍事独裁国家に対してはこの視点が無ければ無駄な死が増えます。
まずコストですが核兵器と同等の破壊力を通常兵器で持つには核兵器よりも莫大なコストがかかります。
核ミサイル一発1000億円として、この予算では戦闘機なら10機、イージス艦なら一隻しか買えません。
とてもじゃないけど、核兵器の破壊力には及びません。
核はただ人を殺す為だけの兵器ではありません。
軍事基地を容易に破壊する事も可能な兵器であり、軍事面でも大きな脅威となり得ます。
次に確実性。どこかに落としさえすれば十分に威力がある核兵器と違い、
通常兵器は確実に命中させる必要があり確実性が遥かに劣ります。
それに加えて兵器というのは、
思いついたらすぐ作れ、
作ったらすぐ使えるという物ではありません。
技術ノウハウを積み重ねなければ作れませんし、
運用ノウハウを積み重ねなければ使えません。
なので何か起こったら対処したらいいという考えは確実性からして0点と評価でき根本的にNGとなります。
戦争は平和時に何をやったかの積み重ねの結果になります。
最後に安全性ですが、仮に金体制を崩壊させる場合を仮定します。
金体制を通常兵器で100%崩壊させられないのか?
と聞かれたらNOと答えます。
ですが、日本に再び核が落ちる事になりますよと付け加えます。
崩壊寸前まで追いつめられた独裁国家は国際社会なんてものは気にしません。
大日本帝国が危機のとき国際社会を意識しましたか?しませんでしたね。
それと同じです。迷わず核を発射するでしょう。
これに対抗しうる方法はただ一つ、核を撃ったら撃ち返すぞ!という体制を作るしかありません。
軍事的に追いつめられている国家にしてみれば、核を使用すれば軍事力でさらに圧倒されてしまう事になりますので、発射できなくなります。
現在日本が核攻撃を受けた場合、それを実行可能な国家はアメリカしかありません。
諸外国が日本に対して協力的であっても、北朝鮮に核攻撃が行われるのは
日本に核兵器が落ちてからになります。
なのでアメリカとの信頼関係が未来永劫だと信じられない限り、
核保有していた方が安全性が高くなります。
反核よりも先に第二の広島長崎を作らない為の努力をする。
それが日本にとっての何より大切な安全性です。
以上三点から、評価すると核廃絶は間違ってはいないですが、
もったほうが優位性が高いと言う事が解ると思います。
さらに③の項目も合わせて北朝鮮で例えて話しますと、
北朝鮮の国体は軍事独裁国家になります。
つまり彼らの思想は外交があって軍事という指向ではなく、
軍事があって外交になります。
ですので、彼らを戦争の初期段階である外交の場に引きずり出す為には
核による圧倒的な軍事的優位が必要となります。
逆に軍事的な優位性の低さに比例して外交力も低くなります。
変な話、軍事的優位性が高い方が
日本に取って潜在的な脅威である軍事独裁国家に対して、
核廃絶を訴えることができるようになります。
通常兵器で核兵器並みの抑止力が可能との事ですが、
それだと抑止力は海外にPRして発揮される物になりますので、
日本の通常攻撃には核並みの破壊力があるとPRしまくるわけです。
実際そんな国際世論が形成されら、
外交の次の段階の通常兵器による局地戦の段階で核を打ち込まれます。
だってそうでしょう、
核に匹敵する通常攻撃を行う国家が通常攻撃を仕掛けてきたわけです、
対抗手段で核を使って何が悪いんでしょうか?
以上が日本の核所有に関する攻撃する場合の視点からの評価になります。
結論としては核持った方がつえーってだけの話です。
そんなドラゴンボールなのりの頭の悪い軍事独裁国家を相手にする事になるので、
日本としてはそれに対処する手段を持たなければ外交にすらならないわけです。
最後に日本が核を所有した場合、日本が攻撃をするタイミングの話をします。
攻撃ではなく防御としての抑止力ですね
これはすごくイメージしやすいです。
日本が負けに負けて最終段階にまでなってしまった状況ですね。
具体的には第二次世界大戦で広島長崎に原爆を落とされる前の状況に近くなった時です。
この段階まで進んでいた場合、戦争には負けるでしょう。
ですが、広島長崎に原爆が落ちるような悲劇だけは回避する事ができます。
現在の日本の国体は自由主義、民主主義になります。
その基本である国民の命を守る事に関しては、
いかに困難であろうとも、いかなる犠牲を払ってでも成し遂げなければならないのです。
逆にそれさえ何とかなれば、最低限の国体は守れる事になります。
毎度毎度、505が議論に絡むと荒らしばりに連投長文になって申し訳ありませんやえちゃん…。
追記ですが、核武装論として『核兵器は外交手段である戦争という行為にそぐわない兵器-NPDI広島会合を考える(3)』で「み」さんがカキコされた内容でしたら、私は核武装論に異論はありません。仮にhanさんが主張されたかった内容が「実は み さんと同じだったんだ」という事でしたら、それをやりとりから読み取れなかった私のミスですのでどうかお許し下さい。
これは大変失礼しました。
hanさんが答えそこねた質問は以下の箇条書きになります。
日本で核武装したい人って、それまでに
・9条改正
・日本国軍化
・他国を攻撃出来るような法整備
・他国を攻撃するための能力(兵器開発&獲得&運用能力)
・他国を核攻撃するための手続き・制度
・核兵器を背景に他国と交渉するための外交力と国民的理解と支持
・核兵器開発能力
・核実験の為の土地と施設
・核兵器開発と核実験と核兵器維持と核兵器防衛の為の人・施設・予算
頂いた追加
・全世界を敵に回してもやり遂げる覚悟
・全世界から経済制裁を受けても大丈夫なだけの資源・農業生産等
・原子力潜水艦の開発(普通に考えて通常潜水艦で核運用しても意味ないですし……)
・その他
が必要なのですが、これらを踏まえた上で『日本が』核武装をすべきとお考えなのでしょうか?
すでに様々な方が示しているように、『日本』の核武装には得られる抑止力以上のデメリットがあります。そして撃ったら全世界を敵に回す以上、撃たれても撃ち返す能力(つまり自分一人で反撃する能力)よりも、撃たれても撃ち落とす(つまり自分の被害は無く全世界共同で撃った奴をボッコする)能力の方が有効ですよねって話もしています。
予算とかミサイルの値段とかは前段がクリアされた後の話です。
また伝わりにくいだろう長文で恐縮ですが、ご理解いただければと思います。
505さん「単純に、無意味な兵器になる前から持ってるから。ってだけでは」
これは核武装とか、核抑止論を論ぜる上で重要な要素ですよ。
S.Sさんの疑問は当然です。きちん根拠を答えてください。
私が答え損ねた質問があるならもう一度書いてください。
そんな曖昧な表現では伝わりません。
前のエントリにも返信済みですがhanさん、あなたが答えるべき課題はそこではありません。
意図的か無意識か、あるいは書き手の力不足であなたに意図を伝えられないのかはわかりませんが…
あなたは、相手があなたに求めている質問を理解しそれに対し解答をするというやり取りが出来ていません。いつも少しズレています。
質問を深読みすることなく書かれている事そのものへの解答をしれください
ウクライナの件もありますように、アメリカのパワーも落ちてきて、世界は一極化が終わり、いくつかの陣営に分かれていくのではないだろうかと思っております。(欧米、ロシア、中国)
そうなると、ウェストファリア体制のように国際社会の圧力が無力化していき、自分の国のことは自分で何とかしていく時代がくるのではないでしょうか。
自分は核なんて政治力を高める材料としか認識しておりませんし、アメリカもそれをわかっているからか、プロトニウムを日本から奪いました。いつまでも日本を逆らえないようにしたいのでしょう。
このままではアメリカの圧力で、TPPや年次改革要望書など、内側から国家改造されて植民地化されていき、中国からは古来からの「洗国」というやり方で人口侵略されていき、日本が滅ぶだろうと思いますので、日本も核武装して、かつ対等な日米同盟がベストだろうと思います。
まあ、アメリカが許さないでしょうが。いくら言論で世論を啓蒙しようと、政治レベルでは歴史認識も戦後レジームも、もう一回戦争やって戦勝国にならない限り、このままでしょう。せめてアカ狩りはアメリカの支持取り付けてやってもらいたい。
505 さん 思いつきでいいかげんな発言でないなら根拠を示せばいい。
私は提示できますよ。アメリカ軍は不要と思われるものをきちんとストップさせています。近年でいえば、シーウルフ級原潜3隻、ズムウェルト級駆逐艦も3隻で生産中止、F-22は当初700機以上の予定が195機で打ち止めです。いずれの兵器も性能的には申し分ないものでしたが、生産ストップです。
あなたには根拠をしめせるのですか?
どうもみなさん核兵器ひとつにやけに感情的ですね
極端な話、核武装するにしてもそれこそ前日まで核廃絶っていっておいてしれっと配備してしまえばよいのであって(極端な話なので現実的でないという批判はお控えください)、重要なことは安全保障の実と正当性らしきものをいかに国際社会に認めさせることができるか(プロパガンダに成功するか)ということでしかありません。
そういうわけで核廃絶を訴えることには賛成ですw。
hanさん、あなたはそういうどうでもいいツッコミをする前に、答えなきゃいけない質問があるのでは?
あえて無視しているのか、それとも『いつものパターン』に入ったのか…。そのどちらなんでしょうね。
「無意味な兵器になる前から持ってるから。ってだけでは」
505さんまた思いつきでいいかげんな発言を….そんなわけないいでしょうが。
核による抑止tとプレゼンスに価値を認めているからに決まっているでしょう。
S.Sさん
単純に、無意味な兵器になる前から持ってるから。ってだけでは。
すでにあるものを無くすのは大変ってだけの話です。色々利権やメンツや国威が絡んでくるわけですから。
・核兵器を撃ち込まれた場合に、キチンとその報復が出来ると見せつけ、撃たせないようにする(核抑止力論)
・アメリカが本当に日本に変わって核を撃つかどうか分からないから(核の傘論)
そうじゃなくて、追い詰めすぎると核を撃つかもしれないから、そこまで追い詰めないようにしようと思わせるのが、核保有の目的。抑止力。
それプラス報復手段。
小国も大国もその部分は変わりない。
北朝鮮の金体制だって倒そうとすれば、倒せるでしょう。
でも後始末(難民や経済的意味を含む)が大変だから倒さない。それに本当に体制崩壊になってしまうと核だって使うかもしれない。
自国の国民に金体制を倒す代わりに、核の被害に甘んじろとはいえないのは、どこの国も同じ。
だからどこの国も現状維持を望んでいる。
核がなかったら、経済と難民問題だけだからもしかしたらとっくに打倒して終わりだったかもしれない。
ある意味、核抑止力の見本になってるじゃないですか。
ならば、所謂大国が何故「無意味な核兵器」を今もって、しかも云百も所有しているかが気になるところですが。無論、核兵器の製造、保持、発射基地の費用を鑑みれば決して安くはないのですから、単なる既得権ではないのは明らかでしょう。となれば、それだけの費用を受け持つだけの利益がある、と核保有国は考えているのでは?となれば、核保有には百害あるが利益あり?
なお、ことわっておきますが、自分としては核保有の是非は、「日本国憲法は弊害だから即刻無効化せよ」と同じレベルだと思っていますので、悪しからず。