「政権交代」のうちわはアウトでは?

 メールを頂きました。
 「蓮舫参議院議員のうちわはセーフなんですか?」
 とのコトでしたので、今日はちょっと色々解説しておこうと思います。
 
 まず蓮舫参議院議員のうちわは、結果的に言えばセーフです。
 なぜかと言うと、これは「証紙が貼られた法定ビラ(選挙ビラ)」だからです。
 探せばあるモノで、こちらに画像があるのですが、よく見て下さい、左胸のあたりに四角のシールっぽいモノが見えると思います。
 これを「証紙」と呼びまして、選挙期間中に「ビラ」として配れるという証明のためのシールなんです。
 なぜこんなコトをしているのかと言いますと、選挙期間中に配れるビラには枚数制限がありますので、その枚数を限定するためにその枚数と同じ数だけの証紙が選挙管理委員会から立候補者の事務所に出されるっていう形になっているんですね。
 こう聞くとなんだかアナログな感じがするかもしれませんが、やえもそう思います(笑)
 というワケで、この蓮舫議員のうちわは、これは正確にはうちわではなく正式な手順を踏んで承認されている「選挙ビラ」ですからセーフ、という理屈になります。
 
 ちなみに選挙ビラは大きさの規定(A4サイズ以内)がありますから、それ以上の大きさのモノは配れませんが、それ以下であれば特に規定はないので、うちわの大きさのビラを作って配布するコトは可能なんですね。
 もちろんさっき言いましたように枚数制限がありますから、いくらうちわ型のビラだとしても証紙が貼られていないモノが配布されていたら選挙違反です。
 そして逆に、この「選挙ビラ」は選挙期間しか配布できません。
 先ほどの画像をもう一度見て頂きたいのですが、そこには「参議院議員候補」と書いてあるのですけど、こういう書き方っていうのは選挙期間しかできないコトになっています。
 例えば今現在蓮舫議員でも誰でも「参議院議員候補」とか「衆議院候補」とか書いたモノを他人に配布すると、これは公職選挙法違反となります。
 「選挙のコトは選挙期間の中でのみ」というのが公職選挙法の大前提だからなのです。
 
 なので、蓮舫議員のうちわ問題というのは、これは松島大臣の問題と、ちょっと次元が違うんですね。
 蓮舫議員のは「選挙中の選挙運動の問題」であり、松島大臣のは「選挙期間以外での収賄の問題」となります。
 たまに「蓮舫のは選管に許可とってるからOKであり、松島も許可を取れば良かった」なんて言っている人を見かけますが、これはそもそもの問題の根本を理解していない人の物言いとなります。
 松島大臣のうちわは、松島さん自身の選挙期間に配布されたモノでありませんので、根本からして蓮舫議員の問題とは次元が違う問題なのです。
 むしろアレを松島大臣が証紙を貼らずに選挙期間に配布していたら、これはもう一発アウトの案件になっちゃうんですね。
 
 整理しますと、蓮舫議員のうちわは正式な手続きを経て配布された「選挙ビラ」ですからセーフです。
 松島大臣のは、もしうちわに金銭的価値があると仮定するなら買収になりますからアウトです。
 しかしやえはそもそもその辺のお店で普通に配布されている使い捨てのうちわに金銭的価値があるとは常識的に思えませんのでアウトとは思えません。
 ただし民主党は、「うちわには金銭的価値があるからアウト」と主張している、というのが今の段階なワケですね。
 
 ではこちらをご覧下さい
 たくさんのうちわ画像が集められています。
 民主党から立候補して落選した岡部まり氏のうちわ、今は日本未来の党の代表をしている元社民党の阿部知子議員のうちわ、日本共産党の辰巳孝太郎議員のうちわの画像が載せられています。
 うーん、これ、民主党の主張通りだとアウトじゃないんでしょうか。
 まず岡部氏のうちわについては、これは柄の部分が写真に載っていないので、「選挙ビラ」の可能性はあります。
 画像で見える範囲に「証紙」がないので確定は出来ませんが、この裏に証紙が貼ってある可能性はありますので、この画像だけではなんとも言えません。
 ただし、阿部議員と辰巳議員のうちわは、これは柄の部分が常識的に考えて「選挙ビラ」の大きさ(A4)にはみ出しているので、これは両方の意味でアウトでしょう。
 すなわち、選挙の場合においては証紙を貼っていたとしても大きさでアウト。
 選挙の場合でなくても、民主党の主張であればうちわを配るコトがアウトと言っているのだからアウト。
 つまりこれは、もうどっちだとしてもアウトの案件なんですね、少なくとも民主党にとっては。
 民主党やマスコミはなぜ松島大臣だけをアウトと言うのでしょうか、その論理的な根拠を聞きたいところです。
 そして岡部まり氏のうちわも、もし証紙が貼っていなければ、やはり民主党的には「うちわには金銭的価値がある」とのコトですから、岡部まり氏も買収というコトになります。
 
 次に、うちわ一覧のさらに下をご覧下さい。
 「生活が第一 政権交代」といううちわがありますね。
 あえて民主党と書いていないところが責任逃れを感じさせる卑怯なうちわですが、まぁどっちにしても柄の部分が選挙ビラの大きさを超えていますから、少なくとも「選挙ビラ」ではないでしょう。
 だったらやっぱりアウトでしょう、民主党の主張からしたら。
 あらあらどうしたのでしょうか。
 ちなみにその下の「打破」のうちわは、これは選挙ビラです。
 大きさ的にもOKですし、証紙が貼られているのも画像から見て取れます(「比例代表は」の右横)。
 
 また「政権交代」の方のうちわにお話は戻りますが、このサイト、ご丁寧に記事までクリッピングしていて、
 

 用意するのは「政権交代」と書かれたTシャツ、タオル、うちわ、トートバッグ、ステッカーなどで、8月18日の公示を控えた8月中ごろまでに作製を間に合わせる予定だ。

 
 と引用されていますね。
 この「政権交代」のうちわがどういうタイミングで使用されたのかは分かりませんが、少なくとも大きさ的に選挙期間で配布されたモノではないでしょうから、これはもう松島大臣の件と全く同じ構図なワケです。
 果たして民主党はどの口で松島大臣を糾弾しているのでしょうか。
 自分たちのうちわは綺麗なうちわで、自民党のうちわは汚いうちわと言ってしまうのでしょうか。
 
 また、記事によると民主党はうちわだけでなく「Tシャツ」「タオル」「トートバッグ」「ステッカー」も作成しているとのコトですが、これ、どういう使い方をしているのかまでは分かりませんけど、もし広く配布していたら完全にアウトですよ。
 まだステッカーあたりでしたらごにょごにょかもしれませんが、少なくともTシャツやトートバッグに対して「金銭的価値は無い」とはさすがに言えないでしょう。
 そしてTシャツは選挙の運動員が着るためのモノかもしれませんが、トートバッグってなんでしょうか?
 ちょっとこれ、一般の人に配布しているんじゃないんでしょうか?
 そしたら完全にアウトです。
 民主党党本部が積極的に買収したと言わざるを得ないでしょう。
 果たしてどうなっているのでしょうか。
 
 やえ的にはうちわは問題ないと思っています。
 でも民主党はダメって言っているのですから、自らの行為にもそれは自分たちがむしろ積極的に当てはめるべきでしょう。
 マスコミもです。
 この自民党だけがダメで後はOKという姿勢は、もはや「差別」であり「ヘイト」ですよ。
 民主党に対してはいつものコトですが、他人のコトを批判するならまず自分たちの行為をキチンと説明してからにしてほしいです。
 差別はダメですよ。