国会で審議しても聞く耳持たなかったくせに、今さら何を言うのか

 こういうマスコミの二枚舌、その場だけで批判できればいいという軽い態度こそが、いま国民から向けられている冷ややかな目の原因だというコトに、マスコミはいつになったら気づくのでしょうか。
 

 (社説)臨時国会召集 要求無視は憲法軽視だ
 
 野党が憲法53条に基づき安倍首相に出した臨時国会の召集要求がたなざらしにされている。
 
 いま臨時国会で議論すべきテーマは増えるばかりだ。環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意の国民生活への影響は。「1億総活躍社会」とは何なのか。米軍普天間飛行場の移設問題では、沖縄の民意に耳を傾けようとせず、埋め立て本体工事に着手した政府の姿勢を早急にただす必要がある。

 
 ハッキリ言って、いまの国会の制度であれば、とにかく国会を開いて審議をたくさんすればいいっていうコトにはなりません。
 大臣など行政府の長は、国会で審議し答弁するだけが仕事なのではなく、文字通り行政を動かすコトも重要な仕事です。
 でも大臣が国会答弁で丸一日国会内に縛られては、それも出来なくなりますよね。
 さらに総理や外務大臣などは外遊も国会答弁と同じぐらい重要な仕事であり、それを軽視してはなりません。
 詳しくはやえも「国会改革論」としていくつか文章を公開してますのでそちらを読んで頂きたいと思うのですが、とにかく、時々通年国会論が出されるワケですけど、いまの制度だとそれはむしろ国益を損なわせる結果にしかならないと言うしかないのです。
 
 ましてマスコミは、これまでなんと言ってきたのでしょうか。
 あれだけ長い時間を掛けて国会で審議してきた安保法制に対して、いくら国会で政府側が丁寧に丁寧に説明しても、また与党議員が国民に分かりやすい質問をしたとしても、それらを一切無視して「国民の理解が深まっていない」という一言で切り捨ててましたよね。
 そもそもマスコミとは、国会と国民とを結ぶ役割を持っているハズなのに、国会のそういう動きを伝えずにネガティブなコトばかり言うのはマスコミ自身の否定にしかなってないハズなのですが、そういう本来の役割すらかなぐり捨てて、マスコミは安保法制と安倍内閣のネガティブキャンペーンに走りました。
 そのマスコミが一体いまさら何を言っているのでしょうか。
 
 憲法の規定とか、重要案件があるから国会を開け、と主張するコト自体は、まぁあってもいいでしょう。
 それは普通の主張だと思います。
 しかし、マスコミはもうそんなコト言う資格ないんじゃないですか?
 いくら国会で審議しても、それを無視してきたマスコミが、いったいどうして今になって急に「国会で審議しろ」と言うのでしょうか。
 審議しても聞かなかったようなマスコミに、国会で審議しろなんて言われたくないですよね。
 もしマスコミは本当に本心から国会で審議すべきだと思っているのであれば、まずは安保法制の時の自らの態度を改め、謝罪するコトからはじめるべきです。
 野党や極論の人の主張だけを垂れ流すのではなく、与党や法案賛成者の意見も、同じ紙面を割いて載せるべきです。
 いまからでも遅くはありません。
 自分勝手な主張をする前に、まずはそれをやってからにしたらどうでしょうか。
 
 マスコミのこういう二枚舌や、その場だけの一貫性の無い批判体質こそを、国民はいま嫌気がさしているのです。
 無責任なのは誰でもないマスコミ自身なのですが、それに本当に気づいていないのか、それとも認めたくないだけなのかは分かりませんが、こんな記事を書いているようでは、ますますマスコミに対する国民の信頼は失墜していくだけでしょう。
 他人にどうこう言う前に、マスコミはまず自分の足下を見るべきです。