白紙答案と書いてあるモノとは雲泥の差がある

 コメントを頂きました。
 

>特に岡田副総理など、このお話をするとすぐに郵政民営化を持ち出して「小泉総理はバラ色を言っていたじゃないか」と言いますが、郵政民営化は実行した政策であり、民主党の実行出来ていない目玉政策とは一線を画します。
 
岡田が言うなとは思うが、中身が違ったんだから一線を画すとまでは思わんな。
そう思うのは貴方が自民支持だからだろう。
それに、目玉公約だろうとそうでなかろうと公約は公約だ。
 
「やります!!」と言ってやらないのと
「やります!!」と言ってやったけど中身が違うのと
俺としては印象としては大差ない。
 
どっちも「言ってた事と違うじゃないか」と言う点は一緒だ。
だからこその政権交代だったのだろう。
 
あと、安倍政権時に実現してない目玉公約として
年金の突合せ完了があるが。

 
 一線を画しますね。
 次元が違います。
 
 申し訳ないのですが、アナタの印象のお話をしているんじゃないんですよ。
 これはいつも言っているコトですが、政治っていうのは最終的に判断するのは国民ひとりひとりです。
 決してこれはマスコミが決めるコトでもないですし、当然やえが決めるコトでもないです。
 やえはやえの中での結論っていうモノはもちろん出して持っていますが、それが普遍的価値だと言うつもりはありませんし、だからやえはあまり結論的なモノはサイトでは言わないようにしています。
 今回のお話は、そういう個人的見解のお話では無いのです。
 
 ではこの問題をどう考えるかですが、結局小泉さんの郵政民営化は実行されたワケですが、さっきも言いましたように、その結果どのようになったのかというのはこれはやっぱり国民ひとりひとりの印象と言いましょうか、結論的なお話です。
 郵政民営化と一言で言っても、これはとてつもなく大きなお話ですから、どこからどの角度からどんな立場から見るのかで変わってくると思うのですが、例えば単純に窓口での印象で言えば、やえは格段に良くなったと感じています。
 民営化する前までは客商売とは思えないほど無愛想でしたからね。
 まぁこれも全ての窓口がそういうワケでは無い、たまたまやえがよく使うところがそうだった可能性もありますが、これも結局どこからどの角度からどんな立場から見るのかで変わるお話であり、そしてこれはやっぱり人によっての個人的な見解の相違のお話であるワケですね。
 ですから、コメントして下さった方は郵政民営化を「中身が違う」と思っているのかもしれませんが、そうは思っていない人もいるワケで、そしてアナタの考えが神の意志の如く唯一のモノではないのは言うまでも無いコトですから、小泉さんの場合は「評価の差異」が出るという事実は、これはいくら自分の意見があったとしても「人によって違う」という事実は受け止めなければならないのです。
 
 それなのに岡田副総理は、この部分を全く具体的に指摘せずに「郵政民営化は失敗だった」と言い放っているワケで、ちょっとこれは物事を指摘し批判するには、まったく不適切と言わざるを得ません。
 当サイト的に言えば、論拠が全くないワケです。
 何がダメだったのか、どの部分がどうダメだったのか、批判するならここを具体的に指摘する必要があります。
 それなのに岡田副総理は、さも郵政民営化全体が失敗だったコトを普遍的既成事実化のように言っているワケで、これはもはやレッテル張りにしかなっていないんですね。
 
 しかし一方、民主党の様々な目玉政策、子ども手当にしても、高速道路無料化にしても、農家の個別補償にしても、これらの達成できていない政策というのは、誰がどう見ても達成出来ていない政策です。
 子ども手当に関しては金額を少なくして制度は作りましたが、マニフェストに書いてある形で実行出来ていないという点に関しては、誰がどう見ても、解釈の余地無く普遍的事実なワケです。
 沖縄政策もそうですね。
 鳩山当時代表は選挙前にしきりに「最低でも県外」と言っていたくせに、いまや問題は選挙前より遥かにメチャクチャに複雑化してしまいました。
 この事実はだれがどう見ても普遍的事実として、解釈や評価の余地無く、事実として存在しているワケです。
 
 よって、「やったけど人によって評価が分かれる」と「実行すらしていない」というのは、事実という点においては全く別モノなのです。
 次元が違います。
 ここの「個人的印象&結論」と「普遍的事実」の2つは、政治に限らず全てのコトを論評する場合においては、キチンと明確に分けて考える必要があります。
 個人的見解を主張するのと、事実を提示するのとでは、まったく違うのです。
 残念ながら岡田副総理も、そしてコメントを頂いたこの人も、ここをごちゃ混ぜにしてしまっています。
 
 どれぐらい違うかは、それは例えば小論文のテストで白紙答案を出したのか、それともちゃんと書いたのかぐらい違います。
 民主党はマニフェストを実行すら出来ていないのですから、これは白紙答案です。
 こんなのは誰が見ても、どの先生が評価しても、0点としか付けようがありません。
 白紙は誰が見ても白紙であり、意見の相違の余地の無いモノであり、普遍的事実です。
 
 それに対し小泉さんの郵政民営化は、キチンと中身は書いている論文です。
 かなり独特な内容の論文ですから読む人によって印象は変わってきますし、人によっては「タイトルと中身が全然違うじゃないか」と言う人もいるかもしれませんが、それでもキチンと書いて提出したコトには違いありません。
 この論文に何点を付けるかは、それは人それぞれです。
 でも書いてあるという事実は誰にも否定出来ないコトですよね。
 
 次元が違うんですよ。
 結果的に岡田副総理やコメントを頂いた方が小泉さんの論文を0点と付けたとしても、でも他の人が100%0点を付けるワケでは絶対にありませんから、この部分で「無と有」という絶対に越えられない事前の違いが生まれているのです。
 書いてあるモノと白紙、実行した政策と実行していない政策とでは、一線を画す、次元が違うのです。
 アナタの評価ではなく、事実としてこれは歴然とした差があるというコトは認めなければならないです。
 
 そしてここに支持政党は関係がありません。
 やえがどこの政党を支持していたとしても、普遍的事実と個人的見解の間には越えられない壁があります。
 むしろそれを無視して「どっちもどっち」と言う方が、相対的に白紙答案を記入答案と同じ位置に持ってくるという肩入れをしてしまっているワケで、コメントを頂きました方が実際はどうなのかは分かりませんが、結果的には「民主党支持者ゆえの行為」と断定するしかありません。
 アナタが民主党を応援するのは勝手ですが、事実と個人的見解をごちゃ混ぜにして、同じステージで比較するような卑怯なマネはやめていただきたいと思います。
 岡田副総理にも同じ言葉を贈りたいと思います。
 
 
 あと最後の年金突合のお話ですが、これやえの記憶が正しければ、突合を終わらせる期間を区切ったコトを安倍総理は約束してはないハズですよ。
 確か当時やえも取り上げたような記憶があるので、後で参照してみますが、「年金の突合せ完了」という表現は違ったと記憶しています。
 
 あとは、「選挙の際の判断材料になったかどうか」という点も考慮が必要かとは思います。
 今回のマニフェストのお話は、極めて「選挙の際の材料」という点が大きく、だからこそ民主主義の根幹に関わるモノであって、例えばコメントでもお話ししましたように政治一般論で言えば選挙の際に言わなかった政策を状況によっては実行するというのはあり得るお話ですが、でも選挙の際にやらないと言ったモノは、これはやってはダメなんですよ。
 この「選挙の際」が重要であって、選挙が民主主義の根幹を支えているのですから、ここを切り取ってしまえば民主主義という樹は倒れ落ちてしまうからです。
 ですから今の民主党のお話は、「民主主義の根幹に関わる選挙の際の公約のお話」であって、比較するならこの条件に合致するお話と比較する必要があるワケで、例えば「年金の突合が終わる、だから自民党に入れよう」なんて思った人が果たして何人いるかというのは、議論する余地があると思っています。
 安倍総理は衆議院選挙を戦ってすらいないワケですからね。
 それまぁ別の問題としてあろうかと思いますが、コト「選挙公約にかかる民主主義の問題」とは別問題なワケです。
 ここはキチンと分けて考える必要があるでしょう。
 
 勘違いして欲しくないので言っておきますが、決して選挙の際でなければ嘘を付いてもいいと言っているワケではないというコトです。
 やえが言いたいのは、比べるのであれば公平な天秤にかける必要があると言っているのです。
 政権選択のある選挙の前に、選挙期間中に有権者に向かって政策を約束するという行為は、やはりある種特別だと言えますし、比べるなら同じシチュエーションでなければ公平では無いでしょう。
 それは今日の本題と本質は全く同じです。
 そこのところをよくよく考えて貰いたいです。