国民が主体となって国民に主張する

 昨日のお話の続きです。
 興味深いコメントを頂きましたので、題材に使わさせていただきます。
 

でも変節は変節ですよね。
ならば以後、野党(数年後の民主の残党とか)が票欲しさに筋を曲げる事を批判しないという事で宜しいので?
後、「政党支持率が一桁になってもいいから筋を通せと言っても、そんなのはさすがに無理なお話です」
「立場から気持ちは分かるけど、選挙だけが政治じゃないしなぁ」
一体どちらに重点を置いているのですか?

 
 結局このご意見というのは、政治家を主体としての考え方でしかないワケです。
 自民党が(自分勝手に)変節したんだ、政党が(自分勝手に)変節したんだからそれは批判すべきだろ、と、主体が政治家で、国民である自分自身は常に受身の立場に立っている考え方ですね。
 
 ここが間違いなんですよ。
 
 自民党の政策は「国民が変えさせた」のです。
 そもそも麻生総理の時の選挙公約に国民がNOを突き付けたのですから、それを変えるっていうのはむしろ当然のコトですよね。
 国民に向かって「こういうメニューがあります」って提示して、でもお客様はそれには納得せずに別のお店に行きましたとなったのですから、それは「ダメだったか。ではもっと納得して貰うためのメニューを作り直そう」って当然なります。
 なって当然です。
 むしろならなければなりません。
 そんなコトができないお店は潰れるだけです。
 だから生き残るためにはメニューを変えるワケですし、それが国民の望んだコト、国民が「変えろ」という結果を突き付けたのですから、そんなのは変えて当然なワケです。
 
 つまり国民が変えさせたワケです。
 
 言い方を変えますと、民主主義国家ですから、国民がNOと言った政策を推し進めるコトは、それはある意味の「悪」です。
 民主主義にとっては民の意志が正義なのですから、それに反するコトは「悪」です。
 ですから、共産党のようにイデオロギーが先にあってそれを達成するための政党なら政策を変えないというのはあり得ますが、自民党はそうではなく、基本理念はありますけど、そこから逸脱しない幅での政策変更っていうのは民主主義政党としては当然の行為でしょう。
 
 いまの民主党というのは、「国民に是とされたマニフェスト」を曲げているから悪なのです。
 もし、子ども手当も高速道路も農家への個別補償も全部達成出来ていたら、いまのような政党支持率にはなっていなかったでしょう。
 まぁやえは政策の中身がダメだと思っていますから政策的には批判しますが、筋を通すとか行動論としては、それは間違っていません。
 でもいまの民主党はそうではないワケですよ。
 ここをですね、自民党と一緒にしてはいけないんです。
 
 まず主体を国民として政治を見てください。
 結局3党協議だって、自民党は最初は拒絶していたのに、それを批判したのは国民自身だったワケじゃないですか。
 当サイトでは「自民党が消費税に関する3党協議に乗ってはいけない8つの理由」というキャンペーンまで張ったワケですが、それは逆に言えば、世間が3党協議を拒む自民党をこれでもかと批判していたからに他なりません。
 もしですよ、国民がその時に自民党の対応を肯定していれば、いまの3党合意には絶対にならなかったワケです。
 もう一度言いますよ、まず主体を国民として考えてください。
 国民が自民党を批判したから3党合意がなったのです。
 国民が自民党を肯定していたら3党合意はあり得なかったのです。
 
 やえは日本国民です。
 政治家ではありませんし、自民党所属の議員でもありません。
 だから国民の立場から国民として考えるのです。
 この場合どう考えるのが一番正しいのでしょうかと、国民の立場で考えるのです。
 
 一国民として出来るコトを考え、その中でもっとも国益にかなう方法を探しているのです。
 
 そうした場合、やはり国民が適切な判断が出来なかったからこその現状ではないかと、国民の判断が間違っていたというコトを指摘するコトがもっとも有益ではないかと考えます。
 国民がNOと言ったから麻生総理の政策が頓挫しました。
 国民がNOと言ったから菅内閣は数ヶ月もズルズルと続いてしまいました。
 国民がNOと言ったから3党合意が成ってしまいました。
 ではこの場合国民として主張すべきは、誰を対象にするのが一番筋が通っているのでしょうかと。
 それはやっぱり国民ですよね。
 国民が主体なのですから。
 
 麻生はダメだー、今解散すべきじゃないー、政局ばかり考えるなー、三党協議しろー、三党合意するなー。
 
 メチャクチャだと思いませんか?
 もしやえが、AとBという膨大な量の宿題が同時に出されてその際Z先生が「まずAをやりなさい」と言ったのにも関わらず、次の日X先生に「なぜBを先にやらなのか」と言われたら、やえは怒りますよ。
 理不尽だと思いませんか?
 結果として抗議するかどうかはともかく、これを理不尽だと思わない人はいないと思います。
 でも国民は、平然とその理不尽を他人に押しつけようとしているのです。
 
 正直やえにはそんな理不尽なコトは出来ません。
 
 政治家に筋を求めるのもいいですが、まずは自分自身の筋を通すべきじゃないですか。
 ただでさえ民主主義政治の主権者は国民です。
 日本の政治は、「国民がどう考えるか」なのです。
 政治家が国民の声を裏切るような行為をするなら政治家を批判します。
 でも、政策論は別として、行動論として政治家が国民の声に従ったのにそれを批判するなんて理不尽なコトはやえには出来ないのです。
 それは理不尽ですよ。
 
 少なくとも「麻生総理の政策」には国民は明確に直接NOを突き付けたのです。
 この因果に対する応報は国民が受けなければならないコトなのです。