自民党総裁選について

 なにやら総理大臣を事実上決める民主党の代表選挙よりも、なぜか野党自民党の総裁選挙の方がマスコミの取り上げ方が大きいという矛盾した今日このごろですが、やえもいまのところの自民党総裁選についてのコメントをしておきたいと思います。
 
 まず前提として言っておきたいのですが、自民党の総裁選挙は今の総裁が決まった時点で、というかもう自民党の規約としてはじめから任期が決まっているコトですから、どの自民党の国会議員が立候補しようがそれ自体を批判するコトは出来ないでしょう。
 任期は任期です。
 任期があって選挙が定められている以上は、その任期までに総裁を務めるモノとしてはしめから総裁は認識していなければなりませんし、周りもそうであらねばなりませんし、無投票再選の方が異例だと思っておかなければなりません。
 特に野党は、政権を取り返すまでが任期だっていう規定はないのですから、ここはわきまえる必要があります。
 どの立場であっても、任期切れによる選挙に立候補するのは当然の権利であって、立候補するコト自体を批判するというのは、それはむしろ民主主義の否定にすらなるでしょう。
 まずここは基本的認識として押さえておくべきです。
 
 その上で考えてみましょう。
 いま立候補が取りざたされている人は、谷垣総裁・石原幹事長・安倍元総理・石破元防衛大臣・林芳正元防衛大臣・町村元官房長官ですね。
 なにやらここにきて全員が立候補するような気配が出てきているのですが、ではこの面々を見て、それぞれどのように感じるでしょうか。
 
 と言っておいてなんですが、正直やえは、とてもぶっちゃけてしまいますと、誰が総裁になってもいいと思っています。
 総裁によって多少は政策等でブレが出てくるでしょうけど、でも自民党という枠組みの中で考えれば、それはむしろ誤差程度です。
 この人が総裁になったから中国におもねるようになるとか、この人が総裁になったから竹島では弱腰にしかならないとか、そういうコトは今の自民党ならあり得ないとやえは感じていますから、やえは今のところ「この人でなければならない」と言う気が起きないんですね。
 ましてみなさんもう経験豊富な政治家ですし、大臣経験もみなさんおありの方ですから、能力が足りないとも思えません。
 唯一林さんだけは大臣経験日数が少ないのでちょっと早いかなと思わなくもないのですが、まぁそれでもあの人が政策通であるのは有名ですからね、変なコトにはならないでしょう。
 一番ブレ幅が大きいと思われる安倍さんがまた総理になると、今度は民主党政権からの反動的にもっと保守的・タカ派的になるかもしれませんが、しかしそれはむしろ歓迎すべきところですから、不安材料にはなりませんね。
 
 総理大臣になった時の政策の進め方、自分の思想の反映の仕方って、タイミングっていうモノが非常に大きく左右されます。
 例えば安倍さんは小泉総理よりも完全にタカ派的保守的な思想ですが、実際中国とケンカしたのは小泉さんでしたよね。
 それはいろいろなタイミングがあってこそのコトですから、それだけをもって小泉さん安倍さんよりタカ派というコトにはなりませんし、同時に後に総理になった安倍さんは思想的にはタカ派ですが、タイミング的に就任直後から中国との関係改善には動かざるを得ませんでした。
 つまりこれは、個人的思想よりも総理としての職責やタイミングの方を優先させなければならないというコトであり、まぁこんなのは当たり前のお話ではあるのですが、決して総理になった人の個人的思想で何から何まで国政が変わってくモノではないという証明であるんですね。
 
 政治をどう見るのかっていうのは大変に難しい命題で、例えばやえは選挙とは人を選ぶモノだと言ってますが、もちろん政党としての政策も大切です。
 ただ、いくら素晴らしいお題目を建てたとしても人がデタラメならデタラメな結果にしかならないというのは民主党で十分国民は学んだでしょうから、人の能力を見抜く力も必要だというのは今更言うまでもないコトです。
 ですからここのバランスは非常に難しく、そして重要であるワケです。
 
 民主党のデタラメなところはいろいろあって、政策もそうですが、他にも党内の意志決定システムが出来ていないとか、そもそも思想的バックボーンがサヨクですとか、さらに支持団体が極左であるとか、まぁいろいろあるワケです。
 そういう全てがデタラメの中では誰が代表になっても誰が総理になってもデタラメになるワケで、まぁ菅直人や鳩山元総理はデタラメさがダントツですが、そうでなくてもこのままだと誰が代表になっても同じなのです。
 やえは個人的な部分だけを見れば、野田さんはそんな悪い政治家ではないと思っています。
 もし自民党にいれば、いい政治家、いい大臣になっていたと思います。
 でもその野田さんをここまで狂わせたのは、やっぱり全て民主党という政党なんですね。
 労働組合や日教組などの連合におもねらなければ何も進めるコトは出来ないという民主党の体制が全てを狂わせているのですし、さらに党内での意志決定プロセスが全然整備されておらず、権力を持った人間が個人的思想で好き勝手できてしまうという、まぁなんといいましょうか、非常に共産主義国らしいシステムになってますから、それもデタラメの要因なワケですね。
 つまり逆に言えば、そういうシステムだからこそ野田総理は暴走出来たのです。
 あれが自民党ならあり得ないコトだったと言えるでしょう。
 政党にとって「支持団体」と「意志決定プロセス」は非常に大切なのです。
 
 そう考えれば自民党は党内意志決定プロセスが整備されている、これは当サイトが個人サイトではむしろ一番伝えているぐらい部会や政調の説明をしていますように、システムが整備されていますし、政策も納得出来るモノも少なくないので、そういうコトを総合的に見れば、やえは今回の総裁選については誰を一押しとか、そういう類のコトを言う気が起きないのです。
 誰が総裁になったって自民党らしい政策を推し進めてくれるコトでしょう。
 むしろ「○○さんでなければダメだ。そうしないと自民党はもう推さない」とか言っている人というのは、自民党の本質というモノを分かっていないとしか言いようがありません。
 総裁の顔だけでそんなにコロコロ変わってしまうようでは、民主党となんら変わりがありません。
 ですから、敢えて言うなら自民党が次の衆議院選挙で一番勝てそうな人がいいんじゃないでしょうかねというところですかね。
 でも選挙って本来党首の顔だけで選ぶモノではありませんから、国民の間違った考え方を推進するコトに繋がってしまいますから、「選挙に勝てるタメに」という言い方もやえはしたくありません。
 こう考えていたらやっぱりですね、今回の自民党総裁選は誰がなっていただいてもいいとやえは思うワケなのです。
 
 一番の問題はマスコミの報道の仕方ですね。
 いつまで経っても反自民という結論ありきの報道をしていますから、ここをなんとかしなければ絶対に日本のタメにはならないでしょう。
 投票日が近づくにつれてこの手の報道が増えてくるでしょうから、目に付く部分については指摘していきたいと思います。